調剤報酬点数表に関する事項 <通則>
1 保険薬局は、当該保険薬局において調剤される医薬品の品質確保について万全を期さなければならない。
2 保険薬剤師は、医師の分割指示に係る処方箋又は投与日数が長期間にわたる処方箋によって調剤を行う場合であって、処方薬の長期保存の困難その他の理由によって分割して調剤する必要がある場合には、分割調剤を行うこと。
また、分割調剤を行う場合(上記の場合のほか、後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更が不可の場合の署名欄に処方医の署名又は記名・押印がない、又は署名欄に処方医の署名又は記名・押印があるものの「変更不可」欄に「✓」又は「×」が記載されていない先発医薬品がある処方箋(以下「後発医薬品への変更が可能な処方箋」という。)を提出した患者の同意に基づき、処方箋に記載された先発医薬品を初めて後発医薬品に変更して調剤を行う場合であって、当該患者の希望により、分割調剤を行う場合を含む。)は、その総量は、当然処方箋に記載された用量を超えてはならず、また、第2回以後の調剤においては使用期間の日数(ただし、処方箋交付の日を含めて4日を超える場合は4日とする。)と用量(日分)に示された日数との和から第1回調剤日から起算して当該調剤日までの日数を差し引いた日分を超えては交付できない。例えば、4月3日交付、使用期間4日間、用量 10 日分の処方箋で4月4日に5日分の調剤を受け、次に 10 日に調剤を受けに来た場合は(10+4)-7=7であるから、残りの5日分を全部交付して差し支えないが、もし第2回の調剤を4月 13 日に受けに来た場合、(10+4)-10=4となるので4日分しか交付できない。
3 保険薬局において分割調剤を行い、当該薬局において調剤済みとならない場合は、処方箋に薬剤師法(昭和 35 年法律第 146 号)第 26 条に規定する事項及び分割理由等の必要な事項を記入し、調剤録等を作成した後、処方箋を患者に返却すること。
4 保険薬局において、「リフィル可」欄に「✓」が記載されていた場合、当該処方箋を「リフィル処方箋」として取り扱い調剤を行うこと。
リフィル処方箋による調剤を行う場合は、1回目の調剤を行うことが可能な期間については、使用期間に記載されている日までとする。2回目以降の調剤については、原則として、前回の調剤日を起点とし、当該調剤に係る投薬期間を経過する日を次回調剤予定日(実際に投薬が終了する日)とし、その前後7日以内とする。
5 保険薬局においてリフィル処方箋による調剤を行い、当該薬局において調剤済みとならない場合は、リフィル処方箋に薬剤師法第 26 条に規定する事項及び次回調剤予定日等の必要な事項を記入し、調剤録等を作成した後、リフィル処方箋を患者に返却すること。その際、必要な事項が記入されたリフィル処方箋の写しを調剤録とともに保管すること。なお、当該リフィル処方箋の総使用回数の調剤が終わった場合、調剤済処方箋として保管すること。
6 処方箋において、残薬分を差し引いた減数調剤(調剤録又は薬剤服用歴の記録等(以下「薬剤服用歴等」という。)及び残薬の外形状態・保管状況その他の残薬の状況を確認した上で、処方箋に記載された医薬品の数量を減らして調剤する業務をいう。)を行った後に、残薬に係る状況を情報提供することで差し支えない旨の指示があり、当該指示に基づき調剤を行った場合は、保険薬剤師は、患者に対して次回受診時に処方医へ残薬の状況を報告することを促すとともに、患者の残薬の状況、その理由及び実際に患者へ交付した薬剤の数量、患者への説明内容等について、遅滞なく当該調剤に係る処方箋を発行した保険医療機関に情報提供すること。
7 調剤基本料の「注7」の後発医薬品調剤体制加算及び「注8」に係る後発医薬品については、「「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等について」(令和4年3月4日保医発 0304 第7号)を参照すること。
8 保険薬局は、患者が薬局における業務内容及びその費用を理解できるよう、調剤報酬点数表の一覧等について、薬剤を交付する窓口等、患者が指導等を受ける際に分かりやすい場所に掲示するとともに、患者の求めに応じて、その内容を説明すること。
9 算定回数が「週」単位又は「月」単位とされているものについては、特に定めのない限り、それぞれ日曜日から土曜日までの1週間又は月の初日から月の末日までの1か月を単位として算定する。
10 署名又は記名・押印を要する文書については、自筆の署名(電子的な署名を含む。)がある場合には印は不要である。
<調剤技術料>
区分00 調剤基本料
1 受付回数等
(1) 調剤基本料は、患者等が提出する処方箋の枚数に関係なく処方箋受付1回につき算定する。なお、分割調剤を行う場合は、7により算定し、リフィル処方箋による調剤を行う場合は、8により算定する。
(2) 同一患者から同一日に複数の処方箋(リフィル処方箋を含む。)を受け付けた場合、同一保険医療機関の同一医師によって交付された処方箋又は同一の保険医療機関で一連の診療行為に基づいて交付された処方箋については一括して受付1回と数える。
ただし、同一の保険医療機関から交付された場合であっても、歯科の処方箋については歯科以外の処方箋と歯科の処方箋を別受付として算定できる。
(3) 複数の保険医療機関が交付した同一患者の処方箋を同時にまとめて受け付けた場合においては、受付回数はそれぞれ数え2回以上とする。また、この場合において、当該受付のうち、1回目は調剤基本料の所定点数を算定し、2回目以降は「注3」により調剤基本料の所定点数を 100分の 80にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。なお、当該注3の規定は、注9から注 11 までの分割調剤に係る処方箋には適用しない。
2 調剤基本料の注4に規定する保険薬局(50%減算)
(1) 以下のいずれかに該当する保険薬局である場合、調剤基本料を 100 分の 50 に減算する。
なお、詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(令和4年3月4日保医発 0304 第3号)を参照すること。
ア 医療用医薬品の取引価格の妥結率が5割以下であること。
イ 医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況を地方厚生(支)局長に報告していない保険薬局
ウ 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的業務を1年間実施していない保険薬局
(2) 当該調剤基本料の減算については、調剤基本料の所定点数を 100 分の 50 にし、小数点以下第一位を四捨五入して計算する。
3 地域支援体制加算
地域支援体制加算は、かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域医療に貢献する薬局の体制等を評価するものであり、調剤基本料の区分によらない共通の施設要件(一定の開局時間、在宅体制整備等)及び調剤基本料の区分により一定の差がある実績等を満たした上で必要な届出を行った場合に算定できる。ただし、特別調剤基本料を算定している保険薬局においては、地域支援体制加算の所定点数を 100 分の 80 にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。
4 連携強化加算
連携強化加算は、地域支援体制加算を算定している場合であって、他の保険薬局、保険医療機関及び都道府県等との連携により、災害又は新興感染症の発生時等の非常時に必要な体制が整備されている保険薬局において、調剤を行った場合に算定できる。なお、災害又は新興感染症の発生時等において対応可能な体制を確保している保険薬局をホームページ等で広く周知すること。
5 後発医薬品調剤体制加算
特別調剤基本料を算定している保険薬局においては、後発医薬品調剤体制加算の所定点数を100 分の 80 にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。
6 調剤基本料の注8に規定する保険薬局(後発率50%以下)
(1) 後発医薬品の調剤数量割合が5割以下の保険薬局(処方箋受付回数が1月に 600 回以下の場合を除く。)である場合は、調剤基本料を5点減算する。なお、詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」を参照すること。
(2) 処方箋受付回数が1月に 600 回以下に該当するか否かの取扱いについては、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数に準じて取り扱う。
7 分割調剤
(1) 通則
ア 「注9」又は「注 10」に係る分割調剤を行う場合は、調剤基本料は初回のみ算定し、2回目以降については「注9」又は「注 10」のとおり算定するが、異なる保険薬局で分割調剤を行う場合は、各保険薬局においてそれぞれ調剤基本料を算定できる。
イ 「注9」、「注 10」又は「注 11」に係る分割調剤のうち、複数の分割調剤を同一の保険薬局において同一日に行う場合にあっては、「注 11」の分割調剤に係る点数により算定する。
(2) 長期保存の困難性等の理由による分割調剤
ア 「注9」の分割調剤については、長期投薬(14 日分を超える投薬をいう。以下同じ。)に係る処方箋によって調剤を行う場合であって、処方薬の長期保存の困難その他の理由によって分割して調剤する必要があり、分割調剤を行った場合で、1処方箋の2回目以降の調剤を同一の保険薬局において2回目以降行った場合に算定する。
イ 「注9」に係る分割調剤を行う場合は、処方箋の受付時に、当該処方箋を発行した医療機関等に対し照会を行うとともに、分割理由等の必要な事項を調剤録等に記入すること。
(3) 後発医薬品の試用のための分割調剤
ア 「注 10」の分割調剤については、後発医薬品への変更が可能な処方箋を提出した患者の同意に基づき、処方箋に記載された先発医薬品を初めて後発医薬品に変更して調剤を行う場合であって、当該患者の希望により分割調剤を行った場合で、同一の保険薬局において1処方箋の2回目の調剤を行った場合に限り算定する。この場合において、2回目の調剤を行う際には、先発医薬品から後発医薬品への変更による患者の体調の変化、副作用が疑われる症状の有無等を確認するとともに、患者の意向を踏まえ、後発医薬品又は変更前の先発医薬品の調剤を行うこととする。なお、その際に、所定の要件を満たせば、調剤管理料、服薬管理指導料及び外来服薬支援料2を算定できる。
イ 「注 10」に係る分割調剤を行った場合は、処方箋を発行した医療機関等にその旨を連絡するとともに、分割理由等の必要な事項を調剤録等に記入すること。また、2回目の調剤の際に、患者の意向により変更前の先発医薬品の調剤を行った場合も、処方箋を発行した医療機関等にその旨を連絡するとともに、先発医薬品に再変更した理由等の必要な事項を調剤録等に記入すること。
ウ 1処方箋について、「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤の2回目以降の調剤と「注 10」の後発医薬品の試用のための分割調剤の2回目の調剤を同一の保険薬局において同一日に行う場合にあっては、いずれか一方の分割調剤に係る点数のみを算定する。
(4) 医師の指示による分割調剤
ア 「注 11」については、医師の分割指示に係る処方箋(「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤及び「注 10」の後発医薬品の試用のための分割調剤に該当する場合を除く。)により、患者の同意の下、分割調剤を行った場合に算定する。
イ 調剤基本料及びその加算、薬剤調製料及びその加算並びに薬学管理料については、当該分割調剤を行う保険薬局が当該処方箋において分割調剤を実施しない場合に算定する点数をそれぞれ合算し、分割回数で除した点数を当該調剤時に算定する。当該点数は、小数点以下第一位を四捨五入して計算する。ただし、服薬情報等提供料については、分割回数で除していない点数を算定できる。
ウ 「注 11」の医師の指示による分割調剤の場合、保険薬局の保険薬剤師は、以下を実施
する。
(イ) 分割指示に係る処方箋の交付を受けた患者に対して、処方箋受付前に、継続的な薬学的管理及び指導のため、当該処方箋の1回目の調剤から全ての調剤が完了するまで、同一の保険薬局に処方箋を持参するべきである旨を説明する。
(ロ) 患者に対し、次回の自局への処方箋持参の意向の有無及び予定時期を確認するとともに、予定時期に患者が来局しない場合は、必要に応じ、電話等で服薬状況を確認し来局を促す。
(ハ) また、患者から次回は別の保険薬局に処方箋を持参する旨の申し出があった場合は、患者の了解を得た上で、次回の円滑な薬剤交付に資するよう、調剤後遅滞なく、患者が次回処方箋を持参しようとする保険薬局に対し、調剤の状況とともに必要な情報をあらかじめ提供する。
(ニ) 2回目以降の調剤において患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、その結果を処方医に情報提供する。この場合において、次に掲げる事項を含めるものとする。
・残薬の有無
・残薬が生じている場合はその量及び理由
・患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無
・副作用が疑われる場合はその原因の可能性がある薬剤の推定
8 リフィル処方箋による調剤
(1) 通則
ア リフィル処方箋による調剤を行う場合は、所定の要件を満たせば、調剤技術料及び薬学管理料を算定できる。なお、リフィル処方箋による調剤を行うごとに、処方箋受付回数1回として取扱う。
イ 保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和 32 年厚生省令第 15 号)において、投与量に限度が定められている医薬品及び湿布薬については、リフィル処方箋による調剤を行うことはできない。
(2) リフィル処方箋による調剤
ア 保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋による1回目又は2回目(総使用回数3回の場合)の調剤を行う場合、リフィル処方箋に調剤日及び次回調剤予定日を所定の欄に記載するとともに、調剤を実施した保険薬局の名称及び保険薬剤師の氏名を余白又は裏面に記載の上、調剤録等を作成した後、リフィル処方箋を患者に返却すること。その際、必要な事項が記入されたリフィル処方箋の写しを調剤録とともに保管すること。また、当該リフィル処方箋の総使用回数の調剤が終わった場合、調剤済処方箋として保管すること。
イ 保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋により調剤を行うに当たって、患者の服薬状況等の確認を行い、リフィル処方箋により調剤を行うことが不適切と判断した場合には、調剤を行わず、受診勧奨を行うとともに、処方医に情報提供を行うこと。また、リフィル処方箋により調剤した場合は、調剤した内容、患者の服薬状況等について必要に応じ処方医へ情報提供を行うこと。
ウ 保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋の交付を受けた患者に対して、継続的な薬学的管理指導のため、同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明すること。
エ 保険薬局の保険薬剤師は、患者の次回の調剤を受ける予定を確認すること。次回の来局の希望があるにもかかわらず予定される時期に患者が来局しない場合は、電話等により患者の状況を確認すること。
オ 保険薬局の保険薬剤師は、患者が次回の調剤を他の保険薬局において受けることを申し出た場合は、調剤の状況とともに必要な情報を当該他の保険薬局に提供する又は当該情報を記録したものを患者に提供すること。
9 次に掲げる調剤基本料に規定する加算及び減算について、これらのうち複数に該当する場合は、最初に所定点数に「注3」(100 分の 80)及び「注4」(100 分の 50)のうち該当するものを乗じ、小数点以下第一位を四捨五入する。次に「注5」(地域支援体制加算)、「注6」(連携強化加算)、「注7」(後発医薬品調剤体制加算)及び「注8」(後発医薬品減算)のうち該当するもの(特別調剤基本料を算定する保険薬局においては、「注5」及び「注7」の所定点数に 100 分の 80 を乗じ、それぞれ小数点以下第一位を四捨五入する。)の加算等を行う。ただし、当該点数が3点未満になる場合は、3点を算定する。
区分01 薬剤調製料
(1) 内服薬
ア 内服薬(浸煎薬及び湯薬を除く。以下同じ。)の薬剤調製料については、内服用滴剤とそれ以外の内服薬とは所定単位及び所定点数が異なる(内服用滴剤は薬剤調製料の「注1」による。)。
イ 内服薬(内服用滴剤以外のもの)についての薬剤調製料及び薬剤料の算定はそれぞれ「1剤」及び「1剤1日分」を所定単位とし、内服用滴剤についての薬剤調製料及び薬剤料は「1調剤」を所定単位として算定するが、この場合の「1剤」とは、薬剤調製料の算定の上で適切なものとして認められる単位をいうものであり、次の点に留意する。
(イ) 1回の処方において、2種類以上の薬剤を調剤する場合には、それぞれの内服薬を個別の薬包等に調剤しても、服用時点が同一であるものについては、1剤として算定する。
(ロ) 服用時点が同一である薬剤については、投与日数にかかわらず1剤として算定する。
(ハ) (イ)及び(ロ)における「服用時点が同一である」とは、2種類以上の薬剤について服用日1日を通じて服用時点(例えば「朝食後、夕食後服用」、「1日3回食後服用」、「就寝前服用」、「6時間ごと服用」等)が同一であることをいう。また、食事を目安とする服用時点については、食前、食後及び食間の3区分とすることとし、服用時点が「食直前」、「食前 30 分」等であっても、薬剤調製料の算定にあっては、「食前」とみなし、1剤として扱う。
(ニ) (イ)及び(ロ)にかかわらず、次の場合は、それぞれを別剤として算定できる。
① 配合不適等調剤技術上の必要性から個別に調剤した場合
② 内服用固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤等)と内服用液剤の場合
③ 内服錠とチュアブル錠又は舌下錠等のように服用方法が異なる場合
(ホ) 同一有効成分であって同一剤形の薬剤が複数ある場合は、その数にかかわらず1剤として算定する。
内服用滴剤は剤数に含めない
ウ 内服薬の薬剤調製料は、1回の処方箋受付について、4剤以上ある場合についても、3剤として算定する。ただし、この場合、内服用滴剤は剤数に含めないが、浸煎薬又は湯薬を同時に調剤した場合には、当該浸煎薬又は湯薬の調剤数を内服薬の剤数に含めることとする。
エ 同一薬局で同一処方箋を分割調剤(調剤基本料の「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤又は「注 10」の後発医薬品の試用のための分割調剤に限る。)した場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数により算定する。
オ ドライシロップ剤を投与する場合において、調剤の際に溶解し、液剤(シロップ剤)にして患者に投与するときは内服用液剤として算定し、散剤としてそのまま投与するときは内服用固形剤として算定する。また、ドライシロップ剤を水に溶かして同時服用の他の液剤と一緒に投与する場合は1剤として算定し、ドライシロップ剤を散剤として、同時服用の他の固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)と一緒に投与する場合も1剤として算定する。
なお、「処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について」(平成 24 年3月5日保医発 0305 第 12 号)に基づき、ドライシロップ剤の医薬品から類似する別剤形の後発医薬品に変更して調剤する場合又は類似する別剤形の医薬品からドライシロップ剤の後発医薬品に変更して調剤する場合は、同通知の第3の5を参照すること。
嚥下困難者用製剤加算
カ 嚥下困難者用製剤加算の取扱いは、以下のとおりとすること。
(イ) 嚥下困難者用製剤加算は、嚥下障害等があって、薬価基準に収載されている剤形では薬剤の服用が困難な患者に対し、医師の了解を得た上で錠剤を砕く等剤形を加工した後調剤を行うことを評価するものである。
(ロ) 剤形の加工は、薬剤の性質、製剤の特徴等についての薬学的な知識に基づいて行わなければならない。
(ハ) 嚥下困難者用製剤加算は、処方箋受付1回につき1回算定できる。
(ニ) 1剤として取り扱われる薬剤について、自家製剤加算は併算定できず、また、剤形を加工したものを用いて他の薬剤と計量混合した場合には、計量混合調剤加算を併算定することはできない。
(ホ) 嚥下困難者用製剤加算を算定した場合においては、外来服薬支援料2は算定できない。
(ヘ) 薬剤師が剤形の加工の必要を認め、医師の了解を得た後剤形の加工を行った場合は、その旨調剤録等に記載する。
(ト) 個々の患者に対し薬価基準に収載されている医薬品の剤形では対応できない場合は、嚥下困難者用製剤加算を算定できない。
内服用液剤
キ 内服用滴剤を調剤した場合の薬剤調製料は、投薬日数にかかわらず、1調剤につき「注1」の所定点数を算定する。この場合の内服用滴剤とは、内服用の液剤であって、1回の使用量が極めて少量(1滴ないし数滴)であり、スポイト、滴瓶等により分割使用するものをいう。なお、当該薬剤の薬剤料は、1調剤分全量を1単位として薬剤料の項により算定するものであり、1剤1日分を所定単位とするものではない。
(2) 屯服薬
屯服薬の薬剤調製料は、調剤した剤数、回数にかかわらず、1回の処方箋受付につき所定点数を算定する。
(3) 浸煎薬
ア 浸煎薬とは、生薬を薬局において浸煎し、液剤として製したものをいう。
イ 浸煎薬の薬剤調製料は、日数にかかわらず、1調剤につき算定する。
ウ 浸煎薬の薬剤調製料は、1回の処方箋受付について4調剤以上ある場合において、3調剤まで算定できる。ただし、内服薬又は湯薬を同時に調剤した場合には、内服薬については剤数を、湯薬については調剤数を浸煎薬の調剤数に含めることとする。
(4) 湯薬
ア 湯薬とは、薬局において2種以上の生薬(粗切、中切又は細切したもの)を混合調剤し、患者が服用するために煎じる量ごとに分包したものをいう。
イ 湯薬の薬剤調製料は、1調剤につき投薬日数に応じて所定点数を算定する。
ウ 湯薬の薬剤調製料は、1回の処方箋受付について4調剤以上ある場合において、3調剤まで算定できる。ただし、内服薬又は浸煎薬を同時に調剤した場合には、内服薬については剤数を、浸煎薬については調剤数を湯薬の調剤数に含めることとする。
(5) 注射薬
ア 注射薬の薬剤調製料は、調剤した調剤数、日数にかかわらず、1回の処方箋受付につき所定点数を算定する。
イ 注射薬のうち支給できるものは、在宅医療における自己注射等のために投与される薬剤(インスリン製剤、ヒト成長ホルモン剤、遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤、乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第Ⅶ因子製剤、乾燥人血液凝固第Ⅷ因子製剤、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅸ因子製剤、乾燥人血液凝固第Ⅸ因子製剤、活性化プロトロンビン複合体、乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体、自己連続携行式腹膜灌流用灌流液、在宅中心静脈栄養法用輸液、性腺刺激ホルモン放出ホルモン剤、性腺刺激ホルモン製剤、ゴナドトロピン放出ホルモン誘導体、ソマトスタチンアナログ、顆粒球コロニー形成刺激因子製剤、インターフェロンアルファ製剤、インターフェロンベータ製剤、ブプレノルフィン製剤、抗悪性腫瘍剤、グルカゴン製剤、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト、ヒトソマトメジンC製剤、人工腎臓用透析液、血液凝固阻止剤、生理食塩水、プロスタグランジンI2製剤、モルヒネ塩酸塩製剤、エタネルセプト製剤、注射用水、ペグビソマント製剤、スマトリプタン製剤、フェンタニルクエン酸塩製剤、複方オキシコドン製剤、オキシコドン塩酸塩製剤、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム製剤、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム製剤、デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム製剤、プロトンポンプ阻害剤、H2遮断剤、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム製剤、トラネキサム酸製剤、フルルビプロフェンアキセチル製剤、メトクロプラミド製剤、プロクロルペラジン製剤、ブチルスコポラミン臭化物製剤、グリチルリチン酸モノアンモニウム・グリシン・L-システイン塩酸塩配合剤、アダリムマブ製剤、エリスロポエチン、ダルベポエチン、テリパラチド製剤、アドレナリン製剤、ヘパリンカルシウム製剤、アポモルヒネ塩酸塩製剤及びセルトリズマブペゴル製剤、トシリズマブ製剤、メトレレプチン製剤、アバタセプト製剤、pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射)製剤、電解質製剤、注射用抗菌薬、エダラボン製剤、アスホターゼ アルファ製剤、グラチラマー酢酸塩製剤、脂肪乳剤、セクキヌマブ製剤、エボロクマブ製剤、ブロダルマブ製剤、アリロクマブ製剤、ベリムマブ製剤、イキセキズマブ製剤、ゴリムマブ製剤、エミシズマブ製剤、イカチバント製剤、サリルマブ製剤、デュピルマブ製剤、ヒドロモルフォン塩酸塩製剤、インスリン・グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト配合剤、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム製剤、遺伝子組換えヒト vonWillebrand 因子製剤、ブロスマブ製剤、アガルシダーゼアルファ製剤、アガルシダーゼベータ製剤、アルグルコシダーゼアルファ製剤、イデュルスルファーゼ製剤、イミグルセラーゼ製剤、エロスルファーゼアルファ製剤、ガルスルファーゼ製剤、セベリパーゼアルファ製剤、ベラグルセラーゼアルファ製剤、ラロニダーゼ製剤、メポリズマブ製剤、オマリズマブ製剤 、 テデュグルチド製剤、サトラリズマブ製剤、ビルトラルセン製剤及びレムデシビル製剤)に限る。
なお、「モルヒネ塩酸塩製剤」、「フェンタニルクエン酸塩製剤」、「複方オキシコドン製剤」、「オキシコドン塩酸塩製剤」及び「ヒドロモルフォン塩酸塩製剤」は、薬液が取り出せない構造で、かつ患者等が注入速度を変えることができない注入ポンプ等に、必要に応じて生理食塩水等で希釈の上充填して交付した場合に限る。ただし、患者又はその家族等の意を受け、かつ、これらの麻薬である注射薬の処方医の指示を受けた看護師が、患家に当該注射薬を持参し、患者の施用を補助する場合又は保険薬局の保険薬剤師が、患家に麻薬である注射薬を持参し、当該注射薬の処方医の指示を受けた看護師に手渡す場合は、この限りでない。
ウ イの「在宅中心静脈栄養法用輸液」とは、高カロリー輸液をいい、高カロリー輸液以外にビタミン剤、高カロリー輸液用微量元素製剤及び血液凝固阻止剤を投与することができる。
なお、上記イに掲げる薬剤のうち、処方医及び保険薬剤師の医学薬学的な判断に基づき適当と認められるものについて、在宅中心静脈栄養法用輸液に添加して投与することは差し支えない。
エ イの「電解質製剤」とは、経口摂取不能又は不十分な場合の水分・電解質の補給・維持を目的とした注射薬(高カロリー輸液を除く。)をいい、電解質製剤以外に電解質補正製剤(電解質製剤に添加して投与する注射薬に限る。)、ビタミン剤、高カロリー輸液用微量元素製剤及び血液凝固阻止剤を投与することができる。
オ イの「注射用抗菌薬」とは、病原体に殺菌的又は静菌的に作用する注射薬をいう。
(6) 外用薬
ア 外用薬の薬剤調製料は、投与日数にかかわらず、1調剤につき算定する。
イ 外用薬の薬剤調製料は、1回の処方箋受付について4調剤以上ある場合において、3調剤まで算定できる。
ウ トローチについては、外用薬として算定する。
エ 同一有効成分で同一剤形の外用薬が複数ある場合には、その数にかかわらず、1調剤として取り扱う。
(7) 注射薬の無菌製剤処理
ア 「注2」の「無菌製剤処理」とは、無菌室・クリーンベンチ・安全キャビネット等の無菌環境の中で、無菌化した器具を使用し、無菌的な製剤を行うことをいう。
イ 注射薬薬剤調製料の無菌製剤処理加算は、2以上の注射薬を無菌的に混合して(麻薬の場合は希釈を含む。)、中心静脈栄養法用輸液、抗悪性腫瘍剤又は麻薬を製剤した場合に算定し、中心静脈栄養法用輸液又は抗悪性腫瘍剤又は麻薬を1日分製剤するごとにそれぞれ 69 点、79 点又は 69 点(6歳未満の乳幼児の場合においては、1日分製剤するごとにそれぞれ 137 点、147 点又は 137 点)を加算する。
ウ 抗悪性腫瘍剤として無菌製剤処理加算の対象になる薬剤は、悪性腫瘍等に対して用いる細胞毒性を有する注射剤として独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成 14 年法律第 192 号)第4条第6項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が指定した医薬品(医薬品等副作用被害救済制度の対象とならない医薬品等(平成 16 年厚生労働省告示第 185 号)に掲げる医薬品等)をいう。
エ 無菌製剤処理加算は、同一日の使用のために製剤した場合又は組み合わせて1つの注射剤として製剤した場合においても、1日につき1回に限り、主たるものの所定点数のみ算定するものとする。
オ 無菌製剤処理を伴わない調剤であって、患者が施用時に混合するものについては、無菌製剤処理加算は算定できない。
カ 無菌調剤室を共同利用する場合に当たっては、「薬事法施行規則の一部を改正する省令の施行等について」(平成 24 年8月 22 日薬食発 0822 第2号)を遵守し適正に実施すること。なお、この場合の費用については両者の合議とする。
(8) 麻薬、向精神薬、覚醒剤原料又は毒薬加算
ア 「向精神薬」とは、麻薬及び向精神薬取締法(昭和 28 年法律第 14 号)第2条第6号の規定に基づく同法別表第3に掲げる向精神薬をいう。
イ 当該加算は、麻薬、向精神薬、覚醒剤原料又は毒薬を調剤する場合において、処方中に麻薬が含まれているときに1調剤行為につき 70 点、それ以外のときに1調剤行為につき8点を加算するものであり、処方中の麻薬、向精神薬、覚醒剤原料又は毒薬の品目数、投薬日数に関係なく当該所定点数を算定する。
ウ 使用した薬剤の成分が麻薬、覚醒剤原料又は毒薬であっても、その倍散の製剤若しくは予製剤等で規制含有量以下のため麻薬、覚醒剤原料又は毒薬の取扱いを受けていない場合は、当該加算は算定できない。
エ 重複した規制を受けている薬剤については、当該薬剤が麻薬である場合は1調剤につき 70 点を算定し、それ以外の場合は1調剤につき8点を算定する。
オ 当該加算は、内服薬のほか、屯服薬、注射薬、外用薬についても算定できる。
(9) 調剤技術料の時間外加算等
ア 時間外加算は調剤基本料、薬剤調製料及び調剤管理料(基礎額)の 100 分の 100、休日加算は 100 分の 140、深夜加算は 100 分の 200 であり、これらの加算は重複して算定できない。
イ 時間外加算等を算定する場合の基礎額は、調剤基本料(調剤基本料における「注1」から「注 11」までを適用して算出した点数)、薬剤調製料、無菌製剤処理加算及び在宅患者調剤加算並びに調剤管理料の合計額とする。嚥下困難者用製剤加算、麻薬・向精神薬・覚醒剤原料・毒薬加算、自家製剤加算、計量混合調剤加算、重複投薬・相互作用等防止加算、調剤管理加算及び電子的保健医療情報活用加算は基礎額に含まない。
ウ かかりつけ薬剤師包括管理料を算定する場合の時間外加算等については、かかりつけ薬剤師包括管理料の所定点数を基礎額として取り扱う。
エ 時間外加算等を算定する保険薬局は開局時間を当該保険薬局の内側及び外側の分かりやすい場所に表示する。
オ 時間外加算
(イ) 各都道府県における保険薬局の開局時間の実態、患者の来局上の便宜等を考慮して、一定の時間以外の時間をもって時間外として取り扱うこととし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降及び休日加算の対象となる休日以外の日を終日休業日とする保険薬局における当該休業日とする。
(ロ) (イ)により時間外とされる場合においても、当該保険薬局が常態として調剤応需の態勢をとり、開局時間内と同様な取扱いで調剤を行っているときは、時間外の取扱いとはしない。
(ハ) 時間外加算を算定する患者については、処方箋の受付時間を当該患者の薬剤服用歴等に記載する。
(ニ) 「注4」のただし書に規定する時間外加算の特例の適用を受ける保険薬局とは、
一般の保険薬局の開局時間以外の時間における救急医療の確保のため、国又は地方
公共団体等の開設に係る専ら夜間における救急医療の確保のため設けられている保
険薬局に限られる。
(ホ) 「注4」のただし書に規定する「別に厚生労働大臣が定める時間」とは、当該地
域において一般の保険薬局が概ね調剤応需の態勢を解除し、翌日調剤応需の態勢を
再開するまでの時間であって、深夜時間を除いた時間をいう。
カ 休日加算
(イ) 休日加算の対象となる休日とは、日曜日及び国民の祝日に関する法律(昭和 23年法律第 178 号)第3条に規定する休日をいう。なお、1月2日、3日、12 月 29日、30 日及び 31 日は休日として取り扱う。
(ロ) 休日加算は次の患者について算定できるものとする。なお、①以外の理由により常態として又は臨時に当該休日に開局している保険薬局の開局時間内に調剤を受けた患者については算定できない。
① 地域医療の確保の観点から、救急医療対策の一環として設けられている施設、又は輪番制による休日当番保険薬局等、客観的に休日における救急医療の確保のために調剤を行っていると認められる保険薬局で調剤を受けた患者
② 当該休日を開局しないこととしている保険薬局で、又は当該休日に調剤を行っている保険薬局の開局時間以外の時間(深夜を除く。)に、急病等やむを得ない理由により調剤を受けた患者
キ 深夜加算
(イ) 深夜加算は、次の患者について算定できるものとする。なお、①以外の理由により常態として又は臨時に当該深夜時間帯を開局時間としている保険薬局において調剤を受けた患者については算定できない。
① 地域医療の確保の観点から、救急医療対策の一環として設けられている施設、又は輪番制による深夜当番保険薬局等、客観的に深夜における救急医療の確保のために調剤を行っていると認められる保険薬局で調剤を受けた患者
② 深夜時間帯(午後 10 時から午前6時までの間)を開局時間としていない保険薬局、及び当該保険薬局の開局時間が深夜時間帯にまで及んでいる場合にあっては、当該開局時間と深夜時間帯とが重複していない時間に、急病等やむを得ない理由により調剤を受けた患者
(ロ) 深夜加算を算定する患者については、処方箋の受付時間を当該患者の薬剤服用歴等に記載する。
(10) 薬剤調製料の夜間・休日等加算
ア 夜間・休日等加算は、午後7時(土曜日にあっては午後1時)から午前8時までの間(休日加算の対象となる休日を除く。)又は休日加算の対象となる休日であって、保険薬局が表示する開局時間内の時間において調剤を行った場合に、処方箋受付1回につき、薬剤調製料の加算として算定する。ただし、時間外加算等の要件を満たす場合には、夜間・休日等加算ではなく、時間外加算等を算定する。
イ 夜間・休日等加算を算定する保険薬局は開局時間を当該保険薬局の内側及び外側の分かりやすい場所に表示するとともに、夜間・休日等加算の対象となる日及び受付時間帯を薬局内の分かりやすい場所に掲示する。また、平日又は土曜日に夜間・休日等加算を算定する患者については、処方箋の受付時間を当該患者の薬剤服用歴等に記載する。
(11) 自家製剤加算
ア 自家製剤加算は、イの(1)に掲げる場合以外の場合においては、投薬量、投薬日数等に関係なく、自家製剤による1調剤行為に対し算定し、イの(1)に掲げる錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の内服薬を自家製剤の上調剤した場合においては、自家製剤を行った投与日数が7又はその端数を増すごとに所定点数を算定する。
イ 当該加算に係る自家製剤とは、個々の患者に対し市販されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫(安定剤、溶解補助剤、懸濁剤等必要と認められる添加剤の使用、ろ過、加温、滅菌等)を行った次のような場合であり、既製剤を単に小分けする場合は該当しない。
(イ) 錠剤を粉砕して散剤とすること。
(ロ) 主薬を溶解して点眼剤を無菌に製すること。
(ハ) 主薬に基剤を加えて坐剤とすること。
ウ 「注6」のただし書に規定する「別に厚生労働大臣が定める薬剤」とは、薬価基準に収載されている薬剤と同一剤形及び同一規格を有する薬剤をいう。
エ 薬価基準に収載されている医薬品に溶媒、基剤等の賦形剤を加え、当該医薬品と異なる剤形の医薬品を自家製剤の上調剤した場合に、次の場合を除き自家製剤加算を算定できる。
(イ) 調剤した医薬品と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合
(ロ) 液剤を調剤する場合であって、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和 35 年法律第 145 号。以下「医薬品医療機器等法」という。)上の承認事項において用時溶解して使用することとされている医薬品を交付時に溶解した場合
オ 自家製剤加算を算定した場合には、計量混合調剤加算は算定できない。
カ 「予製剤」とは、あらかじめ想定される調剤のために、複数回分を製剤し、処方箋受付時に当該製剤を投与することをいう。
キ 「錠剤を分割する場合」とは、医師の指示に基づき錠剤を分割することをいう。ただし、分割した医薬品と同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合は算定できない。
ク 錠剤を分割して予製剤とする場合においては、予製剤とする場合又は錠剤を分割する場合と同様に自家製剤加算の所定点数を 100 分の 20 にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。
ケ 通常、成人又は6歳以上の小児に対して矯味剤等を加える必要がない薬剤を6歳未満の乳幼児(以下「乳幼児」という。)に対して調剤する場合において、薬剤師が必要性を認めて、処方医の了解を得た後で、単に矯味剤等を加えて製剤した場合であっても、「注6」の「イ」を算定できる。
コ 自家製剤を行った場合には、賦形剤の名称、分量等を含め製剤工程を調剤録等に記載すること。
サ 自家製剤は、医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断される場合に限り行うこと。
(12) 計量混合調剤加算
ア 計量混合調剤加算は、薬価基準に収載されている2種類以上の医薬品(液剤、散剤若しくは顆粒剤又は軟・硬膏剤に限る。)を計量し、かつ、混合して、液剤、散剤若しくは顆粒剤として内服薬又は屯服薬を調剤した場合及び軟・硬膏剤等として外用薬を調剤した場合に、投薬量、投薬日数に関係なく、計量して混合するという1調剤行為に対し算定できる。なお、同注のただし書に規定する場合とは、次の場合をいう。
(イ) 液剤、散剤、顆粒剤、軟・硬膏剤について「注6」の自家製剤加算を算定した場合
(ロ) 薬価基準に収載されている薬剤と同一剤形及び同一規格を有する薬剤を調剤した場合
イ ドライシロップ剤を液剤と混合した場合は、計量混合調剤加算を算定するものとする。
ウ 処方された医薬品が微量のため、乳幼児に対してそのままでは調剤又は服用が困難である場合において、医師の了解を得た上で賦形剤、矯味矯臭剤等を混合し、乳幼児が正確に、又は容易に服用できるようにした場合は、「注7」を算定できる。ただし、調剤した医薬品と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合は、この限りでない。
エ 計量混合調剤は、医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断される場合に限り行うこと。
(13) 在宅患者調剤加算
在宅患者調剤加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料若しくは在宅患者緊急時等共同指導料又は介護保険における居宅療養管理指導費若しくは介護予防居宅療養管理指導費が算定されていない場合は、算定できない。ただし、「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の(4)において規定する在宅協力薬局が処方箋を受け付けて調剤を行った場合は、この限りでない。
<薬学管理料>
1 通則
(1) 薬学管理等は、患者等のプライバシーに十分配慮した上で実施しなければならないものとする。
(2) 患者に対する服薬指導、服薬支援等を行う際に、日付、曜日、服用時点等の別に薬剤を整理することができる資材(以下「服薬カレンダー等」という。)を提供する場合にあっては、患者から実費を徴収しても差し支えない。
(3) 別紙様式1-1、別紙様式1-2及び別紙様式3について、電子的方法によって、個々の患者の服薬に関する情報等を保険医療機関に提供する場合は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守し、安全な通信環境を確保するとともに、書面における署名又は記名・押印に代わり、本ガイドラインに定められた電子署名(厚生労働省の定める準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野 PKI 認証局の発行する電子証明書を用いた電子署名、認定認証事業者(電子署名及び認証業務に関する法律(平成 12 年法律第 102 号)第2条第3項に規定する特定認証業務を行う者をいう。)又は認証事業者(同条第2項に規定する認証業務を行う者(認定認証事業者を除く。)をいう。)の発行する電子証明書を用いた電子署名、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成 14 年法律第 153 号)に基づき、平成 16 年1月 29 日から開始されている公的個人認証サービスを用いた電子署名等)を施すこと。
(4) ①服薬管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料を算定する場合における他の薬学管理料の算定の可否、②在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者オンライン薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料及び在宅患者緊急時等共同指導料を算定する場合における他の薬学管理料の算定の可否、③同一月内における服薬情報等提供料及び在宅患者訪問薬剤管理指導料と他の薬学管理料の算定の可否は別表1のとおりであるため、参考とされたい。
区分10の2 調剤管理料
1 調剤管理料
(1) 調剤管理料は、同一患者の1回目の処方箋受付時から算定できる。
(2) 調剤管理料1は、1回の処方箋受付について、4剤以上ある場合についても、3剤として算定する。
(3) 内服薬について、隔日投与等の指示により患者が服用しない日がある場合における調剤管理料1は、実際の投与日数により算定する。
(4) 調剤管理料2は、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。また、調剤管理料1を算定した場合は、調剤管理料の2は算定することができない。
(5) 同一薬局で同一処方箋を分割調剤(調剤基本料の「注9」の薬剤の保存が困難である等の理由による分割調剤又は「注 10」の後発医薬品の試用のための分割調剤に限る。)した場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数により算定する。
(6) 調剤基本料の「注 11」の医師の指示による分割調剤における2回目以降の調剤を行う場合には、患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、その結果を処方医に情報提供する。この場合において、次に掲げる事項を含めるものとする。また、処方医に対して情報提供した内容を薬剤服用歴等に記載する。
・残薬の有無
・残薬が生じている場合はその量及び理由
・患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無
・副作用が疑われる場合はその原因の可能性がある薬剤の推定
(7) 薬剤服用歴等
薬剤服用歴等は同一患者についての全ての記録が必要に応じ直ちに参照できるよう患者ごとに保存及び管理するものであり、次の事項等を記載し、最終記入日から起算して3年間保存すること。なお、薬剤服用歴等への記載は指導後速やかに完了させること。
ア 患者の基礎情報(氏名、生年月日、性別、被保険者証の記号番号、住所、必要に応じて緊急連絡先)
イ 処方及び調剤内容等(処方した保険医療機関名、処方医氏名、処方日、調剤日、調剤した薬剤、処方内容に関する照会の要点等)
ウ 患者の体質(アレルギー歴、副作用歴等を含む)、薬学的管理に必要な患者の生活像及び後発医薬品の使用に関する患者の意向
エ 疾患に関する情報(既往歴、合併症及び他科受診において加療中の疾患に関するものを含む。)
オ オンライン資格確認システムを通じて取得した患者の薬剤情報又は特定健診情報等
カ 併用薬(要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品及び健康食品を含む。)等の状況及び服用薬と相互作用が認められる飲食物の摂取状況
キ 服薬状況(残薬の状況を含む。)
ク 患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)及び患者又はその家族等からの相談事項の要点
ケ 服薬指導の要点
コ 手帳活用の有無(手帳を活用しなかった場合はその理由と患者への指導の有無。また、複数の手帳を所有しており1冊にまとめなかった場合は、その理由)
サ 今後の継続的な薬学的管理及び指導の留意点
シ 指導した保険薬剤師の氏名
(8) 重複投薬・相互作用等防止加算
ア 重複投薬・相互作用等防止加算は、薬剤服用歴等又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に処方箋受付1回につき算定する。ただし、複数の項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。なお、調剤管理料を算定していない場合は、当該加算は算定できない
イ 「イ 残薬調整に係るもの以外の場合」は、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
(イ) 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
(ロ) 併用薬、飲食物等との相互作用
(ハ) そのほか薬学的観点から必要と認める事項
ウ 「ロ 残薬調整に係るものの場合」は、残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
エ 重複投薬・相互作用等防止加算の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴等に記載する。
オ 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。
カ 当該加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者については算定できない。
(9) 調剤管理加算
ア 調剤管理加算は、複数の保険医療機関から合計で6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者であって、初めて処方箋を持参した場合又は2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により内服薬の変更又は追加があった場合に、患者又はその家族等に対して、当該患者が服用中の薬剤について、重複投薬、相互作用等の有無を確認した上で、手帳、オンライン資格確認等システムを活用した薬剤情報や特定健診等情報、薬剤服用歴等、直接患者又はその家族等から収集した服薬状況等の情報等に基づき、服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的分析を行った場合に処方箋受付1回につき算定する。
イ 算定に当たっては、調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供すること。
ウ アにおいて確認した服薬状況等の情報及び薬学的分析の要点について薬剤服用歴等に記載する。
エ 調剤している内服薬の種類数に屯服薬は含めない。
オ 内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。
カ 患者の服用する薬剤の副作用の可能性の検討等を行うに当たっては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。
キ 「2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合」とは、薬剤服用歴等が保存されている患者において、当該保険薬局で調剤している内服薬について、処方内容の変更により内服薬の種類が変更した場合又は内服薬の種類数が1種類以上増加した場合をいう。なお、調剤している内服薬と同一薬効分類の有効成分を含む配合剤及び内服薬以外の薬剤への変更は、内服薬の種類が変更した場合に含めない。
(10) 電子的保健医療情報活用加算
ア 電子的保健医療情報活用加算は、オンライン資格確認システムの活用を通じて患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得し、当該情報を活用して調剤を行うことを評価するものであり、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において、健康保険法第3条第 13 項に規定する電子資格確認により、患者の薬剤情報等を取得した上で調剤を行った場合に、処方箋受付1回につき月1回に限り3点を所定点数に加算する。算定に当たっては、オンライン資格確認システムの活用を通じて得られる薬剤情報及び特定健診情報等を薬剤服用歴等に記載する。なお、患者に対し薬学的管理及び指導を行う場合には、必要に応じて当該情報を活用すること。
イ 健康保険法第3条第 13 項に規定する電子資格確認により、当該患者に係る薬剤情報等の取得が困難な場合等にあっては、令和6年3月 31 日までの間に限り、処方箋受付1回につき3月に1回に限り1点を所定点数に加算する。なお、アを算定したことがある患者が調剤時にイを算定しようとする場合には、アを算定したことをイを算定したこととみなし、算定の可否を判断すること。
ウ 算定に当たっては、電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。
エ 当該患者に係る薬剤情報等の取得が困難な場合等に該当し、イを算定した患者については、イを算定した日以降は、アの要件を満たせば算定できる。
区分10の3 服薬管理指導料
1 通則
(1) 服薬管理指導料は、同一患者の1回目の処方箋受付時から算定できる。
(2) 服薬管理指導料は、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者の場合、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の処方箋によって調剤を行った場合に限り算定できる。
2 服薬管理指導料「1」及び「2」
(1) 服薬管理指導料「1」及び「2」は、保険薬剤師が、患者の薬剤服用歴等及び服用中の医薬品等について確認した上で、(2)の「薬剤の服用に関する基本的な説明」及び(3)の「患者への薬剤の服用等に関する必要な指導」の全てを対面により行った場合に、以下の区分により算定する。
ア 服薬管理指導料「1」
3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示したもの
イ 服薬管理指導料「2」
以下のいずれかに該当する患者
(イ) 初めて処方箋を持参した患者
(ロ) 3月を超えて再度処方箋を持参した患者
(ハ) 3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示しないもの
(2) 薬剤の服用に関する基本的な説明
患者ごとに作成した薬剤服用歴等に基づいて、処方された薬剤の重複投薬、相互作用、薬物アレルギー等を確認した上で、次に掲げる事項その他の事項を文書又はこれに準ずるもの(以下「薬剤情報提供文書」という。)により情報提供し、薬剤の服用に関し、基本的な説明を患者又はその家族等に行うこと。また、必要に応じて、製造販売業者が作成する医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)に基づく患者向け資材を活用
すること。
(イ) 当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、形状(色、剤形等)
(ロ) 用法、用量、効能、効果
(ハ) 副作用及び相互作用
(ニ) 服用及び保管取扱い上の注意事項
(ホ) 調剤した薬剤に対する後発医薬品に関する情報
(へ) 保険薬局の名称、情報提供を行った保険薬剤師の氏名
(ト) 保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
(3) 患者への薬剤の服用等に関する必要な指導
ア 患者又はその家族等と対話することにより、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化、残薬の状況等の情報を収集し、投与される薬剤の適正使用のために必要な服薬指導を行うこと。患者に対して実施した指導等の要点について薬剤服用歴等に記載すること。
イ 以下の事項については、処方箋の受付後、薬を取りそろえる前に、保険薬剤師が患者等に確認すること。
(イ) 患者の体質(アレルギー歴、副作用歴等を含む)、薬学的管理に必要な患者の生活像及び後発医薬品の使用に関する患者の意向
(ロ) 疾患に関する情報(既往歴、合併症及び他科受診において加療中の疾患に関するものを含む。)
(ハ) 併用薬(要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品及び健康食品を含む。)等の状況及び服用薬と相互作用が認められる飲食物の摂取状況
(ニ) 服薬状況(残薬の状況を含む。)
(ホ) 患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)及び患者又はその家族等からの相談事項の要点
ウ 手帳を用いる場合は、調剤を行った薬剤について、調剤日、当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、用法、用量その他必要に応じて服用に際して注意すべき事項等を患者の手帳に経時的に記載すること。
エ 残薬の状況について、薬剤服用歴等を踏まえつつ、患者又はその家族等に残薬の有無を確認し、残薬が確認された場合はその理由も把握すること。患者に残薬が一定程度認められると判断される場合には、患者の残薬の状況及びその理由を患者の手帳に簡潔に記載し、処方医に対して情報提供するよう努めること。また、残薬が相当程度認められると判断される場合には、処方医に対して連絡し、投与日数等の確認を行うよう努めること。
オ 当該保険薬局と他の保険薬局又は保険医療機関等の間で円滑に連携が行えるよう、患者が日常的に利用する保険薬局があれば、その名称及び保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等を手帳に記載するよう患者に促すこと。
カ 一般名処方が行われた医薬品については、原則として後発医薬品を調剤することとするが、患者に対し後発医薬品の有効性、安全性や品質について適切に説明した上で、後発医薬品を調剤しなかった場合は、その理由を調剤報酬明細書の摘要欄に記載する。
(4) 継続的服薬指導
保険薬剤師が、薬剤交付後においても、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について、継続的な確認のため、必要に応じて指導等を実施すること。
ア 保険薬剤師が、患者の服用している薬剤の特性や患者の服薬状況等に応じてその必要性を個別に判断した上で適切な方法で実施すること。
イ 保険薬剤師が必要と認める場合は、薬剤交付後においても電話等により、(3)のイに掲げる内容について、保険薬剤師が患者等に確認し、その内容を踏まえ、必要な指導等を実施すること。
ウ 患者に対して実施した指導等を行った場合は、その要点について薬剤服用歴等に記載すること。
エ 電話や情報通信機器を用いた方法により実施して差し支えないが、患者等に電子メールを一律に一斉送信すること等をもって対応することは、継続的服薬指導を実施したことにはならず、個々の患者の状況等に応じて対応する必要があること。
オ 継続的服薬指導に当たっては、「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」(日本薬剤師会)等を参考とすること。
(5) 指導等に係る留意点
(2)から(4)までの業務を行うに当たっては、以下の点に留意すること。
ア 情報提供等
(イ) 2の(2)の薬剤情報提供文書により行う薬剤に関する情報提供は、調剤を行った全ての薬剤の情報が一覧できるようなものとする。ただし、調剤した薬剤を複数の薬袋に入れ交付する場合は、薬袋ごとに一覧できる文書とすることができる。なお、薬剤情報提供文書については、処方内容が前回と同様の場合等においては、必ずしも指導の都度、患者に交付する必要はないが、患者の意向等を踏まえた上で交付の必要性を判断し、交付しない患者にあってはその理由を薬剤服用歴等に記載する。
(ロ) 薬剤情報提供文書における「これに準ずるもの」とは、ボイスレコーダー等への録音、視覚障害者に対する点字その他のものをいう。
(ハ) 効能、効果、副作用及び相互作用に関する記載は、患者等が理解しやすい表現によるものとする。また、提供する情報の内容については正確を期すこととし、文書において薬剤の効能・効果等について誤解を招く表現を用いることや、調剤した薬剤と無関係の事項を記載しないこと。
(ニ) 情報提供に当たって、抗悪性腫瘍剤や複数の異なる薬効を有する薬剤等であって特に配慮が必要と考えられるものについては、情報提供の前に処方箋発行医に確認する等慎重に対応すること。
(ホ) (2)の(ホ)の「後発医薬品に関する情報」とは、次に掲げる事項とし、薬剤情報提供文書により提供するとともに、必要な説明を行うこと。また、後発医薬品の情報に関しては、可能であれば一般的名称も併せて記載することが望ましい。
なお、ここでいう後発医薬品とは、「「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等について」の別紙1に掲げられたものに加え、別紙2に掲げられたものも含むものであること。
① 該当する後発医薬品の薬価基準への収載の有無
② 該当する後発医薬品のうち、自局において支給可能又は備蓄している後発医薬品の名称及びその価格(当該薬局において備蓄しておらず、かつ、支給もできない場合はその旨)
(へ) 指導の内容等について、処方医へ情報提供した場合は、その要点について記録すること。
イ 服薬指導
(イ) 服薬指導は、処方箋の受付の都度、患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化(特に重大な副作用が発現するおそれがある医薬品については、当該副作用に係る自覚症状の有無及び当該症状の状況)を確認し、新たに収集した患者の情報を踏まえた上で行うものであり、その都度過去の薬剤服用歴等を参照した上で、必要に応じて確認・指導内容を見直す。また、確認した内容及び行った指導の要点を、薬剤服用歴等に記載する。なお、副作用に係る自覚症状の有無の確認に当たっては、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(厚生労働省)等を参考とする。
(ロ) 服薬指導に当たっては、抗微生物薬の適正使用の観点から、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省)を参考とすること。また、服薬指導を円滑に実施するため、抗菌薬の適正使用が重要であることの普及啓発に資する取組を行っていることが望ましい。
(ハ) ポリファーマシーへの対策の観点から、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考とすること。また、必要に応じて、患者に対してポリファーマシーに関する一般的な注意の啓発を行うこと。その際、日本老年医学会及び日本老年薬学会が作成する「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用」等を参考にすること。なお、ここでいうポリファーマシーとは、「単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態」をいう。
ウ 手帳
(イ) 「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次の①から④までに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。
① 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録
② 患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録
③ 患者の主な既往歴等疾患に関する記録
④ 患者が日常的に利用する保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
①から③までの手帳の欄については、保険薬局において適切に記載されていることを確認するとともに、記載されていない場合には、患者に聴取の上記入するか、患者本人による記入を指導するなどして、手帳が有効に活用されるよう努める。④については、当該保険薬局と他の保険薬局又は保険医療機関等の間で円滑に連携が行えるよう、患者が日常的に利用する保険 薬局があれば、その名称及び保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等を手帳に記載するよう患者に促すこと。
(ロ) 手帳については、患者に対して、手帳を活用することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供することとし、患者の意向等を確認した上で手帳を用いないこととした場合にあっては、その理由を薬剤服用歴等に記載する。なお、手帳を活用しているが、持参を忘れたこと等により提示できない患者に対しては、「注1」のただし書の点数を算定することになる旨説明するとともに、次回以降は手帳を提示するよう指導すること。
(ハ) (3)のウの手帳への記載による情報提供は、調剤を行った全ての薬剤について行うこととする。この場合において、「服用に際して注意すべき事項」とは、重大な副作用又は有害事象等を防止するために特に患者が服用時や日常生活上注意すべき事項、あるいは投薬された薬剤により発生すると考えられる症状(相互作用を含む。)等であり、投薬された薬剤や患者の病態に応じるものである。
(ニ) 手帳による情報提供に当たっては、患者に対して、保険医療機関を受診する際には医師又は歯科医師に手帳を提示するよう指導を行う。また、患者が、保険医療機関や他の保険薬局から交付されたものを含め、複数の手帳を所有していないか確認するとともに、所有している場合は患者の意向を確認した上で、同一の手帳で管理できると判断した場合は1冊にまとめる。なお、1冊にまとめなかった場合については、その理由を薬剤服用歴等に記載する。
(ホ) 患者が手帳の持参を忘れたことにより提示できない場合は、手帳に追加すべき事項が記載されている文書(シール等)を交付し、患者が現に利用している手帳に貼付するよう患者に対して説明することで、既に患者が保有している手帳が有効に活用されるよう努めるとともに、当該患者が次回以降に手帳を提示した場合は、当該文書が貼付されていることを確認する。
(へ) 電子版の手帳については、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」(平成 27 年 11 月 27 日薬生総発第 1127 第4号)の「第三 運営事業者等が留意すべき事項」を満たした手帳であれば、紙媒体の手帳と同様の取扱いとする。その際、保険薬局においては、同通知の「第二 提供薬局等が留意すべき事項」を満たす必要がある。
(ト) 手帳の媒体(紙媒体又は電子媒体)は患者が選択するものであり、手帳の提供に当たっては、患者に対して個人情報の取扱い等の必要事項を説明した上で、患者の意向を踏まえて提供する媒体を判断すること。
(チ) 紙媒体の手帳を利用している患者に対して、患者の希望により電子版の手帳を提供する場合には、電子版の手帳にこれまでの紙媒体の情報を利用できるようにするなど、提供する保険薬局が紙媒体から電子媒体への切り替えを適切に実施できるよう対応すること。
エ その他
(3)のエの残薬の状況の確認に当たり、患者又はその家族等から確認できなかった場合には、次回の来局時には確認できるよう指導し、その旨を薬剤服用歴等に記載する。
3 服薬管理指導料「3」 (特別養護老人ホーム)
(1) 服薬管理指導料「3」は、保険薬剤師が患者の入所している特別養護老人ホームを訪問し、当該患者等(当該患者の薬剤を管理している当該施設の職員を含む。)に対して対面により必要な指導等を行った場合に算定する。特別養護老人ホームの患者等(当該患者の薬剤を管理している当該施設の職員を含む。)に対して、情報通信機器を用いた服薬指導(以下「オンライン服薬指導」という。)等を行った場合においても、服薬管理指導料「3」を算定することとし、服薬管理指導料「4」は算定できない。
(2) 服薬管理指導料「3」についても、「区分10の3 服薬管理指導料」の2の(2)から(4)に関する業務を実施すること。ただし、(3)のイについては、必要に応じて実施すること。
(3) 「注 12」に規定する交通費は実費とする。
4 服薬管理指導料「4」 (オンライン服薬指導等)
(1) 服薬管理指導料「4」は、オンライン服薬指導等を行った場合に、以下の区分により算定する。ただし、特別養護老人ホームの患者等(当該患者の薬剤を管理している当該施設の職員を含む。)に対して、オンライン服薬指導等を行った場合においては、服薬管理指導料「3」を算定する。
ア 服薬管理指導料「4のイ」
3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示したもの
イ 服薬管理指導料「4のロ」
以下のいずれかに該当する患者
(イ) 初めて処方箋を持参した患者
(ロ) 3月を超えて再度処方箋を持参した患者
(ハ) 3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示していないもの
(2) オンライン服薬指導等により、服薬管理指導料に係る業務を実施すること。
(3) 医薬品医療機器等法施行規則(昭和 36 年厚生省令第1号)及び関連通知又は厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則(平成 26 年厚生労働省令第 33 号)及び関連通知に沿って実施すること。
(4) 患者の薬剤服用歴等を経時的に把握するため、原則として、手帳により薬剤服用歴等及び服用中の医薬品等について確認すること。また、患者が服用中の医薬品等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう必要な情報を手帳に添付又は記載すること。
(5) 当該服薬指導を行う際の情報通信機器の運用に要する費用及び医薬品等を患者に配送する際に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できる。
(6) 薬剤を患者に配送する場合は、その受領の確認を行うこと。
5 麻薬管理指導加算
(1) 麻薬管理指導加算は、当該患者又はその家族等に対して、電話等により定期的に、投与される麻薬の服用状況、残薬の状況及び保管状況について確認し、残薬の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行うとともに、麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無の確認を行い、必要な薬学的管理指導を行った場合に算定する。
(2) 指導の要点は、薬剤服用歴等に記載する。
6 特定薬剤管理指導加算1
(1) 特定薬剤管理指導加算1は、服薬管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等に加えて、患者又はその家族等に当該薬剤が特に安全管理が必要な医薬品である旨を伝え、当該薬剤についてこれまでの指導内容等も踏まえ適切な指導を行った場合に算定する。なお、「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」(日本薬剤師会)等を参照し、特に安全管理が必要な医薬品に関して薬学的管理及び指導等を行う上で必要な情報については事前に情報を収集することが望ましいが、薬局では得ることが困難な診療上の情報の収集については必ずしも必要とはしない。
(2) 特に安全管理が必要な医薬品とは、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤(内服薬に限る。)、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬をいう。なお、具体的な対象薬剤については、その一覧を厚生労働省のホームページに掲載している。
(3) 特に安全管理が必要な医薬品が複数処方されている場合には、その全てについて必要な薬学的管理及び指導を行うこと。ただし、処方箋受付1回につき1回に限り算定するものであること。
(4) 対象となる医薬品に関して患者又はその家族等に対して確認した内容及び行った指導の要点について、薬剤服用歴等に記載すること。なお、従来と同一の処方内容にもかかわらず当該加算を継続して算定する場合には、特に指導が必要な内容を重点的に行い、その内容を薬剤服用歴等に記載すること。
7 特定薬剤管理指導加算2
(1) 特定薬剤管理指導加算2は、医科点数表の区分番号「B001-2-12」の「注6」に規定する連携充実加算を届け出ている保険医療機関において、抗悪性腫瘍剤を注射された悪性腫瘍の患者に対して、抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局の保険薬剤師が以下のアからウまでの全てを実施した場合に算定する。
ア 当該患者のレジメン(治療内容)等を確認し、必要な薬学的管理及び指導を行うこと。
イ 当該患者が注射又は投薬されている抗悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤に関し、電話等により服用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者又はその家族等に確認すること。
ウ イの確認結果を踏まえ、当該保険医療機関に必要な情報を文書により提供すること。
(2) 「抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局」とは、患者にレジメン(治療内容)等を交付した保険医療機関の処方箋に基づき、保険薬剤師が抗悪性腫瘍剤又は制吐剤等の支持療法に係る薬剤を調剤する保険薬局をいう。
(3) 特定薬剤管理指導加算2における薬学的管理及び指導を行おうとする保険薬剤師は、原則として、保険医療機関のホームページ等でレジメン(治療内容)等を閲覧し、あらかじめ薬学的管理等に必要な情報を把握すること。
(4) 電話等による患者の服薬状況及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等の確認は、電話の他、リアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(以下「ビデオ通話」という。)による連絡及び患者が他の保険医療機関の処方箋を持参した際の確認が含まれる。電話又はビデオ通話により患者に確認を行う場合は、あらかじめ患者に対し、電話又はビデオ通話を用いて確認することについて了承を得ること。
(5) 患者の緊急時に対応できるよう、あらかじめ保険医療機関との間で緊急時の対応方法や連絡先等について共有することが望ましい。また、患者の服薬状況の確認において、重大な副作用の発現のおそれがある場合には、患者に対して速やかに保険医療機関に連絡するよう指導することや受診勧奨を行うことなどにより、必要な対応
を行うこと。
(6) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に添付又は記載する。
(7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。
(8) 患者1人につき同一月に2回以上の情報提供を行った場合においても、当該加算の算定は月1回のみとする。
(9) 抗悪性腫瘍剤等に関する患者の服用状況及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等の確認を行う際に、他の保険医療機関又は他の診療科で処方された薬剤に係る情報を得た場合には、必要に応じて、患者の同意を得た上で、当該他の保険医療機関等に情報提供を行うこと。この場合において、所定の要
件を満たせば服薬情報等提供料を算定できる。
8 乳幼児服薬指導加算
(1) 乳幼児服薬指導加算は、乳幼児に係る処方箋の受付の際に、年齢、体重、適切な剤形その他必要な事項等の確認を行った上で、患者の家族等に対して適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導を行った場合に算定する。
(2) 乳幼児服薬指導加算を算定した処方箋中の薬剤の服用期間中に、患者の家族等から電話等により当該処方薬剤に係る問い合わせがあった場合には、適切な対応及び指導等を行うとともに、その要点について、薬剤服用歴等に記載すること。
(3) (1)における確認内容及び指導の要点について、薬剤服用歴等及び手帳に記載する。
9 小児特定加算
(1) 小児特定加算は、児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)第 56 条の6第2項に規定する障害児である 18 歳未満の患者に係る調剤において、患者又はその家族等に患者の服薬状況等を確認した上で、当該患者又はその家族等に対し、当該患者の状態に合わせた必要な薬学的管理及び指導を行った場合に算定する。
(2) 小児特定加算は、次に掲げる薬学的管理及び指導を行った場合に算定する。
ア 患者の服薬状況及び服薬管理を行う際の希望等について、患者又はその家族等から聞き取り、当該患者の薬学的管理に必要な情報を収集する。
イ アにおいて収集した情報を踏まえ、薬学的知見に基づき調剤方法を検討し調剤を行うとともに、服用上の注意点や適切な服用方法等について服薬指導を行う。
(3) 小児特定加算を算定した処方箋中の薬剤の服用期間中に、患者の家族等から電話等により当該処方薬剤に係る問い合わせがあった場合には、適切な対応及び指導等を行うこと。
(4) 確認内容及び指導の要点について、薬剤服用歴等及び手帳に記載する。
(5) 当該加算は乳幼児服薬指導加算と併算定することはできない
10 吸入薬指導加算
(1) 吸入薬指導加算は、喘息又は慢性閉塞性肺疾患の患者が吸入薬を適切に使用し、治療効果の向上や副作用の回避に繋がるよう、以下のア及びイを行った場合に3月に1回に限り算定する。ただし、当該患者に対し他の吸入薬が処方された場合であって、必要な吸入指導等を別に行ったときには、前回の吸入薬指導加算の算定から3月以内であっても算定できる。
ア 文書及び練習用吸入器等を用いて、吸入手技の指導を行い、患者が正しい手順で吸入薬が使用されているか否かなどの確認等を行うこと。
イ 保険医療機関に対し、吸入指導の結果等を文書により情報提供を行うこと。
(2) 当該加算に係る指導は以下のア又はイの場合に、患者の同意を得て行うものであること。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、吸入指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき
(3) 当該加算に係る吸入指導を行うに当たっては、日本アレルギー学会が作成する「アレルギー総合ガイドライン」等を参照して行うこと。
(4) (1)の「吸入指導の結果等を文書により情報提供を行うこと」とは、吸入指導の内容や患者の吸入手技の理解度等について、保険医療機関に情報提供することであり、文書の他、手帳により情報提供することでも差し支えない。ただし、患者への吸入指導等を行った結果、患者の当該吸入薬の使用について疑義等がある場合には、処方医に対して必要な照会を行うこと。なお、保険医療機関に情報提供した文書等の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に添付又は記載すること。
(5) 当該加算は、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については算定できない。また、当該加算の算定に関する保険医療機関への情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。
11 調剤後薬剤管理指導加算
(1) 調剤後薬剤管理指導加算は、低血糖の予防等の観点から、糖尿病患者に新たにインスリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤(以下「インスリン製剤等」という。)が処方等された患者に対し、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。なお、インスリン製剤等の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。
(2) (1)の「新たにインスリン製剤等が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者をいう。
ア 新たにインスリン製剤等が処方された患者
イ 既にインスリン製剤等を使用している患者であって、新たに他のインスリン製剤等が処方された患者
ウ インスリン製剤の注射単位の変更又はスルフォニル尿素系製剤の用法・用量の変更があった患者
(3) 当該加算に係る電話又はビデオ通話によるインスリン製剤等の使用状況の確認等は、以下のア又はイの場合に患者の同意を得て行うものであること。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、調剤後の薬剤管理指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき
(4) 本加算の調剤後のインスリン製剤等の使用状況等の確認は、処方医等の求めに応じて実施するものであり、計画的な電話又はビデオ通話による確認を原則とすること。
この場合において、あらかじめ患者等に対し、電話等を用いて確認することについて了承を得ること。
(5) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に添付又は記載する。
(6) 電話等による患者のインスリン製剤等の使用状況等の確認を行った結果、速やかに保険医療機関に伝達すべき患者の服薬中の体調の変化等の情報を入手した場合(インスリン製剤等以外の薬剤による副作用が疑われる場合を含む。)は、当該情報を患者が受診中の保険医療機関に提供するとともに、必要に応じて保険医療機関への受診勧奨を行うこと。
(7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。
(8) 当該加算は、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については算定できない。
12 服薬管理指導料の特例(手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局が算定する服薬管理指導料)
(1) 「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」とは、3月以内に再度処方箋を持参した患者への服薬管理指導料の算定回数うち、手帳を提示した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合が 50%以下である保険薬局であること。
算定回数の割合は小数点以下を四捨五入して算出する。
(2) 当該特例への該当性は、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数の取扱いと同様に、前年3月1日から当年2月末日までの服薬管理指導料の実績をもって判断し、当年4月1日から翌年3月 31 日まで適用する。その他、新規に保険薬局に指定された薬局、開設者の変更等の取扱いについても、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数の取扱いと同様とする。
(3) 当該特例に該当した場合であっても、直近3月間における(1)の割合が 50%を上回った場合には、(2)にかかわらず、当該割合を満たした翌月より「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当しないものとする。
(4) 当該特例を算定する場合は、服薬管理指導料の加算は算定できない。
13 服薬管理指導料の特例(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合)
(1) 患者に対する服薬指導等の業務について、患者が選択した保険薬剤師(以下「かかりつけ薬剤師」という。)がやむを得ない事情により業務を行えない場合に、あらかじめ患者が選定した当該保険薬局に勤務する他の保険薬剤師(1名までの保険薬剤師に限る。以下「かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師」という。)が、かかりつけ薬剤師と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で服薬指導等を行った場合に算定できる。
(2) 当該特例は、当該保険薬局における当該患者の直近の調剤において、区分13の2に掲げるかかりつけ薬剤師指導料又は区分13の3に掲げるかかりつけ薬剤師包括管理料を算定した患者について算定できるものとする。
(3) 算定に当たっては、かかりつけ薬剤師がやむを得ない事情により業務を行えない場合にかかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が服薬指導等を行うことについて、患者が希望する場合は、あらかじめ別紙様式2を参考に作成した文書で患者の同意を得ること。その場合、当該保険薬剤師の氏名について当該文書に記載すること。
(4) かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師がかかりつけ薬剤師指導料の(6)に準じて、服薬管理指導料の注1に規定する指導等を全て行った場合に算定する。
(5) かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師は、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化及び当該患者の指導において注意すべき事項等の情報をかかりつけ薬剤師と共有すること。
(6) かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が服薬指導等を行った場合は、当該服薬指導等の要点について薬剤服用歴等に記載するとともに、かかりつけ薬剤師に必要な情報を共有すること。
区分13の2 かかりつけ薬剤師指導料
(1) かかりつけ薬剤師指導料は、かかりつけ薬剤師が、保険医と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で患者に対して服薬指導等を行った場合に算定できる。
(2) 算定に当たっては、当該指導料を算定しようとする薬剤師本人が次に掲げる全ての事項を説明した上で、患者に対し、別紙様式2を参考に作成した同意書に、かかりつけ薬剤師に希望する事項及び署名の記載を求め、同意を得る。また、かかりつけ薬剤師に関する情報を文書により提供する。必要な記入を行った同意書は、当該保険薬局において保管し、
当該患者の薬剤服用歴等にその旨を記載する。なお、かかりつけ薬剤師がやむを得ない事情により業務を行えない場合にかかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が服薬指導等を行うことについて、患者が希望する場合は、あらかじめ文書で患者の同意を得ること。その場合、当該保険薬剤師の氏名について当該文書に記載すること。
ア かかりつけ薬剤師の業務内容
イ かかりつけ薬剤師を持つことの意義、役割等
ウ かかりつけ薬剤師指導料の費用
エ 当該指導料を算定しようとする薬剤師が、当該患者がかかりつけ薬剤師を必要とすると判断した理由
(3) 同意取得は、当該薬局に複数回来局している患者に行うこととし、患者の同意を得た後、次回の処方箋受付時以降に算定できる。なお、1人の患者に対して、1か所の保険薬局における1人の保険薬剤師のみについてかかりつけ薬剤師指導料を算定できるものであり、同一月内は同一の保険薬剤師について算定すること。
(4) 他の保険薬局及び保険医療機関おいても、かかりつけ薬剤師・薬局の情報を確認できるよう、患者が保有する手帳等にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称及び連絡先を記載する。
(5) 患者に対する服薬指導等の業務はかかりつけ薬剤師が行うことを原則とする。ただし、やむを得ない事由により、かかりつけ薬剤師が業務を行えない場合は、当該保険薬局に勤務する他の保険薬剤師が服薬指導等を行っても差し支えないが、かかりつけ薬剤師指導料は算定できない(要件を満たす場合は、服薬管理指導料を算定できる。)。この場合、他の保険薬剤師が服薬指導等で得た情報については、薬剤服用歴等に記載するとともに、かかりつけ薬剤師と情報を共有すること。
(6) かかりつけ薬剤師は、担当患者に対して、以下の服薬指導等を行う。
ア 服薬管理指導料に係る業務を実施した上で患者の理解に応じた適切な服薬指導等を行うこと。
イ 患者が服用中の薬剤等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう、患者の意向を確認した上で、服薬指導等の内容を手帳等に記載すること。
ウ 患者が受診している全ての保険医療機関の情報を把握し、服用している処方薬をはじめ、要指導医薬品及び一般用医薬品(以下「要指導医薬品等」という。)並びに健康食品等について全て把握するとともに、その内容を薬剤服用歴等に記載すること。また、当該患者に対して、保険医療機関を受診する場合や他の保険薬局で調剤を受ける場合には、かかりつけ薬剤師を有している旨を明示するよう説明すること。
エ 患者から 24 時間相談に応じる体制をとり、開局時間外の連絡先を伝えるとともに、勤務表を作成して患者に渡すこと。この場合において、当該薬局のかかりつけ薬剤師以外の別の保険薬剤師が相談等に対応する場合があるときは、その旨を患者にあらかじめ説明するとともに、当該保険薬剤師の連絡先を患者に伝えることにより、当該薬
局の別の保険薬剤師が対応しても差し支えない。
オ 患者が他の保険薬局等で調剤を受けた場合は、その服用薬等の情報を入手し、薬剤服用歴等に記載すること。
カ 調剤後も患者の服薬状況の把握、指導等を行い、その内容を薬剤を処方した保険医に情報提供し、必要に応じて処方提案すること。服薬状況の把握は、患者の容態や希望に応じて、定期的にすること(電話による連絡、患家への訪問、患者の来局時など)。
また、服用中の薬剤に係る重要な情報を知ったときは、患者に対し当該情報を提供し、患者への指導等の内容及び情報提供した内容については薬剤服用歴等に記載すること。
キ 継続的な薬学的管理のため、患者に対して、服用中の薬剤等を保険薬局に持参する動機付けのために薬剤等を入れる袋等を必要に応じて提供し、その取組(いわゆるブラウンバッグ運動)の意義等を説明すること。また、患者が薬剤等を持参した場合は服用薬の整理等の薬学的管理を行うこととするが、必要に応じて患家を訪問して服用薬の整理等を行うこと。なお、訪問に要した交通費(実費)は、患家の負担とする。
ク 必要に応じ、患者が入手している調剤及び服薬指導に必要な血液・生化学検査結果の提示について、患者の同意が得られた場合は当該情報を参考として、薬学的管理及び指導を行う。
(7) かかりつけ薬剤師指導料を算定する患者以外の患者への服薬指導等又は地域住民からの要指導医薬品等の使用に関する相談及び健康の維持増進に関する相談に対しても、丁寧に対応した上で、必要に応じて保険医療機関へ受診勧奨を行うよう努める。
(8) 麻薬管理指導加算、特定薬剤管理指導加算1、特定薬剤管理指導加算2、乳幼児服薬指導加算及び小児特定加算の取扱いについては、服薬管理指導料の麻薬管理指導加算、特定薬剤管理指導加算1、特定薬剤管理指導加算2、乳幼児服薬指導加算及び小児特定加算に準じるものとする。
(9) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第 76 号)第 16 条の8で定める期間に、当該保険薬局の勤務時間が週 32 時間に満たない薬剤師が算定する場合には、次に掲げる対応を行う。
ア 同意取得に当たり、勤務時間が通常より短いことを説明する。
イ 患者に渡す勤務表には、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律で定める期間であるため短時間勤務となっている旨を記載する。
ウ 当該保険薬局に勤務する他の保険薬剤師と当該患者についての情報を共有し、同意している保険薬剤師の不在時に患者から問い合わせがあった場合等に、他の保険薬剤師が同意している保険薬剤師と連絡を取るなどして円滑に対応できる体制を整えておく。
(10) かかりつけ薬剤師指導料は、服薬管理指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料と同時に算定することはできない。
(11) 平成 30 年4月1日前に取得した同意は、(2)の規定によらずその効力を有する。ただし、患者が同意の取消しを申し出た場合は、この限りでない。
区分13の3 かかりつけ薬剤師包括管理料
(1) かかりつけ薬剤師包括管理料は、(2)に該当する患者のかかりつけ薬剤師が、保険医と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で患者に対して服薬指導等を行った場合に算定できる。
(2) かかりつけ薬剤師包括管理料の対象患者は、医科点数表の区分番号「A001」の地域包括診療加算若しくは認知症地域包括診療加算又は区分番号「B001-2-9」地域包括診療料若しくは区分番号「B001-2-10」認知症地域包括診療料を算定している患者とする。なお、これらの患者のかかりつけ薬剤師としてかかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定する場合には、患者の同意の下で保険薬局においていずれかを算定できる。
(3) 患者の服薬状況等については、薬学的知見に基づき随時把握し、保険医に対して、その都度情報提供するとともに、必要に応じて処方提案すること。なお、情報提供の要否、方法、頻度等については、あらかじめ保険医と談して合意が得られている場合は、当該合意に基づいた方法等によることで差し支えない。
(4) かかりつけ薬剤師包括管理料の算定に当たっては、「区分13の2 かかりつけ薬剤師指導料」の(2)から(7)まで、(9)及び(11)を準用する。この場合において、「かかりつけ薬剤師指導料」は「かかりつけ薬剤師包括管理料」と読み替える。
(5) かかりつけ薬剤師包括管理料は、服薬管理指導料又はかかりつけ薬剤師指導料と同時に算定できない。
区分14の2 外来服薬支援料
1 外来服薬支援料1
(1) 外来服薬支援料1は、保険薬局の保険薬剤師が、自己による服薬管理が困難な外来の患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じ、当該患者又はその家族等が持参した服薬中の薬剤について、治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性を判断し、当該薬剤を処方した保険医にその必要性につき了解を得た上で、一包化や服薬カレンダー等の活用により薬剤を整理し、日々の服薬管理が容易になるよう支援した場合に、「注1」及び「注2」合わせて服薬支援1回につき、月1回に限り算定する。また、患者の来局時のほか、患者の求めに応じて保険薬剤師が患者を訪問して服用薬の整理等を行った場合でも算定できる。この場合、訪問に要した交通費(実費)は患家の負担とする。なお、服薬管理を容易にするような整理を行わずに単に服薬指導を行っただけでは算定できない。
(2) 「注1」については、外来服薬支援を行うに当たり、患者が、当該保険薬局で調剤した薬剤以外に他の保険薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤を服用していないか確認し、極力これらの薬剤も含めて一包化や服薬カレンダー等の活用により整理するよう努める。また、実際にこれらの薬剤も含めて服薬支援を行う場合には、重複投薬、相互作用等の有無を確認し、処方医に必要な照会を行い、適切な措置を講じる。なお、患者に対する服薬中の薬剤の確認や処方医への照会等を行った上で、結果として、他の保険薬局で調剤された薬剤又は保険医療機関で院内投薬された薬剤のみについて服薬支援を行うこととなった場合(当該保険薬局で調剤を受けていない患者が持参した、他の保険薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤について服薬支援を行う場合を含む。)でも算定できる。
(3) 「注2」については、患者が保険薬局に持参した服用中の薬剤等の服薬管理を行い、その結果を関係する保険医療機関へ情報提供した場合に算定できる。算定に当たっては、あらかじめ、患者又はその家族等に対して、保険薬局へ服用中の薬剤等を持参する動機付けのために薬剤等を入れる袋等を提供し、患者等が薬剤等を持参することで服薬管理を行う取組(いわゆるブラウンバッグ運動)を周知しておく。
(4) 外来服薬支援料1に係る外来服薬支援は、処方箋によらず、調剤済みの薬剤について服薬管理の支援を目的として行うものであるため、薬剤の一包化を行った場合でも、調剤技術料は算定できない。
(5) 薬剤の一包化による服薬支援は、多種類の薬剤が投与されている患者においてしばしばみられる薬剤の飲み忘れ、飲み誤りを防止すること又は心身の特性により錠剤等を直接の被包から取り出して服用することが困難な患者に配慮することを目的とし、治療上の必要性が認められる場合に行うものである点に留意する。
(6) 外来服薬支援料1を算定する場合は、服薬支援に係る薬剤の処方医の了解を得た旨又は情報提供した内容並びに当該薬剤の名称、服薬支援の内容及び理由を薬剤服用歴等に記載する。
(7) 外来服薬支援料1は、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については算定できない。また、現に他の保険医療機関又は保険薬局の薬剤師が訪問薬剤管理指導を行っている患者についても算定できない。
2 外来服薬支援料2
(1) 外来服薬支援料2は、多種類の薬剤が投与されている患者においてしばしばみられる薬剤の飲み忘れ、飲み誤りを防止すること又は心身の特性により錠剤等を直接の被包から取り出して服用することが困難な患者に配慮することを目的とし、治療上の必要性が認められると判断される場合に、医師の了解を得た上で、処方箋受付ごとに、一包化を行い、患者の服薬管理を支援した場合について評価するものである。
(2) 外来服薬支援料2は、処方箋受付1回につき1回算定できるものであり、投与日数が 42 日分以下の場合には、一包化を行った投与日数が7又はその端数を増すごとに 34 点を加算した点数を、投与日数が 43 日分以上の場合には、投与日数にかかわらず 240 点を算定する。この場合において、外来服薬支援料1は算定できない。
(3) 一包化とは、服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤又は1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されているとき、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいう。なお、一包化に当たっては、錠剤等は直接の被包から取り出した後行うものである。
(4) 薬剤師が一包化の必要を認め、医師の了解を得た後に一包化を行った場合は、その旨及び一包化の理由を薬剤服用歴等に記載する。
(5) 患者の服薬管理を支援するため、一包化した場合には必要な服薬指導を行った上で、調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供する。
(6) 患者の服薬及び服用する薬剤の識別を容易にすること等の観点から、錠剤と散剤を別々に一包化した場合、臨時の投薬に係る内服用固形剤とそれ以外の内服用固形剤を別々に一包化した場合等も算定できるが、処方箋受付1回につき1回に限り算定する。
(7) 同一薬局で同一処方箋に係る分割調剤(調剤基本料の「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤又は「注 10」の後発医薬品の試用のための分割調剤に限る。)をした上で、2回目以降の調剤について一包化を行った場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数を所定点数に加算する。
(8) 外来服薬支援料2を算定した範囲の薬剤については、自家製剤加算及び計量混合調剤加算は算定できない。
(9) 外来服薬支援料2を算定する場合は、当該処方箋の調剤に係る調剤技術料を同時に算定できる。
区分14の3 服用薬剤調整支援料
(1) 服用薬剤調整支援料1
ア 服用薬剤調整支援料1は、内服を開始して4週間以上経過した内服薬6種類以上を保険薬局で調剤している患者に対して、当該保険薬局の保険薬剤師が、当該患者の意向を踏まえ、当該患者の服薬アドヒアランス及び副作用の可能性等を検討した上で、処方医に減薬の提案を行い、その結果、処方される内服薬が減少した場合について評価したものである。
イ 服用薬剤調整支援料1は、当該保険薬局で調剤している当該内服薬の種類数が2種類以上(うち少なくとも1種類は当該保険薬局の保険薬剤師が提案したものとする。)減少し、その状態が4週間以上継続した場合に算定する。
ウ 保険医療機関名及び保険医療機関における調整前後の薬剤の種類数を調剤報酬明細書の摘要欄に記載すること。
エ 調剤している内服薬の種類数に屯服薬は含めない。また、当該内服薬の服用を開始して4週間以内の薬剤については、調整前の内服薬の種類数から除外する。また、調剤している内服薬と同一薬効分類の有効成分を含む配合剤及び内服薬以外の薬剤への変更を保険薬剤師が提案したことで減少した場合は、減少した種類数に含めない。
オ 内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。
カ 患者の服用する薬剤の副作用の可能性の検討等を行うに当たっては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。
キ 保険薬剤師は処方医へ提案を行う際に、減薬に係る患者の意向や提案に至るまでに検討した薬学的内容を薬剤服用歴等に記載する。また、保険医療機関から提供された処方内容の調整結果に係る情報は、薬剤服用歴等に添付する等の方法により記録・保持する。
ク 当該保険薬局で服用薬剤調整支援料1を1年以内に算定した場合においては、前回の算定に当たって減少した後の内服薬の種類数から更に2種類以上減少したときに限り、新たに算定することができる。
(2) 服用薬剤調整支援料2
ア 服用薬剤調整支援料2は、複数の保険医療機関から内服薬が合計で6種類以上処方されている患者に対して、患者若しくはその家族等の求めに応じて、保険薬局の保険薬剤師が、重複投薬等の解消のために以下の取組を全て行った場合に算定する。なお、詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」を参照すること。
(イ) 患者の服用薬について、手帳の確認、患者への聞き取り又は他の保険薬局若しくは保険医療機関への聞き取り等により、一元的に把握すること。なお、同種・同効薬が処方されている場合は、必要に応じて処方の背景を処方医又は患者若しくはその家族等に確認すること。
(ロ) 重複投薬等のおそれがある場合には、重複投薬等の解消に係る提案を検討し、当該提案及び(イ)の内容を記載した報告書を作成し、処方医に対して送付すること。
イ 内服薬の種類数の考え方は、服用薬剤調整支援料1に準ずる。また、6種類以上の内服薬について、少なくとも1種類は当該保険薬局で調剤されている必要がある。
ウ アの(ロ)の報告書は以下の内容を含む別紙様式3又はこれに準ずるものをいう。
(イ) 受診中の保険医療機関、診療科等に関する情報
(ロ) 服用中の薬剤の一覧
(ハ) 重複投薬等に関する状況
(ニ) 副作用のおそれがある患者の症状及び関連する薬剤
(ホ) その他(残薬、その他患者への聞き取り状況等)
エ 「重複投薬等の解消に係る提案」とは、重複投薬の状況や副作用の可能性等を踏まえ、患者に処方される薬剤の種類数の減少に係る提案をいう。この場合において、当該文書の写しを薬剤服用歴等に添付する等の方法により保存しておくこと。
オ 重複投薬等の解消に係る提案を行う場合、患者の希望、かかりつけ医の有無及び処方開始日等について十分な聞き取りを行った上で、処方内容の見直しを依頼する処方医に対して報告書を送付すること。
カ 処方内容の見直し状況について患者の次回以降の来局時に確認すること。
キ 当該加算の算定に係る保険医療機関、患者又はその家族等への情報提供については、服薬情報等提供料を別途算定できない。
区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料
1 在宅患者訪問薬剤管理指導料
(1) 在宅患者訪問薬剤管理指導料は、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、あらかじめ名称、所在地、開設者の氏名及び在宅患者訪問薬剤管理指導(以下「訪問薬剤管理指導」という。)を行う旨を地方厚生(支)局長に届け出た保険薬局の薬剤師が、医師の指示に基づき、薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して、薬歴管理、服薬指導、服薬支援、薬剤服用状況、薬剤保管状況及び残薬の有無の確認等の薬学的管理指導を行い、当該指示を行った医師に対して訪問結果について必要な情報提供を文書で行った場合に、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3まで及び在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて月4回に限り算定する。在宅患者訪問薬剤管理指導料は、定期的に訪問して訪問薬剤管理指導を行った場合の評価であり、継続的な訪問薬剤管理指導の必要のない者や通院が可能な者に対して安易に算定してはならない。例えば、少なくとも独歩で家族又は介助者等の助けを借りずに来局ができる者等は、来局が容易であると考えられるため、在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できない。なお、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより、患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行った場合は、当該保険医に加え、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医にも必要な情報提供を文書で行うこと。また、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医については、担当医に確認し、薬学的管理指導計画書等に当該医師の氏名と医療機関名を記載すること。
(2) 在宅患者訪問薬剤管理指導料は、単一建物診療患者の人数に従い算定する。ここでいう単一建物診療患者の人数とは、当該患者が居住する建築物に居住する者のうち、当該保険薬局が訪問薬剤管理指導料を算定する者の人数をいう。なお、ユニット数が3以下の認知症対応型共同生活介護事業所については、それぞれのユニットにおいて、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する人数を、単一建物診療患者の人数とみなすことができる。
(3) 在宅での療養を行っている患者とは、保険医療機関又は介護老人保健施設で療養を行っている患者以外の患者をいう。ただし、「要介護被保険者等である患者について療養に要する費用の額を算定できる場合」(平成 20 年厚生労働省告示第 128 号)、「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」(平成 18 年3月 31 日保医発第 0331002 号)等に規定する場合を除き、患者が医師若しくは薬剤師の配置が義務付けられている病院、診療所、施設等に入院若しくは入所している場合又は現に他の保険医療機関若しくは保険薬局の薬剤師が訪問薬剤管理指導を行っている場合には、在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できない。
(4) 在宅協力薬局
ア (3)にかかわらず、訪問薬剤管理指導を主に行っている保険薬局(以下「在宅基幹薬局」という。)が、連携する他の保険薬局(以下「在宅協力薬局」という。)と薬学的管理指導計画の内容を共有していること及び緊急その他やむを得ない事由がある場合には在宅基幹薬局の薬剤師に代わって当該患者又はその家族等に訪問薬剤管理指導を行うことについて、あらかじめ当該患者又はその家族等の同意を得ている場合には、在宅基幹薬局に代わって在宅協力薬局が訪問薬剤管理指導を行った場合は在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できる。なお、在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定は、在宅基幹薬局が行うこととするが、費用については両者の合議とする。
イ 在宅協力薬局の薬剤師が在宅基幹薬局の薬剤師に代わって訪問薬剤管理指導を行った
場合には、薬剤服用歴等を記載し、在宅基幹薬局と当該記録の内容を共有することとす
るが、訪問薬剤管理指導の指示を行った医師又は歯科医師に対する訪問結果についての
報告等は在宅基幹薬局が行う。なお、調剤報酬明細書に当該訪問薬剤管理指導を行った
在宅協力薬局名及び当該訪問薬剤管理指導を行った日付を記載する。また、在宅協力薬
局が処方箋を受け付け、調剤を行った在宅協力薬局が訪問薬剤管理指導を行った場合に
は、算定については、調剤技術料及び薬剤料等は在宅協力薬局、また、在宅患者訪問薬
剤管理指導料の算定は在宅基幹薬局が行うこととし、調剤報酬明細書の摘要欄には在宅
協力薬局が処方箋を受け付けた旨を記載する。
ウ 1つの患家に当該指導料の対象となる同居する同一世帯の患者が2人以上いる場合は、
患者ごとに「単一建物診療患者が1人の場合」を算定する。また、当該建築物において、
当該保険薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する者の数が、当該建築物の戸数の
10%以下の場合又は当該建築物の戸数が 20 戸未満であって、当該保険薬局が在宅患者
訪問薬剤管理指導料を算定する者の数が2人以下の場合には、それぞれ「単一建物診療
患者が1人の場合」を算定する。
(5) 薬学的管理指導計画
ア 「薬学的管理指導計画」は、処方医から提供された診療状況を示す文書等に基づき、又は必要に応じ、処方医と相談するとともに、他の医療関係職種(歯科訪問診療を実施している保険医療機関の保険医である歯科医師等及び訪問看護ステーションの看護師等)との間で情報を共有しながら、患者の心身の特性及び処方薬剤を踏まえ策定されるものであり、薬剤の管理方法、薬剤特性(薬物動態、副作用、相互作用等)を確認した上、実施すべき指導の内容、患家への訪問回数、訪問間隔等を記載する。
イ 策定した薬学的管理指導計画書は、薬剤服用歴等に添付する等の方法により保存する。
ウ 薬学的管理指導計画は、原則として、患家を訪問する前に策定する。
エ 訪問後、必要に応じ新たに得られた患者の情報を踏まえ計画の見直しを行う。
オ 薬学的管理指導計画は少なくとも1月に1回は見直しを行うほか、処方薬剤の変更があった場合及び他職種から情報提供を受けた場合にも適宜見直しを行う。
(6) 必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、訪問薬剤管理指導の結果及び当該医療関係職種による当該患者に対する療養上の指導に関する留意点について情報提供する。
(7) 訪問薬剤管理指導は、当該保険薬局の調剤した薬剤の服用期間内に、患者の同意を得て実施する。なお、調剤を行っていない月に訪問薬剤管理指導を実施した場合は、当該調剤年月日及び投薬日数を調剤報酬明細書の摘要欄に記入する。
(8) 在宅患者訪問薬剤管理指導料又は在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて月2回以上算定する場合(末期の悪性腫瘍の患者及び中心静脈栄養法の対象患者に対するものを除く。)は、算定する日の間隔は6日以上とする。末期の悪性腫瘍の患者及び中心静脈栄養法の対象患者については、在宅患者オンライン薬剤管理指導料と合わせて週2回かつ月8回に限り算定できる。
(9) 保険薬剤師1人につき在宅患者訪問薬剤管理指導料1、2及び3並びに在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて週 40 回に限り算定できる。
(10) 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
ア 訪問の実施日、訪問した薬剤師の氏名
イ 処方医から提供された情報の要点
ウ 訪問に際して実施した薬学的管理指導の内容(薬剤の保管状況、服薬状況、残薬の状況、投薬後の併用薬剤、投薬後の併診、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)、重複服用、相互作用等に関する確認、実施した服薬支援措置等)
エ 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点
オ 処方医以外の医療関係職種との間で情報を共有している場合にあっては、当該医療関係職種から提供された情報の要点及び当該医療関係職種に提供した訪問結果に関する情報の要点
カ 在宅協力薬局の薬剤師が訪問薬剤管理指導を行った場合には、(4)のイで規定する事項
(11) 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した月においては、服薬管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料は、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の処方箋によって調剤を行った場合を除いて算定できない。また、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した月においては、外来服薬支援料1又は服薬情報等提供料は算定できない。
2 在宅患者オンライン薬剤管理指導料
(1) 在宅患者オンライン薬剤管理指導料は、訪問薬剤管理指導を行っている保険薬局において、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、情報通信機器を用いた薬剤管理指導(訪問薬剤管理指導と同日に行う場合を除く。)を行った場合に、在宅患者訪問薬剤管理指導料1、2及び3並びに在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて月4回に限り算定する。
(2) 当該指導料は、保険薬剤師1人につき、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3までと合わせて週 40 回に限り算定できる。
(3) 在宅患者オンライン薬剤管理指導により、服薬管理指導料に係る業務を実施すること。
(4) 医薬品医療機器等法施行規則及び関連通知又は厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則及び関連通知に沿って実施すること。
(5) 訪問診療を行った医師に対して、在宅患者オンライン薬剤管理指導の結果について必要な情報提供を文書で行うこと。
(6) 患者の薬剤服用歴等を経時的に把握するため、原則として、手帳により薬剤服用歴等及び服用中の医薬品等について確認すること。また、患者が服用中の医薬品等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう必要な情報を手帳に添付又は記載すること。
(7) 薬剤を患家に配送する場合は、その受領の確認を行うこと。
(8) 当該服薬指導を行う際の情報通信機器の運用に要する費用及び医薬品等を患者に配送する際に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できる。
(9) 在宅患者訪問薬剤管理指導料又は在宅患者オンライン薬剤管理指導料を月2回以上算定する場合(末期の悪性腫瘍の患者及び中心静脈栄養法の対象患者に対するものを除く。)は、算定する日の間隔は6日以上とする。末期の悪性腫瘍の患者及び中心静脈栄養法の対象患者については、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3までと合わせて週2回かつ月8回に限り算定できる。
3 麻薬管理指導加算
ア 麻薬管理指導加算は、麻薬の投薬が行われている患者に対して、定期的に、投与される麻薬の服用状況、残薬の状況及び保管状況について確認し、残薬の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行うとともに、麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無の確認を行い、処方箋発行医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。ただし、在宅患者オンライン薬剤管理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回につき 22 点を所定点数に加算する。
イ 麻薬管理指導加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料又は在宅患者オンライン薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できない。
ウ 麻薬管理指導加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の1の(10)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の保管管理状況、服薬状況、残薬の状況、麻薬注射剤等の併用薬剤、疼痛緩和等の状況、麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(麻薬に係る服薬指導、残薬の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等)
(ハ) 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報(麻薬の服薬状況、疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
(ニ) 患者又は家族から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)
4 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算
ア 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算は、在宅において医療用麻薬持続注射療法を行っている患者又はその家族等に対して、患家を訪問し、麻薬の投与状況、残液の状況及び保管状況について確認し、残液の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行うとともに、麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無を確認し、薬学的管理及び指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。
イ 当該患者が麻薬の投与に使用している高度管理医療機器について、保健衛生上の危害の発生の防止に必要な措置を講ずること。
ウ 必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、麻薬の投与状況、残液の状況、保管状況、残液の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等について情報提供すること。
エ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できない。
オ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の1の(10)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の保管管理状況、投与状況、残液の状況、併用薬剤、疼痛緩和等の状況、麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者又はその家族等への指導の要点(麻薬に係る服薬指導、残液の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等)
(ハ) 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報(麻薬の投与状況、疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
(ニ) 患者又はその家族等から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)
カ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算については、麻薬管理指導加算を算定している患者については算定できない。
5 乳幼児加算
乳幼児加算は、乳幼児に係る薬学的管理指導の際に、体重、適切な剤形その他必要な事項等の確認を行った上で、患者の家族等に対して適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導を行った場合に算定する。ただし、在宅患者オンライン薬剤管理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回につき 12 点を所定点数に加算する。
6 小児特定加算
小児特定加算は、児童福祉法第 56 条の6第2項に規定する障害児である 18 歳未満の患者に係る薬学的管理指導の際に、服薬状況等を確認した上で、患家を訪問し、患者又はその家族等に対し、当該患者の状態に合わせた必要な薬学的管理及び指導を行った場合に算定する。ただし、在宅患者オンライン薬剤管理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回につき 350 点を所定点数に加算する。また、乳幼児加算を併算定することはできない。
7 在宅中心静脈栄養法加算
ア 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に係る薬学的管理指導の際に、患家を訪問し、患者の状態、投与環境その他必要な事項等の確認を行った上で、患者又はその家族等に対して保管方法、配合変化防止に係る対応方法等の必要な薬学的管理指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。
イ 当該患者に対し2種以上の注射薬が同時に投与される場合には、中心静脈栄養法に使用する薬剤の配合変化を回避するために、必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、当該患者が使用する注射剤に係る配合変化に関する留意点、輸液バッグの遮光の必要性等について情報提供する。
ウ 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できない。
エ 在宅中心静脈栄養法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の1の(10)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した在宅患者中心静脈栄養法に係る薬学的管理指導の内容(輸液製剤の投与状況、保管管理状況、残薬の状況、栄養状態等の状況、輸液製剤による患者の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無、薬剤の配合変化の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(輸液製剤に係る服薬指導、適切な保管方法の指導等)
(ハ) 処方医及び関係する医療関係職種に対して提供した訪問結果、輸液製剤の保管管理に関する情報(輸液製剤の投与状況、栄養状態及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
8 その他留意点
(1) 保険薬局(在宅協力薬局を含む。)の所在地と患家の所在地との距離が 16 キロメートルを超える訪問薬剤管理指導については、患家の所在地から 16 キロメートルの圏域の内側に、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を届け出ている薬局が存在しないなど、当該保険薬局からの訪問薬剤管理指導を必要とする特殊な事情がある場合に認められるものであって、この場合の在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定については 16 キロメートル以内の場合と同様に算定する。特殊な事情もなく、特に患家の希望により 16 キロメートルを超えて訪問薬剤管理指導を行った場合の在宅患者訪問薬剤管理指導料は保険診療としては認められないことから、患者負担とする。この場合において、「保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が 16 キロメートルを超えた場合」とは、患家を中心とする半径 16 キロメートルの圏域の外側に当該保険薬局が所在する場合をいう。
ただし、平成 24 年3月 31 日以前に「注1」に規定する医師の指示があった患者については、当該規定は適用しないものであること。
(2) 「注9」に規定する交通費は実費とする。
区分15の2 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
(1) 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料は、訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師が、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものの状態の急変等に伴い、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又は当該保険医療機関と連携する他の保険医療機関の保険医の求めにより、当該患者に係る計画的な訪問薬剤管理指導とは別に、緊急に患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行い、当該保険医に対して訪問結果について必要な情報提供を文書で行った場合に、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1及び2並びに在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料を合わせて月4回に限り算定する。
(2) 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1は、当該患者に係る計画的な訪問薬剤管理指導の対象疾患の急変等に関して、保険医の求めにより、緊急に患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行い、訪問結果について当該保険医に必要な情報提供を文書で行った場合に算定する。
(3) 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2は、当該患者に係る計画的な訪問薬剤管理指導の対象となっていない疾患の急変等に関して、保険医の求めにより、緊急に患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行い、訪問結果について当該保険医に必要な情報提供を文書で行った場合に算定する。
(4) (2)及び(3)については、情報通信機器を用いて療養上必要な薬学的管理指導を行った場合は、在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料を算定する。この場合において、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料は算定できない。
(5) (2)から(4)までについては、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより、緊急に患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行った場合は、当該保険医に加え、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医にも必要な情報提供を文書で行うこと。在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医については、担当医に確認し、薬学的管理指導計画書等に当該医師の氏名と医療機関名を記載すること。
(6) 「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の1の(4)に規定する同意を得ている場合において、在宅基幹薬局に代わって在宅協力薬局が緊急訪問薬剤管理指導を行った場合は、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定できる。なお、その場合においては、「区分15在宅患者訪問薬剤管理指導料」の1の(4)の取扱いに準ずること。
(7) 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2調剤管理料」の1の(6)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
ア 訪問の実施日、訪問した薬剤師の氏名
イ 当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又は当該保険医と連携する他の保険医から緊急の要請があった日付及び当該要請の内容並びに当該要請に基づき訪問薬剤管理指導を実施した旨
ウ 訪問に際して実施した薬学的管理指導の内容(服薬状況、副作用、相互作用等に関する確認等を含む。)
エ 保険医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点
(8) 麻薬管理指導加算
ア 麻薬管理指導加算は、麻薬の投薬が行われている患者に対して、投与される麻薬の服用状況、残薬の状況及び保管状況について確認し、残薬の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行うとともに、麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無の確認を行い、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。ただし、在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回に
つき 22 点を所定点数に加算する。
イ 麻薬管理指導加算は、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料が算定されていない場合は算
定できない。
ウ 麻薬管理指導加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15の2 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」の(7)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の保管管理状況、服薬状況、残薬の状況、麻薬注射剤等の併用薬剤、疼痛緩和等の状況、麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(麻薬に係る服薬指導、残薬の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等)
(ハ) 当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医に対して提供した訪問結果に関する情報(麻薬の服薬状況、疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
(ニ) 患者又は家族から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)
(9) 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算
ア 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算は、在宅において医療用麻薬持続注射療法を行っている患者又はその家族等に対して、患家を訪問し、麻薬の投与状況、残液の状況及び保管状況について確認し、残液の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行うとともに、麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無を確認し、薬学的管理及び指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。
イ 当該患者が麻薬の投与に使用している高度管理医療機器について、保健衛生上の危害の発生の防止に必要な措置を講ずること。
ウ 必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、麻薬の投与状況、残液の状況、保管状況、残液の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等について情報提供すること。
エ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算は、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できない。
オ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15の2 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」の(7)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の保管管理状況、投与状況、残液の状況、併用薬剤、疼痛緩和等の状況、麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者又はその家族等への指導の要点(麻薬に係る服薬指導、残液の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等)
(ハ) 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報(麻薬の投与状況、疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
(ニ) 患者又はその家族等から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)
カ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算については、麻薬管理指導加算を算定している患者については算定できない。
(10) 乳幼児加算
乳幼児加算は、乳幼児に係る薬学的管理指導の際に、体重、適切な剤形その他必要な事項等の確認を行った上で、患者の家族等に対して適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導を行った場合に算定する。ただし、在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回につき 12 点を所定点数に加算する。
(11) 小児特定加算
小児特定加算は、児童福祉法第 56 条の6第2項に規定する障害児である 18 歳未満の患者に係る薬学的管理指導の際に、服薬状況等を確認した上で、患家を訪問し、患者又はその家族等に対し、当該患者の状態に合わせた必要な薬学的管理及び指導を行った場合に算定する。ただし、在宅患者オンライン薬剤管理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回につき 350 点を所定点数に加算する。また、乳幼児加算を併算定することはできない。
(12) 在宅中心静脈栄養法加算
ア 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に係る薬学的管理指導の際に、患者の状態、投与環境その他必要な事項等の確認を行った上で、患家を訪問し、患者又はその家族等に対して保管方法、配合変化防止に係る対応方法等の必要な薬学的管理指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。
イ 当該患者に対し2種以上の注射薬が同時に投与される場合には、中心静脈栄養法に使用する薬剤の配合変化を回避するために、必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、当該患者が使用する注射剤に係る配合変化に関する留意点、輸液バッグの遮光の必要性等について情報提供する。
ウ 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できない。
エ 在宅中心静脈栄養法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15の2 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」の(7)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した在宅患者中心静脈栄養法に係る薬学的管理指導の内容(輸液製剤の投与状況、保管管理状況、残薬の状況、栄養状態等の状況、輸液製剤による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無、薬剤の配合変化の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(輸液製剤に係る服薬指導、適切な保管方法の指導等)
(ハ) 処方医及び関係する医療関係職種に対して提供した訪問結果、輸液製剤の保管管理に関する情報(輸液製剤の投与状況、栄養状態及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
(13) 保険薬局(在宅協力薬局を含む。)の所在地と患家の所在地との距離が 16 キロメートルを超える訪問薬剤管理指導については、患家の所在地から 16 キロメートルの圏域の内側に、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を届け出ている薬局が存在しないなど、当該保険薬局からの訪問薬剤管理指導を必要とする特殊な事情がある場合に認められるものであって、この場合の在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の算定については 16 キロメートル以内の場合と同様に算定する。特殊な事情もなく、特に患家の希望により 16 キロメートルを超えて訪問薬剤管理指導を行った場合の在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料は保険診療としては認められないことから、患者負担とする。この場合において、「保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が 16 キロメートルを超えた場合」とは、患家を中心とする半径16 キロメートルの圏域の外側に当該保険薬局が所在する場合をいう。
ただし、平成 24 年3月 31 日以前に在宅患者訪問薬剤管理指導料の「注1」に規定する医師の指示があった患者については、当該規定は適用しないものであること。
(14) 「注8」に規定する交通費は実費とする。
区分15の3 在宅患者緊急時等共同指導料
(1) 在宅患者緊急時等共同指導料は、在宅での療養を行っている患者の状態の急変や診療方針の変更等の際、当該患者に対する診療等を行う医療関係職種等(居宅介護支援事業者の介護支援専門員を含む。以下同じ。)が一堂に会す等によりカンファレンスを行うことで、より適切な治療方針を立てることが可能となるとともに、カンファレンスの参加者の間で診療方針の変更等の情報を的確に共有することができ、患者及び家族が安心して療養生活を送ることに資することから、そのような取組を評価するものである。
(2) 在宅患者緊急時等共同指導料は、訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師が、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものの病状の急変や、診療方針の大幅な変更等の必要が生じたことに伴い、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又は当該保険医療機関と連携する他の保険医療機関の保険医の求めにより、関係する医療関係職種等と共同でカンファレンスを行うとともに、共有した当該患者の診療情報及び当該カンファレンスの結果を踏まえ、計画的な訪問薬剤管理指導の内容に加えて、患家を訪問した上で患者に対し療養上必要な薬学的管理指導を行った場合に、月2回に限り算定する。なお、当該カンファレンスを行った日と異なる日に当該薬学的管理指導を行った場合でも算定できるが、当該カンファレンスを行った日以降速やかに薬学的管理指導を行うものであること。また、カンファレンス及びそれに基づく薬学的管理指導1回につき1回に限り算定する。
(3) (1)及び(2)については、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより、患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行った場合は、当該保険医に加え、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医にも必要な情報提供を文書で行うこと。また、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医については、担当医に確認し、薬学的管理指導計画書等に当該医師の氏名と医療機関名を記載すること。
(4) 当該カンファレンスは、以下を満たす場合は、保険薬局の保険薬剤師が、ビデオ通話が可能な機器を用いて参加することができる。ただし、1者以上は、患家に赴きカンファレンスを行っていること。
(5) (4)において、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。
(6) 在宅患者緊急時等共同指導料を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
ア カンファレンス及び薬学的管理指導の実施日、薬学的管理指導を行った薬剤師の氏名並びにカンファレンスに参加した医療関係職種等の氏名
イ 当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又は当該保険医と連携する他の保険医から要請があって患家を訪問し、他の医療関係職種等と共同してカンファレンスを行い、その結果を踏まえて薬学的管理指導を実施した旨及びその理由
ウ カンファレンスの要点及びカンファレンスの結果を踏まえて実施した薬学的管理指導の内容(服薬状況、副作用、相互作用等に関する確認等を含む。)
エ 保険医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点
(7) 在宅患者緊急時等共同指導料を算定する場合は、在宅患者訪問薬剤管理指導料は別に算定できない。また、情報通信機器を用いて療養上必要な薬学的管理指導を行った場合は、在宅患者オンライン薬剤管理指導料を算定し、在宅患者緊急時等共同指導料は算定できない。
(8) 麻薬管理指導加算
ア 麻薬管理指導加算は、麻薬の投薬が行われている患者に対して、投与される麻薬の服用状況、残薬の状況及び保管状況について確認し、残薬の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行うとともに、麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無の確認を行い、必要な薬学的管理指導を行った場合に算定する。
イ 麻薬管理指導加算は、在宅患者緊急時等共同指導料が算定されていない場合は算定できない。
ウ 麻薬管理指導加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15の3 在宅患者緊急時等共同指導料」の(6)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の保管管理状況、服薬状況、残薬の状況、麻薬注射剤等の併用薬剤、疼痛緩和等の状況、麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(麻薬に係る服薬指導、残薬の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等)
(ハ) 当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医に対して提供した訪問結果に関する情報(麻薬の服薬状況、疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
(ニ) 患者又は家族から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)
(9) 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算
ア 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算は、在宅において医療用麻薬持続注射療法を行っている患者又はその家族等に対して、患家を訪問し、麻薬の投与状況、残液の状況及び保管状況について確認し、残液の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行うとともに、麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無を確認し、薬学的管理及び指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。
イ 当該患者が麻薬の投与に使用している高度管理医療機器について、保健衛生上の危害の発生の防止に必要な措置を講ずること。
ウ 必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、麻薬の投与状況、残液の状況、保管状況、残液の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等について情報提供すること。
エ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算は、在宅患者緊急時等共同指導料が算定されていない場合は算定できない。
オ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15の3 在宅患者緊急時等共同指導料」の(6)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の保管管理状況、投与状況、残液の状況、併用薬剤、疼痛緩和等の状況、麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者又はその家族等への指導の要点(麻薬に係る服薬指導、残液の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等)
(ハ) 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報(麻薬の投与状況、疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
(ニ) 患者又はその家族等から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)
カ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算については、麻薬管理指導加算を算定している患者については算定できない。
乳幼児加算
(10) 乳幼児加算は、乳幼児に係る薬学的管理指導の際に、体重、適切な剤形その他必要な事項等の確認を行った上で、患者の家族等に対して適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導を行った場合に算定する。
小児特定加算
(11) 小児特定加算は、児童福祉法第 56 条の6第2項に規定する障害児である 18 歳未満の患者に係る薬学的管理指導の際に、服薬状況等を確認した上で、患家を訪問し、患者又はその家族等に対し、当該患者の状態に合わせた必要な薬学的管理及び指導を行った場合に算定する。また、乳幼児加算を併算定することはできない。
(12) 在宅中心静脈栄養法加算
ア 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に係る薬学的管理指導の際に、患者の状態、投与環境その他必要な事項等の確認を行った上で、患家を訪問し、患者又はその家族等に対して保管方法、配合変化防止に係る対応方法等の必要な薬学的管理指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。
イ 当該患者に対し2種以上の注射薬が同時に投与される場合には、中心静脈栄養法に使用する薬剤の配合変化を回避するために、必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、当該患者が使用する注射剤に係る配合変化に関する留意点、輸液バッグの遮光の必要性等について情報提供する。
ウ 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅患者緊急時等共同指導料が算定されていない場合は算定できない。
エ 在宅中心静脈栄養法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15の3 在宅患者緊急時等共同指導料」の(6)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
(イ) 訪問に際して実施した在宅患者中心静脈栄養法に係る薬学的管理指導の内容(輸液製剤の投与状況、保管管理状況、残薬の状況、栄養状態等の状況、輸液製剤による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無、薬剤の配合変化の有無などの確認等)
(ロ) 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(輸液製剤に係る服薬指導、適切な保管方法の指導等)
(ハ) 処方医及び関係する医療関係職種に対して提供した訪問結果、輸液製剤の保管管理に関する情報(輸液製剤の投与状況、栄養状態及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
(13) 保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が 16 キロメートルを超える訪問薬剤管理指導については、患家の所在地から 16 キロメートルの圏域の内側に、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を届け出ている薬局が存在しないなど、当該保険薬局からの訪問薬剤管理指導を必要とする特殊な事情がある場合に認められるものであって、この場合の在宅患者緊急時等共同指導料の算定については 16 キロメートル以内の場合と同様に算定する。特殊な事情もなく、特に患家の希望により 16 キロメートルを超えて療養上必要な指導を行った場合の在宅患者緊急時等共同指導料は保険診療としては認められないことから、患者負担とする。この場合において、「保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が 16 キロメートルを超えた場合」とは、患家を中心とする半径 16 キロメートルの圏域の外側に当該保険薬局が所在する場合をいう。
ただし、平成 24 年3月 31 日以前に在宅患者訪問薬剤管理指導料の「注1」に規定する医師の指示があった患者については、当該規定は適用しないものであること。
区分15の4 退院時共同指導料
(1) 退院時共同指導料は、保険医療機関に入院中の患者について、当該患者の退院後の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局として当該患者が指定する保険薬局の保険薬剤師が、原則として当該患者が入院している保険医療機関(以下「入院保険医療機関」という。)に赴いて、患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な薬剤に関する説明及び指導を、入院保険医療機関の保険医又は看護師等、薬剤師、管理栄養師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1回(別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については2回)に限り算定できる。なお、ここでいう入院とは、医科点数表の第1章第2部通則5に定める入院期間が通算される入院のことをいう。
(2) 退院時共同指導料の共同指導は、保険薬局の薬剤師が、ビデオ通話が可能な機器を用いて共同指導した場合でも算定可能である。
(3) (2)において、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。
(4) 退院時共同指導料は、患者の家族等、退院後に患者の看護を担当する者に対して指導を行った場合にも算定できる。
(5) 退院時共同指導料を算定する場合は、当該患者の薬剤服用歴等に、入院保険医療機関において当該患者に対して行った服薬指導等の要点を記載する。また、患者又はその家族等に提供した文書の写しを薬剤服用歴等に添付する。
(6) 退院時共同指導料は、退院後在宅での療養を行う患者が算定の対象となり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者については、対象とはならない。
区分15の5 服薬情報等提供料
(1) 服薬情報等提供料は、保険薬局において調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、患者若しくはその家族等又は保険医療機関に当該情報を提供することにより、医師の処方設計及び患者の服薬の継続又は中断の判断の参考とする等、保険医療機関と保険薬局の連携の下で医薬品の適正使用を推進することを目的とするものである。
(2) 服薬情報等提供料1は、保険医療機関から(5)のア又はイに掲げる情報提供の求めがあった場合にその理由とともに、患者の同意を得て、現に患者が受診している保険医療機関に対して、当該患者の服薬状況等について文書等により提供した場合に算定できる。これには、次に掲げる場合が含まれる。
ア 処方箋を発行した保険医療機関が患者の服用薬の残薬の報告を求めており、保険薬局において患者の服用薬の残薬を確認し、当該保険医療機関に対して情報提供を行った場合
イ 調剤基本料の「注 11」に掲げる医師の指示による分割調剤において、2回目以降の調剤時に患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、処方医に対して情報提供を行った場合。この場合において、次に掲げる事項を含めるものとする。
・残薬の有無
・残薬が生じている場合はその量及び理由
・副作用の有無
・副作用が生じている場合はその原因の可能性がある薬剤の推定
ウ 保険医療機関からの求めに応じ、入院前の患者の服用薬について確認し、依頼元の医療機関に情報提供した場合
(3) 服薬情報等提供料2は、以下の場合に算定できる。
ア 患者又はその家族等の求めがあった場合、患者の同意を得て、次に掲げる情報等の内容について、患者又はその家族等に対して速やかに提供等し、当該情報に関する患者の状態等の確認及び必要な指導を次回以降の来局時に行った場合。
(イ) 緊急安全性情報、安全性速報や医薬品・医療機器等安全性情報など、処方箋受付時に提供した薬剤情報以外の情報で患者の服薬期間中に新たに知り得た情報
(ロ) 患者の服薬期間中に服薬状況の確認及び必要な指導
イ 保険薬局の薬剤師が薬剤服用歴等に基づき患者の服薬に関する(5)のアからウまでに掲げる情報提供の必要性を認めた場合にその理由とともに、患者の同意を得て、現に患者が受診している保険医療機関に対して、当該患者の服薬状況等について文書等により提供した場合。これには、保険薬局において患者の服用薬の残薬を確認し、処方箋を発行した保険医療機関に対して情報提供を行った場合が含まれる。
(4) 服薬情報等提供料3は、以下の場合に算定できる。
ア 入院を予定している患者について、保険医療機関の求めがあった場合において、患者が服用中の薬剤について、当該患者若しくはその家族等への聞き取り又は他の保険薬局若しくは保険医療機関への聞き取り等により、一元的に把握し、必要に応じて当該患者が保険薬局に持参した服用薬の整理を行うとともに、患者が入院を予定している保険医療機関に対して、当該患者の服薬状況等について文書等により提供した場合に算定できる。
イ 保険医療機関の求めについては、患者が入院を予定している保険医療機関からの求めのほか、患者が受診している他の保険医療機関からの求めを含む。
ウ 患者の服用薬等については、当該保険薬局で調剤した薬剤、他の保険薬局で調剤された薬剤、保険医療機関で院内投薬された薬剤等を一元的に把握すること。
エ 算定に当たっては、別紙様式1-2又はこれに準ずるものを用いて、以下の内容について保険医療機関への情報提供を行うこと。
・受診中の保険医療機関、診療科等に関する情報
・服用中の薬剤の一覧
・患者の服薬状況
・併用薬剤等の情報
(5) 保険医療機関に対する情報提供の内容は次のとおりとする。
ア 当該患者の服用薬及び服薬状況
イ 当該患者に対する服薬指導の要点、患者の状態等
ウ 当該患者が容易に又は継続的に服用できるための技術工夫等の調剤情報
(6) 服薬期間中の体調の変化等の患者の訴えや自覚症状がある場合には、患者の自覚症状が薬剤の副作用によるものか否かに関する分析結果も含めて情報提供することとし、また、患者に対する服薬指導は、当該分析結果を踏まえたものとする。なお、患者の自覚症状の分析に当たっては、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(厚生労働省)等を参考とすることが望ましい。
(7) (5)のウについては、処方箋の記入上の疑義照会等では算定できない。
(8) 保険医療機関への情報提供については、患者1人につき同一月に2回以上服薬情報等の提供を行った場合においても、月1回のみの算定とする。ただし、複数の保険医療機関又は診療科に対して服薬情報等の提供を行った場合は、当該保険医療機関又は診療科ごとに月1回に限り算定できる。
(9) 保険医療機関への情報提供に当たっては、別紙様式1-1、別紙様式1-2又はこれに準ずる様式の文書等に必要事項を記載し、患者が現に診療を受けている保険医療機関に交付し、当該文書等の写しを薬剤服用歴等に添付する等の方法により保存しておく。
(10) (3)のアについて、患者の服薬期間中に情報提供した事項、服薬期間中及び処方箋受付時に確認した患者の服薬状況等及び指導等については、情報提供の都度、薬剤服用歴等の記録に記載する。
(11) 服薬情報等提供料は、特別調剤基本料を算定している保険薬局において、当該保険薬局と不動産取引等その他特別な関係を有している保険医療機関へ情報提供を行った場合は算定できない。また、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料若しくは在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者に係る情報提供を行った場合は算定できない。
区分15の6 在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料
(1) 在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料は、薬剤服用歴等又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。ただし、複数項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。
(2) 「イ 残薬調整に係るもの以外の場合」は、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
ア 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
イ 併用薬、飲食物等との相互作用
ウ そのほか薬学的観点から必要と認める事項
(3) 「ロ 残薬調整に係るものの場合」は、残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
(4) 在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴等に記載する。
(5) 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。
区分15の7 経管投薬支援料
(1) 経管投薬支援料は、胃瘻若しくは腸瘻による経管投薬又は経鼻経管投薬を行っている患者に対して、簡易懸濁法による薬剤の服用に関して必要な支援を行った場合に算定する。
(2) 当該加算に係る服薬支援は、以下の場合に患者の同意を得て行うものであること。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 家族等の求めがあった場合等、服薬支援の必要性が認められる場合であって、医師の
了解を得たとき
(3) 「簡易懸濁法」とは、錠剤の粉砕やカプセルの開封等を行わず、経管投薬の前に薬剤を崩壊及び懸濁させ、投薬する方法のことをいう。
(4) 必要な支援とは主に次に掲げる内容をいう。
ア 簡易懸濁法に適した薬剤の選択の支援
イ 患者の家族又は介助者が簡易懸濁法により経管投薬を行うために必要な指導
ウ 必要に応じて保険医療機関への患者の服薬状況及びその患者の家族等の理解度に係る
情報提供
(5) 患者1人につき複数回の支援を行った場合においても、1回のみの算定とする。
(6) 患者の服薬状況等を保険医療機関に情報提供した場合であって所定の要件を満たすときは、服薬情報等提供料1、2又は3を算定できる。
<薬剤料>
区分20 使用薬剤料
(1) 投薬時における薬剤の容器は、原則として保険薬局から患者へ貸与する。ただし、患者が希望する場合には、患者から実費を徴収して容器を交付しても差し支えないが、患者が当該容器を返還した場合は、当該容器本体部が再使用できるものについては当該実費を返還する。
なお、患者に直接投薬する目的で製品化されている薬剤入りチューブ及び薬剤入り使い捨て容器のように再使用できない薬剤の容器については、患者に容器代金を負担させることはできない。
(2) 保険薬局が患者に喘息治療剤の施用のため小型吸入器及び鼻腔・口腔内治療剤の施用のため噴霧・吸入用器具(散粉器)を交付した場合は、患者にその実費を負担させて差し支えないが、患者が当該吸入器を返還した場合は当該実費を返還する。
(3) 被保険者が保険薬局より薬剤の交付を受け、持ち帰りの途中又は自宅において薬品を紛失したため(天災地変その他やむを得ない場合を除く。)再交付された処方箋に基づいて、保険薬局が調剤した場合は、当該薬剤の費用は、被保険者の負担とする。
(4) 内服用液剤を投与する際には常水(水道水、自然水)を使用するが、特に蒸留水を使用しなければならない理由があれば使用して差し支えない。
(5) 薬包紙、薬袋の費用は、別に徴収又は請求することはできない。
<特定保険医療材料料>
区分30 特定保険医療材料
(1) 保険薬局で交付できる特定保険医療材料とは、別表2に掲げるものとし、次に該当する器材については算定できない。
ア 別表3に掲げる薬剤の自己注射以外の目的で患者が使用する注射器
イ 在宅医療以外の目的で患者が使用する「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)」(平成 20 年厚生労働省告示第 61 号)の別表のⅠに規定されている特定保険医療材料
(2) 特定保険医療材料の定義については、「特定保険医療材料の定義について」(令和4年3月4日保医発 0304 第 12 号)を参照すること。
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