【2020年改定】服薬情報等提供料-とは その算定要件や書き方

調剤報酬

『服薬情報等提供料』は、2018年→2020年改定では特に変更はありませんでした。

この「服薬情報等提供料」大雑把に言うと
『薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も当該患者の服用薬の情報等について把握し、その情報を医療機関や患者さんのご家族さんや介護者・ケアマネ等に提供することで、連携して薬剤の適正使用を推進しようとする取り組み』に対する加算です。

2020年改定から地域支援体制加算の算定要件の1つに入ったりと、厚生労働省も重視している加算です。



服薬情報等提供料には2種類ある

服薬情報等提供料1・・・ 30点
服薬情報等提供料2・・・ 20点

 

「1」と「2」の違いは?

大雑把に言うと
1(30点)は、医師(医療機関)の求めによって行う情報提供。
2(20点)は、医師以外(患者や薬剤師)の求めによって行う情報提供。
このような違いがあります。

服薬情報等提供料1【30点】

保険医療機関の求めがあった場合において、患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も当該患者の服用薬の情報等について把握し、保険医療機関に必要な情報を文書により提供等した場合に月1回に限り算定する。これらの内容等については薬剤服用歴に記録すること。

 

服薬情報等提供料2【20点】

患者若しくはその家族等の求めがあった場合又は保険薬剤師がその必要性を認めた場合において、当該患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も患者の服用薬の情報等について把握し、患者、その家族等又は保険医療機関へ必要な情報提供、指導等を行った場合に算定する。なお、保険医療機関への情報提供については、服薬状況等を示す情報を文書により提供した場合に月1回に限り算定する。これらの内容等については薬剤服用歴に記録すること。

 

「1」と「2」で同じ部分

服薬情報等提供料1・2の共通事項
・患者の同意を得る。
・薬剤の使用が適切に行われるようにするのが目的。
・調剤後も患者の服用薬の情報等について把握する。
・内容等を薬歴に記載する。

 

「1」と「2」で異なる部分

違い 服薬情報等提供料1 服薬情報等提供料2
誰の指示が必要か 医療機関の求めが必要 患者や家族の求め,or薬剤師が必要性を認めた場合
情報提供相手 医療機関 患者や家族,or医療機関
情報提供手段 文書により 医療機関へは文書

 

ケアマネジャー(介護職)への情報提供でも算定できる

服薬情報等提供料2はケアマネジャーに情報提供した場合でも算定できます

平成30年3月30日の疑義解釈その1より
【服薬情報等提供料】
問4 かかりつけ薬剤師指導料や在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定していない患者について、当該患者の介護にかかわっている介護支援専門員等からの求めに応じ、服薬状況の確認及び必要な指導の内容について提供した場合に、服薬情報等提供料2を算定して差し支えないか。

(答4)患者の同意を得るなどの要件を満たせば、算定して差し支えない。

 

この点数を算定できない患者は?

・かかりつけ薬剤師指導料
・かかりつけ薬剤師包括管理料
・在宅患者訪問薬剤管理指導料
を算定している患者については、算定できない。

 

地域支援体制加算の算定要件でもある

「調剤基本料1以外の薬局」が追加で満たすべき基準の1つに
『服薬情報等提供料の算定回数 年間60回以上』という要件があります。

そして2020年改定からは、調剤基本料1を算定する薬局に対しても
「服薬情報等提供料の算定回数 年間12回以上」という要件が加わりました。

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まとめ

『服薬情報等提供料1』チェックリスト
保険医療機関の求めがあったか
患者の同意を得たか
調剤後も当該患者の服用薬の情報等について把握しているか
保険医療機関に必要な情報を文書により提供したか
月1回より算定していないか
薬剤服用歴に記録したか
『服薬情報等提供料2』チェックリスト
『患者やその家族等の求めがあったか』or『保険薬剤師がその必要性を認めたか』
患者の同意を得たか
調剤後も患者の服用薬の情報等について把握しているか
『患者やその家族等』or『医療機関』へ必要な情報提供・指導等を行ったか
(医療機関への情報提供の場合は)服薬状況等を示す情報を文書により提供したか
月1回より算定していないか
薬剤服用歴に記録したか

服薬情報等提供書・トレーシングペーパーの書き方

薬剤師は「ビジネス文書の書き方」「伝わりやすい文章の書き方」というものを学ぶ機会が少ないからか、読む相手に伝わりにくい文章を書いてしまう人も多いです。

服薬情報提供書は相手に読んで理解してもらってナンボです!

服薬情報等提供書・トレーシングペーパーは、患者のためを思う薬剤師が「これは医師に伝えたほうが良いな」と考えた事を書けばよいので、言うまでもなく内容が最も重要です。
しかし、簡潔でわかりやすい報告書は相手に「きちんとした薬剤師だ」「この薬剤師なら信頼できそうだ」という印象を与えますので、書き方も非常に大事です。

服薬情報等提供書・トレーシングペーパーを 簡潔に書くことができない もしくは どんな情報を提供すべきでどう書いていいかわからない といった方にオススメなのがこの本「地域包括で薬立つ4ELEMENTS実践ガイド」です。本のタイトルからはわかりにくいですが、4ELEMENTSのうちの1つがトレーシングレポート(服薬情報等提供書)についての内容です。京大薬剤部さん素晴らしい本を作ってくれてありがとう。

私も買って参考にさせていただいています。めちゃくちゃオススメです。税込み3,520円しますが、その分服薬情報等提供料を算定できるようになるので、すぐにペイできます。

他にも色々と書いています

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