ランソプラゾールOD錠を簡易懸濁する時には温湯の温度にも気をつけないといけません。(タケプロンOD錠)

ヒヤリ・ハット事例収集

簡易懸濁時の水(温湯)の温度に注意

ランソプラゾールOD錠(タケプロンOD錠)を簡易懸濁する時には、その溶かす水(温湯)の温度に気をつけないといけません。
なぜなら、チューブを詰まらせてしまう可能性があるからです。

添加物にマクロゴール6000が含まれているから

なぜチューブを詰まらせてしまう可能性があるかと言うと、ランソプラゾールOD錠(タケプロンOD錠)には、添加物としてマクロゴール6000が含まれているからです。

※画像(表)は、タケプロンOD錠(ランソプラゾール)の添付文書より引用
2020年1月改訂(第1版)

通常、簡易懸濁法では錠剤やカプセルをそのままor少し亀裂を入れて温湯(55℃のお湯)に溶かして、経管投与します。

マクロゴール6000の凝固点は56~61℃ですので、簡易懸濁に使用するお湯の温度が55℃よりも少し高めになっていると融解して、その後温度が下がると再び凝固してチューブを詰まらせてしまう可能性があります。

55℃以下になってから溶かすor別で水で溶かす

対処法として、簡易懸濁法でランソプラゾールOD錠を溶かす際には、まず他薬は55℃の温湯で溶かし、湯の温度が55℃より低くなってからランソプラゾールOD錠を入れる という方法があります。
ランソプラゾールOD錠は冷たい水でも崩壊しますからね。

また、ランソプラゾールだけは水(冷たすぎない体温程度の)で別で懸濁して投与しても良いですね。

簡易懸濁法を行う際は各薬剤の情報収集が大切

ランソプラゾールOD錠の例のように、簡易懸濁法を行う際は、通常の調剤時とは違った視点で添付文書等を確認することが大切です。

このような所でも薬剤師の専門性を発揮してゆかないといけませんね。

[情報ソース]
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の、共有すべき事例「2020年No.4事例2」で紹介されていました。
当サイトでも、共有させていただきました。

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