調剤後薬剤管理指導加算【2020新設】

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※画像は厚生労働省発表資料『令和2年度診療報酬改定の概要 調剤』よりお借りしました。

 

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調剤後薬剤管理指導加算は、2020年の改定で新設された加算です。
地域支援体制加算を算定している薬局しか算定できない というのも今までの加算には無かった新しい要件です。

この加算を大雑把に要約すると、

「インスリン製剤 or SU剤」が「新規処方 or 処方変更」になった糖尿病患者さんに対して、後日電話等で薬の使用状況・副作用の有無などを確認し、必要な薬学的管理を行い、その結果を医療機関に文書で情報提供した場合に算定(30点)できる加算です。

概要より引用

▷地域において医療機関と薬局が連携してインスリン等の糖尿病治療薬の適正使用を推進する観点から、医師の求めなどに応じて、地域支援体制加算を届け出ている薬局調剤後も副作用の有無の確認や服薬指導等を行い、その結果を医師に情報提供した場合を新たな評価。

(新) 薬剤服用歴管理指導料 調剤後薬剤管理指導加算 30点(月1回まで)

[対象保険薬局]
地域支援体制加算を届け出ている保険薬局

[対象患者]
インスリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤(以下「インスリン製剤等」という。)を使用している糖尿病患者であって、新たにインスリン製剤等が処方されたもの又はインスリン製剤等に係る投薬内容の変更が行われたもの

[算定要件]
患者等の求めに応じて、
調剤後に電話等により、その使用状況、副作用の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導
② その結果等を保険医療機関に文書により情報提供
を行った場合に算定する。

インスリン製剤とは

インスリン製剤の具体例

※「インスリン製剤」と呼ばれる薬の具体例です。

超速効型インスリン
・ヒューマログ注
・ノボラピッド注
・フィアスプ注
・アピドラ注

速効型インスリン
・ノボリンR注
・ヒューマリンR注

中間型インスリン
・ノボリンN注
・ヒューマリンN注

混合型インスリン
・イノレット30R注
・ノボリン30R注
・ヒューマリン3/7注
・ノボラピッド30,50,70 ミックス注
・ヒューマログミックス25,50 注

持効型溶解インスリンアナログ製剤
・ランタス注
・ランタスXR注
・レベミル注
・トレシーバ注
・ライゾデグ配合注

スルフォニル尿素系製剤(SU剤・SU薬)とは

SU剤の具体例

※SU剤 または SU薬 と呼ばれる薬の具体例です。

一般名 商品名(先発医薬品名)
グリメピリド アマリール錠
グリクラジド グリミクロン錠
グリベンクラミド オイグルコン錠
ダオニール錠
グリクロピラミド デアメリンS錠
アセトヘキサミド ジメリン錠
クロルプロパミド クロルプロパミド錠

※筆者である薬局薬剤師個人の主観ですが、2020年現在 SU剤といえば上3つグリメピリド,グリクラジド,グリベンクラミドしかほぼ使われていません。下3つグリクロピラミド,アセトヘキサミド,クロルプロパミドは私はもう何年も処方を見ていません。

SU剤の配合された配合錠
ソニアス配合錠LD(グリメピリド1㎎+ピオグリタゾン15㎎)
ソニアス配合錠HD(グリメピリド3㎎+ピオグリタゾン30㎎)

SU剤の特徴

・SU剤は、インスリン分泌があれば強い血糖改善効果が期待できます。しかし、食事・運動療法をを守らないと血糖改善効果が失われてしまいます。

・食事・運動療法を徹底しないと体重増加を起こしやすい特徴もあります。

・併用薬や、アルコール摂取、肝機能低下、腎機能低下による低血糖にも注意が必要です。

疑義解釈より引用

2020年改定-疑義解釈(その1)より引用【特定薬剤管理指導加算2

問12 電話等により患者の副作用等の有無の確認等を行い、その結果を保険医療機関に文書により提供することが求められているが、算定はどの時点から行うことができるのか。

(答)保険医療機関に対して情報提供を行い、その後に患者が処方箋を持参した時である。
この場合において、当該処方箋は、当該加算に関連する薬剤を処方した保険医療機関である必要はない。なお、この考え方は、調剤後薬剤管理指導加算においても同様である。

調剤報酬点数表より引用

調剤後薬剤管理指導加算

注10 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、糖尿病患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得て、調剤後も当該薬剤の服用に関し、電話等によりその服用状況、副作用の有無等について当該患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導当該調剤と同日に行う場合を除く。)を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、調剤後薬剤管理指導加算として、月1回に限り30点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

※「注10 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局」=「地域支援体制加算を算定している保険薬局」

調剤報酬点数表に関する事項より引用

10 調剤後薬剤管理指導加算

(1) 調剤後薬剤管理指導加算は、低血糖の予防等の観点から、糖尿病患者に新たにインスリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤(以下「インスリン製剤等」という。)が処方等された患者に対し、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、副作用の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。なお、インスリン製剤等の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。

(2) (1)の「新たにインスリン製剤が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者をいう。
ア 新たにインスリン製剤等が処方された患者
イ 既にインスリン製剤等を使用している患者であって、新たに他のインスリン製剤等が処方された患者
ウ インスリン製剤の注射単位の変更 又は スルフォニル尿素系製剤の用法・用量の変更があった患者

(3) 当該加算に係る電話又はビデオ通話によるインスリン製剤等の使用状況の確認等は、以下のア又はイの場合に患者の同意を得て行うものであること。
保険医療機関からの求めがあった場合
患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、調剤後の薬剤管理指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき

(4) 本加算の調剤後のインスリン製剤等の使用状況等の確認は、処方医等の求めに応じて実施するものであり、計画的な電話又はビデオ通話による確認を原則とすること。この場合において、あらかじめ患者に対し、電話等を用いて確認することについて了承を得ること。

(5) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し 又は その内容の要点等を薬剤服用歴の記録に添付又は記載する。

(6) 電話等による患者のインスリン製剤等の使用状況等の確認を行った結果、速やかに保険医療機関に伝達すべき副作用等の情報を入手した場合(インスリン製剤等以外の薬剤による副作用が疑われる場合を含む。)は、遅滞なく当該情報を患者が受診中の保険医療機関に提供するとともに、必要に応じて保険医療機関への受診勧奨を行うこと。

(7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。

(8) 当該加算は、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については算定できない。

まとめ

・薬剤服用歴管理指導料 調剤後薬剤管理指導加算 30点(月1回まで)
※地域支援体制加算を算定している薬局しか算定できない加算である。
※糖尿病患者に対して算定する加算である。
※かかりつけ薬剤師指導料(包括管理料)を算定している患者については算定できない。

・糖尿病患者であり、新たにインスリン製剤が処方等された患者に対して算定できる。
※「新たにインスリン製剤が処方等された患者」とは下記ア~ウ
ア 新たにインスリン製剤等が処方された患者
イ 既にインスリン製剤等を使用している患者であって、新たに他のインスリン製剤等が処方された患者
ウ インスリン製剤の注射単位の変更 又は スルフォニル尿素系製剤の用法・用量の変更があった患者

・患者や家族等 又は 医療機関の求めに応じて、患者の同意を得て行う。
※「医療機関からの求めに応じて、患者の同意を得て行う」 もしくは、「患者等の求めがあり、薬剤師が薬剤管理指導の必要性が認めた場合に、医師の了解を得て行う」

・調剤後、後日電話等にて副作用や使用状況について確認する計画を立て、患者等からその確認を得る。
※計画的な電話又はビデオ通話による確認を原則とすること。この場合において、あらかじめ患者に対し、電話等を用いて確認することについて了承を得ること。

・医療機関に必要な情報を文書により提供する。
※電話等で確認した「使用状況、副作用、薬学的な指導内容等」を医療機関へ文書で提供する。
※この加算にかかわる情報提供で、服薬情報等提供料は併算定できない。
※医療機関へ情報提供した文書の写し 又は その内容の要点等を薬歴に記録する。

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