第103回薬剤師国家試験 問307 解説

問 306−307 69歳女性。皮膚科を受診し、四肢の皮膚湿疹に対して以下の処方箋を持ち、初めてこの薬局を訪れた。薬剤師が薬を取りそろえる前にお薬手帳で併用薬を確認したところ、女性はラタノプロスト点眼液を処方されていた。なお、副作用歴やアレルギー歴は無いとのことであった。女性は今回の処方薬を初めて使用する。

(処方1)
ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠 1回 1錠( 1日 2錠)
1日 2回 朝夕食後  5日分

(処方2)
エピナスチン塩酸塩錠 20mg 1回 1錠( 1日 1錠)
1日 1回 夕食後 14日分

(処方3)
ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏 0.12%  5g
1回適量  1日 2回 朝夕 四肢の患部に塗布

問 307(実務)
これらの処方の疑義照会において、変更を提案すべき処方はどれか。1つ選べ。

○1 処方1
×2 処方2
×3 処方3
×4 処方1 と処方2
×5 処方1 と処方3
×6 処方2 と処方3

【解説】
ラタノプロスト点眼液は、緑内障,高眼圧症に使われる薬剤である。
処方1のベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠は、眼圧を上昇させる事があるため緑内障患者には禁忌の薬剤。
処方2,3には問題はないので、変更を提案すべき処方は(処方1)のみ。

一般名 代表的な商品名
ラタノプロスト点眼液 キサラタン点眼液
ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠 セレスタミン配合錠
エピナスチン塩酸塩錠 アレジオン錠
ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏 リンデロン-V軟膏

 

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ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠(セレスタミン配合錠)は、蕁麻疹、湿疹、アレルギー性鼻炎 などに使われる薬剤
ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠(代表的な商品名:セレスタミン配合錠)は、蕁麻疹、湿疹、アレルギー性鼻炎 などに使われる薬剤です。あくまでも急性期用の薬であり、漫然と長期間使用するべき薬ではありません。よく使われている