調剤基本料の注4(妥結率50%以下は50%減算)とは【2022改定】

大雑把に言うと、

・妥結率が50%以下の薬局
・妥結率の報告を行っていない薬局
薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務の算定回数が年間10回未満の薬局

は、調剤基本料が50%減算になる という事です。

薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務 とは下記加算のことです。

・時間外加算,休日加算,深夜加算,夜間・休日等加算
・麻薬管理指導加算
・重複投薬・相互作用等防止加算(&在宅の重防も)
・かかりつけ薬剤師指導料,かかりつけ薬剤師包括管理料
・外来服薬支援料1
・服用薬剤調整支援料
・在宅患者訪問薬剤管理指導料,在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料,在宅患者緊急時等共同指導料,居宅療養管理指導費,介護予防居宅療養管理指導費
・退院時共同指導料
・服薬情報等提供料

※年間600回以上の受付回数があって、これらの業務を合計で年10回もやっていないというのは、薬局のあるべき姿ではないというのはよくわかります。通常ありえないレベルですから。



以下、厚生労働省発表資料から、原文の引用です。
※注釈をつけ加える・見出しをつける等の編集は行っていますが、原文そのままを載せています。

調剤報酬点数表からの引用

(調剤基本料 の 注4)

注4 別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。

調剤報酬点数表に関する事項から引用

2 調剤基本料の注4に規定する保険薬局(50%減算)

(1) 以下のいずれかに該当する保険薬局である場合、調剤基本料を 100 分の 50 に減算する。
なお、詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(令和4年3月4日保医発 0304 第3号)を参照すること。

医療用医薬品の取引価格の妥結率が5割以下であること。

イ 医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況を地方厚生(支)局長に報告していない保険薬局

薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的業務を1年間実施していない保険薬局

(2) 当該調剤基本料の減算については、調剤基本料の所定点数を 100 分の 50 にし、小数点以下第一位を四捨五入して計算する。

施設基準(2022)からの引用

三 調剤基本料の注4に規定する保険薬局

次のいずれかに該当する保険薬局であること。

(1) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率(医科点数表の初診料の注4に規定する医療用医薬品の取引価格の妥結率をいう。以下同じ。)が五割以下であること

(2) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率(卸売販売業者(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第三十四条第五項に規定する卸売販売業者をいう。以下同じ。)と当該保険薬局との間で取引された医療用医薬品に係る契約に占める、 品目ごとに医療用医薬品の価値を踏まえて価格を決定した契約の割合をいう。)及び一律値引き契約(卸売販売業者と当該保険薬局との間で取引価格が定められた医療用医薬品のうち、一定割合以上の医療用医薬品について総価額で交渉し、総価額に見合うよう当該医療用医薬品の単価を同一の割合で値引きすることを合意した契約をいう。)に係る状況について、地方厚生局長等に報告していない保険薬局であること。

(3) 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を一年間実施していない保険薬局(処方箋の受付回数が一月に六百回以下の保険薬局を除く。)であること。

薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務」であるこれらを年間10回も算定していない薬局が当てはまります。

・薬剤調製料の時間外加算、休日加算及び深夜加算並びに夜間・休日等加算
・服薬管理指導料の麻薬管理指導加算
・調剤管理料の重複投薬・相互作用等防止加算
・在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料
・かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料
・外来服薬支援料1
・服用薬剤調整支援料
・在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料及び在宅患者緊急時等共同指導料並びに居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費を算定するに際して実施する業務
・退院時共同指導料
・服薬情報等提供料

上記いずれかに当てはまると、調剤基本料が本来の点数の半分になります。

特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて より引用

第 91 調剤基本料の注4に規定する保険薬局

調剤基本料を 100 分の 50 に減算

1 次のいずれかに該当する保険薬局は「注4」の規定により、調剤基本料を 100 分の 50 に減算する。

(1) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率が5割以下であること。

(2) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況について、地方厚生(支)局長等に報告していない保険薬局であること。

(3) 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局であること。ただし、処方箋の受付回数が1月に 600 回以下の保険薬局である場合を除く。

妥結率等に関する留意点

2 妥結率等に関する留意点

(1) 保険薬局と卸売販売業者との価格交渉においては、厚生労働省「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」に基づき、原則として全ての品目について単品単価契約とすることが望ましいこと、個々の医薬品の価値を無視した値引き交渉、医薬品の安定供給や卸売業者の経営に影響を及ぼすような流通コストを全く考慮しない値引き交渉を慎むこと等に留意するとともに、医薬品価格調査の信頼性を確保する観点から定めているものであり、「妥結率」、「単品単価契約率」及び「一律値引き契約に係る状況」については以下のとおりとする。

ア 「妥結率」の報告における妥結とは、取引価格が決定しているものであり、契約書等の遡及条項により、取引価格が遡及し変更することが可能な場合には未妥結とする。また、取引価格は決定したが、支払期間が決定しないなど、取引価格に影響しない契約事項が未決定の場合は妥結とする。

※ 妥結率の計算については、下記のとおりとする。
妥結率=卸売販売業者(医薬品医療機器等法第 34 条第3項に規定する卸売販売業者をいう。)と当該保険薬局との間での取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額(各医療用医薬品の規格単位数量×薬価を合算したもの)/当該保険薬局において購入された医療用医薬品の薬価総額

イ 「単品単価契約率」における単品単価契約とは、品目ごとに医療用医薬品の価値を踏まえて価格を決定した契約をいう。
※ 単品単価契約率の計算については、下記のとおりとする。
単品単価契約率=単品単価契約に基づき取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額/卸売販売業者と当該保険薬局との間での取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額

ウ 「一律値引き契約に係る状況」における一律値引き契約とは、「卸売販売業者と当該保険薬局との間で取引価格が定められた医療用医薬品のうち、一定割合以上の医療用医薬品について総価額で交渉し、総価額に見合うよう当該医療用医薬品の単価を同一の割合で値引きすることを合意した契約」をいう。この場合、一定割合以上とは、以下の計算により得られた割合が5割以上であることとし、全ての医療用医薬品が一律値引きにより価格決定した場合を含むものとする。
また、一律値引き契約に係る状況については、一律値引き契約の該当の有無及び該当有りとした場合にあっては、取引卸売販売業者ごとの当該契約における値引き率(薬価と取引価格(税込み)との差を薬価で除し、これに 100 を乗じて得た率をいう。)を報告すること。

※ 一律値引き契約における割合の計算については、下記のとおりとする。
総価額で交渉し、総価額に見合うよう当該医療用医薬品の単価を同一の割合で値引きすることを合意した契約に基づき取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額/卸売販売業者と当該保険薬局との間で取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額

(2) 妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況について、別添2の様式 85 により、毎年 10 月1日から 11 月末日までに、同年4月1日から9月 30 日までの期間における実績を地方厚生(支)局長へ報告することとし、11 月末日までの報告に基づく調剤基本料は、翌年4月1日から翌々年3月末日まで適用する。

3 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務に関する留意点

「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務」

(1) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務」は、以下のものをいう。
・薬剤調製料の時間外加算、休日加算及び深夜加算並びに夜間・休日等加算
・服薬管理指導料の麻薬管理指導加算
・調剤管理料の重複投薬・相互作用等防止加算
・在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料
・かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料
・外来服薬支援料1
・服用薬剤調整支援料
・在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料及び在宅患者緊急時等共同指導料並びに居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費を算定するに際して実施する業務
・退院時共同指導料
・服薬情報等提供料

「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」

(2) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」は、1年間の(1)に掲げる業務の算定が合計 10 回未満のものが該当する。ただし、特別調剤基本料を算定する保険薬局においては合計 100 回未満のものが該当する。

「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」への該当性判断

(3) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」への該当性は、前年3月1日から当年2月末日までの1年間の実績をもって判断する。該当する場合は当年4月1日より翌年3月末日までの間は、調剤基本料の注4で定める点数で算定する。ただし、前年3月1日から当年2月末日までに指定された保険薬局の場合は、3の(1)に掲げる業務の算定回数が、(2)に掲げる年間の実績基準(10 回又は 100 回)を 12 で除して得た数に当年2月末までの調剤基本料を算定した月数を乗じて得た数以上であれば、「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当しないものとする。

「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当した場合

(4) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当した場合であっても、当年4月1日から翌年3月末日までの期間中に、(1)に掲げる業務を合計 10 回(特別調剤基本料を算定する保険薬局においては合計 100 回)算定した場合には、算定回数を満たした翌月より「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当しない。

処方箋の受付回数が1月に 600 回を超えるか否かの取扱い

(5) 処方箋の受付回数が1月に 600 回を超えるか否かの取扱いについては、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数に準じて取り扱う。

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