問 115 ある DNA の塩基配列をジデオキシ法により解析し、図のような実験結果を得た。また、表(制限酵素一覧)を参照して、その配列中の制限酵素部位の同定を行った。
【ジデオキシ法の原理】
DNA ポリメラーゼによる相補鎖 DNA 合成の際に、その基質である 4種類のデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP:N は A、G、C 又は T)に加え、 4種類のジデオキシリボヌクレオチド三リン酸(ddNTP:N は A、G、C 又は T)のうち、それぞれ 1種類だけを用いて特異的に DNA 合成を停止させる。その結果、A、G、C 又は T で特異的に終わる様々な長さの DNA 断片が合成され、これら断片をポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離することで、DNA の塩基配列を解読できる。
【実験方法】
鋳型 DNA 鎖にプライマー DNA 断片を結合させ、dATP、dGTP 及び dTTP と放射性同位体元素で標識した dCTP を加えた。この反応溶液に ddATP、ddGTP、ddCTP 又は ddTTP を別々に加えて、標識相補鎖 DNA を合成した。次にこれら 4種類の反応溶液をポリアクリルアミドゲル電気泳動に供じた。泳動後、乾燥したゲルを X 線フィルムに密着させ、-80℃で一晩放置した。
【実験結果】
DNA 断片は放射標識されていることから、X 線フィルム上ではしご階段状の泳動像(オートラジオグラフィー)として検出された(図)。
X 線フィルム上で解読した DNA 配列及び実験方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 DNA 伸長反応を停止させる ddNTP には、3ʼ の位置にヒドロキシ(OH)基が存在しない。
2 5ʼ 末端から 5番目の塩基はチミン(T)である。
3 3ʼ 末端から 4番目の塩基はグアニン(G)である。
4 EcoR I により認識・切断される配列が存在する。
5 Kpn I により認識・切断される配列が存在する。
第103回薬剤師国家試験 問115-正答-1,4
問 115 ある DNA の塩基配列をジデオキシ法により解析し、図のような実験結果を得た。また、表(制限酵素一覧)を参照して、その配列中の制限酵素部位の同定を行った。
【ジデオキシ法の原理】
DNA ポリメラーゼによる相補鎖 DNA 合成の際に、その基質である 4種類のデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP:N は A、G、C 又は T)に加え、 4種類のジデオキシリボヌクレオチド三リン酸(ddNTP:N は A、G、C 又は T)のうち、それぞれ 1種類だけを用いて特異的に DNA 合成を停止させる。その結果、A、G、C 又は T で特異的に終わる様々な長さの DNA 断片が合成され、これら断片をポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離することで、DNA の塩基配列を解読できる。
【実験方法】
鋳型 DNA 鎖にプライマー DNA 断片を結合させ、dATP、dGTP 及び dTTP と放射性同位体元素で標識した dCTP を加えた。この反応溶液に ddATP、ddGTP、ddCTP 又は ddTTP を別々に加えて、標識相補鎖 DNA を合成した。次にこれら 4種類の反応溶液をポリアクリルアミドゲル電気泳動に供じた。泳動後、乾燥したゲルを X 線フィルムに密着させ、-80℃で一晩放置した。
【実験結果】
DNA 断片は放射標識されていることから、X 線フィルム上ではしご階段状の泳動像(オートラジオグラフィー)として検出された(図)。
X 線フィルム上で解読した DNA 配列及び実験方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
○1 DNA 伸長反応を停止させる ddNTP には、3ʼ の位置にヒドロキシ(OH)基が存在しない。
×2 5ʼ 末端から 5番目の塩基はチミン(T)である。
×3 3ʼ 末端から 4番目の塩基はグアニン(G)である。
○4 EcoR I により認識・切断される配列が存在する。
×5 Kpn I により認識・切断される配列が存在する。