第103回薬剤師国家試験 問171 解説

問 171 経口投与時において、薬物Aの体内動態に薬物Bの併用が及ぼす影響として正しいのはどれか。2つ選べ。

薬物A 薬物B 薬物Aの体内動態に及ぼす影響
○1 ノルフロキサシン スクラルファート水和物 消化管吸収の低下
×2 イトラコナゾール オメプラゾール 肝取り込みの阻害
×3 アセトアミノフェン メトクロプラミド 尿細管分泌の阻害
○4 メルカプトプリン水和物 フェブキソスタット 代謝の阻害
×5 ピタバスタチンカルシウム シクロスポリン 代謝の亢進

薬物Aの体内動態に薬物Bの併用が及ぼす影響

1:ノルフロキサシンとスクラルファートは難吸収性のキレートを形成するので、ノルフロキサシンの消化管吸収の低下が起こる

2:オメプラゾールにより胃酸の分泌が抑制されるのでイトラコナゾールは溶けにくくなり、消化管吸収の低下が起こる。肝取り込みの阻害

3:メトクロプラミドは胃内容排出速度を速めるため,アセトアミノフェンの消化管吸収の増大が起こる。尿細管分泌の阻害

4:メルカプトプリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼは、フェブキソスタットに阻害される

5:シクロスポリンを併用すると,ピタバスタチンの血中濃度は上昇する。理由は明確にはわかっていないが(P-糖タンパク質による分泌阻害と考えられている)、代謝の亢進とは真逆の現象である。代謝の亢進

 

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