【2024年改訂】特定薬剤管理指導加算3【5点】RMP または 薬品変更

疑義解釈

「特定薬剤管理指導加算3」は、「特定薬剤管理指導加算1(ハイリスク薬)」や「特定薬剤管理指導加算2(抗がん剤)」とも併算定できます。
(同処方でもそれぞれ要件を満たしている場合であれば)

「特定薬剤管理指導加算3(5点)」は大きく2つに分類されています。
大雑把にいうとこの2分類です。
・特定薬剤管理指導加算3-イ:患者向けRMP資材を用いて指導した初回。
・特定薬剤管理指導加算3-ロ:調剤前に「先発希望の患者さんに後発の説明(選定療養の説明)」または「流通不安定な薬を変更せざるを得ない場合」に説明及び指導を行った初回。

ちなみに、このイとロは同じ処方せん(同じ受付)でも併算定できます。

 

RMPって何?という方もおられると思いますが、
RMPについてはPMDAのこのページが詳しい&正しいので、こちらで基礎知識を入れておきましょう。
医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)

RMP(RMP資材)とは、簡単に言うと製薬会社が作ってくれた書類です。
添付文書とは異なりますが、添付文書のように製薬会社が作成した『医薬品リスク管理計画』の書類です。
その中でも患者さん向けのものが「患者向けRMP資材」です。
選定療養って何?という方もおられると思いますが
大雑把に言うと、選定療養とは
「後発薬あるのに先発薬使ってると、一部保険きかなくなるので高くなりますよ」です。

 

調剤報酬点数表 より引用

特定薬剤管理指導加算3

注7 調剤を行う医薬品を患者が選択するために必要な説明及び指導を行ったイ又はロに掲げる場合には、特定薬剤管理指導加算3として、患者1人につき当該品目に関して最初に処方された1回に限り5点を所定点数に加算する。

イ 特に安全性に関する説明が必要な場合として当該医薬品の医薬品リスク管理計画に基づき製造販売業者が作成した当該医薬品に係る安全管理等に関する資料を当該患者に対して最初に用いた場合

調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合

 

調剤報酬点数表に関する事項 より引用

8 特定薬剤管理指導加算3

(1) 服薬管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等に加えて、処方された医薬品について、保険薬剤師が患者に重点的な服薬指導が必要と認め、必要な説明及び指導を行ったときに患者1人につき当該医薬品に関して最初に処方された1回に限り算定する。

(2) 「イ」については、「10の2」調剤管理料の1の(1)を踏まえ、「当該医薬品の医薬品リスク管理計画に基づき製造販売業者が作成した当該医薬品に係る安全管理等に関する資料を当該患者に対して最初に用いた場合」とは、以下のいずれかの場合をいう。

RMPの策定が義務づけられている医薬品について、当該医薬品を新たに処方された場合に限り、患者又はその家族等に対し、RMPに基づきRMPに係る情報提供資材を活用し、副作用、併用禁忌等の当該医薬品の特性を踏まえ、適正使用や安全性等に関して十分な指導を行った場合

・処方された薬剤について緊急安全性情報、安全性速報が新たに発出された場合等に、安全性に係る情報について提供及び十分な指導を行った場合

 

(3) 「ロ」に示す「調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合」とは、以下のいずれかの場合をいう。
・後発医薬品が存在する先発医薬品であって、一般名処方又は銘柄名処方された医薬品について、選定療養の対象となる先発医薬品を選択しようとする患者に対して説明を行った場合
医薬品の供給の状況が安定していないため、調剤時に前回調剤された銘柄の必要な数量が確保できず、前回調剤された銘柄から別の銘柄の医薬品に変更して調剤された薬剤の交付が必要となる患者に対して説明を行った場合

(4) 対象となる医薬品が複数処方されている場合に、処方箋受付1回につきそれぞれ1回に限り算定するものであること。また、複数の項目に該当する場合であっても、重複して算定することができない。

(5) 特定薬剤管理指導加算3を算定する場合は、それぞれの所定の要件を満たせば特定薬剤管理指導1及び特定薬剤管理指導加算2を算定できる。

(6) 薬剤服用歴等には、対象となる医薬品が分かるように記載すること。また、医薬品の供給の状況を踏まえ説明を行った場合には、調剤報酬明細書の摘要欄に調剤に必要な数量が確保できなかった薬剤名を記載すること。

 

疑義解釈より引用

2024年の疑義解釈その1より引用

問 18 特定薬剤管理指導加算3について、1回の処方で「イ」に該当する医薬品と「ロ」に該当する医薬品が同時に処方されている場合に、「イ」及び「ロ」をそれぞれ算定可能か。

(答)特定薬剤管理指導料3の「イ」及び「ロ」は算定できる対象が異なることから、必要事項を満たした説明を行うのであれば算定可能。

イ: 特に安全性に関する説明が必要な場合として当該医薬品の医薬品リスク管理計画に基づき製造販売業者が作成した当該医薬品に係る安全管理等に関する資料を当該患者に対して最初に用いた場合

ロ: 調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合

問 19 特定薬剤管理指導加算3について、1つの医薬品が、「イ」と「ロ」の両方に該当する場合に、「イ」と「ロ」を重複して算定することが可能か。

(答)当該事例が生じることは想定されないが、それぞれの観点で必要な説明をしているのであれば算定可能。

 

問 20 特定薬剤管理指導加算3の「イ」について、患者向けの医薬品リスク管理計画(以下、RMPという。)に係る資材を用いて指導を行った場合は、指導に使用した患者向けRMP資材を薬剤服用歴等に添付もしくは資材の名称等を記載する必要があるのか。

(答)患者向けRMP資材の薬剤服用歴等への添付及び資材の名称等の記載は不要であるが、指導の要点を薬剤服用歴等に記載すること

 

問 21 特定薬剤管理指導加算3の「イ」について、RMPに係る患者向け資材がない医薬品については算定できないのか。また、薬機法の再審査が終了し、RMPの策定・実施が解除された医薬品については算定の対象外になるのか。

(答)いずれの場合も算定不可。RMP提出品目及び資材については、医薬品医療機器総合機構のウェブサイトにて最新の情報を確認した上で指導をすること。

2024年の疑義解釈その8(2024/6/18)より引用

問1 特定薬剤管理指導加算3の「イ」又は「ロ」について、当該患者が継続して使用している医薬品ではあるが、当該医薬品に関して、保険薬剤師が重点的な服薬指導が必要と認め、当該加算の算定要件を満たす説明及び指導を行った場合、初回に限り算定できるか。

(答)算定可能。

 

問2 長期収載品の処方等又は調剤について選定療養の仕組み(以下「本制度」という。)が導入される令和6年 10 月1日より前の時点で、本制度の対象となる医薬品について患者に対して説明を行った場合、特定薬剤管理指導加算3の「ロ」は算定できるか。

(答)本制度に関し、調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に対し、当該患者が求める情報について必要かつ十分な説明を行えば算定することができる。
なお、本制度に関する運用上の取扱い(患者が支払う額の具体的な計算方法等)については今後更に周知する予定であるので留意されたい。

他にも色々と書いています

コメント