2018年4月1日から、後発医薬品置き換え率の計算から除外される先発医薬品・後発医薬品が新しく変わりましたので、情報を整理しておきます。
※厚生労働省のページの情報は随時更新されています。正しい情報は厚生労働省のページで収集してください。
後発医薬品の数量シェア(置換え率)の計算方法
厚生労働省のページに計算方法および、先発医薬品および後発医薬品のリストが載っています。
まずは、厚生労働省のページからの引用です。
※厚生労働省のページより引用
各先発医薬品における後発医薬品の有無及び後発医薬品について、1:後発医薬品がない先発医薬品(後発医薬品の上市前の先発医薬品等)、2:後発医薬品がある先発医薬品(先発医薬品と後発医薬品で剤形や規格が同一でない場合等を含む。ただし、全ての後発医薬品が経過措置として使用期限を定められている場合を除きます。後発医薬品と同額又は薬価が低いものについては、「☆」印を付しています。)と3:後発医薬品(先発医薬品と同額又は薬価が高いものについては、「★」印を付しています。)として分類しています。なお、昭和42年以前に承認・薬価収載された医薬品及び平成30年度診療報酬改定における「基礎的医薬品」の対象成分については、「各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報」は空欄となっています。
「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」(厚生労働省平成25年4月5日)に基づく後発医薬品の数量シェア(置換え率)※における『後発医薬品のある先発医薬品』が2で分類される品目であり、『後発医薬品』が3で分類される品目であるため、置換え率を算出する際には、こちらの情報をご活用ください。※後発医薬品の数量シェア(置換え率)=〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先発医薬品の数量〕+〔後発医薬品の数量〕)
=〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕/(〔2で分類される品目の数量(☆を除く)〕+〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕)
上記を大雑把に要約すると、薬を下記5種類に分類して計算するという事。
1:後発医薬品がない先発医薬品
2:後発医薬品がある先発医薬品
3:後発医薬品
☆:分母にも分子にも入らない先発医薬品
★:分母にも分子にも入らない後発医薬品
(☆★を分母分子から除外する理由:先発と後発の薬価差がほぼない等の理由から)
これだけわかれば、引用部分最下部の計算式も
後発医薬品置換え率=〔3-★〕÷(〔2-☆〕+〔3-★〕)
シンプルになり、理解しやすくなります。
※この記事トップの画像も、この計算式の事を示していますので、良ければ再度ご確認下さい。
そして、厚生労働省のページ
ここの「5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)」にて、現在医療用医薬品として薬価基準に収載されている約1万6千品目について2018年4月1日時点での「1,2,3,☆,★」を示したデータがありますので、正式なデータをご確認下さい。
☆,★は取り上げられる程度の量だったので下記に示しておきます。
☆:分母にも分子にも入らない先発医薬品
厚生労働省発表のデータから☆だけを抜き出して、五十音順に並べ替えておきました。
(※2018年4月1日時点の情報です)
☆:分母にも分子にも入らない先発医薬品 |
---|
アクチット輸液 |
アコニップパップ70mg |
アストミン錠10mg |
アフタッチ口腔用貼付剤25μg |
アルピニー坐剤100 |
アルピニー坐剤50 |
アンヒバ坐剤小児用100mg |
アンヒバ坐剤小児用50mg |
イソバイドシロップ70%分包20mL |
イソバイドシロップ70%分包30mL |
インテナースパップ70mg |
ウルトラテクネカウ |
エスポー注射液750 |
カロナール坐剤100 |
カロナール坐剤小児用50 |
ソセゴン注射液15mg |
ダイアニール-N PD-2 1.5腹膜透析液 |
ダイアニール-N PD-4 1.5腹膜透析液 |
ダイアニール-N PD-4 2.5腹膜透析液 |
パセトシンカプセル125 |
バソレーターテープ27mg |
ペンタジン注射液15 |
ポタコールR輸液 |
マルトス輸液10% |
ミニトロテープ27mg |
メトグルコ錠250mg |
ラニラピッド錠0.05mg |
レキソタン錠1 |
レスミット錠2 |
レスミット錠5 |
ローヘパ透析用100単位/mLシリンジ20mL |
ローヘパ透析用150単位/mLシリンジ20mL |
ローヘパ透析用200単位/mLシリンジ20mL |
ローヘパ透析用500単位/mLバイアル10mL |
※太字は私が個人的に「街の薬局でも取り扱う可能性が高い」と思う薬剤で、深い意味はありません。
★:分母にも分子にも入らない後発医薬品
厚生労働省発表のデータから★だけを抜き出して、五十音順に並べ替えておきました。
(※2018年4月1日時点の情報です)
★:分母にも分子にも入らない後発医薬品 |
---|
アクマルト輸液 |
アセトアミノフェン坐剤小児用100mg「JG」 |
アセトアミノフェン坐剤小児用100mg「TYK」 |
アセトアミノフェン坐剤小児用100mg「日新」 |
アセトアミノフェン坐剤小児用50mg「JG」 |
アセトアミノフェン坐剤小児用50mg「TYK」 |
アセトアミノフェン坐剤小児用50mg「日新」 |
アフタシール25μg |
アモリンカプセル250 |
イソソルビド内用液70%分包30mL「CEO」 |
エスロンB注 |
エポエチンアルファBS注750「JCR」 |
オペガンハイ0.85眼粘弾剤1% |
オペリードHV0.85眼粘弾剤1% |
ケトチフェンシロップ0.02%「日医工」 |
ジキリオンシロップ0.02% |
ジメモルファンリン酸塩錠10mg「TCK」 |
ステイセーフバランス 1/1.5 腹膜透析液 |
ステイセーフバランス 1/2.5 腹膜透析液 |
ステイセーフバランス 2/1.5 腹膜透析液 |
スロービッドカプセル100mg |
スロービッドカプセル200mg |
セニラン錠1mg |
ソルマルト輸液 |
ソルラクトTMR輸液 |
テオロング錠100mg |
テオロング錠200mg |
トスパリール注15 |
ニソリM注 |
パラセタ坐剤100 |
パラセタ坐剤小児用50 |
ペンライブ注 |
マドロス輸液10% |
ミニヘパ透析用100単位/mLシリンジ20mL |
ミニヘパ透析用150単位/mLシリンジ20mL |
ミニヘパ透析用200単位/mLシリンジ20mL |
ミニヘパ透析用500単位/mLバイアル10mL |
メジテック |
メダゼパム錠2(ツルハラ) |
メダゼパム錠5(ツルハラ) |
メチルジゴキシン錠0.05mg「タイヨー」 |
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「DSEP」 |
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「JG」 |
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「TCK」 |
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「TE」 |
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「トーワ」 |
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「ニプロ」 |
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「ファイザー」 |
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「三和」 |
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「日医工」 |
メニレット70%ゼリー20g |
メニレット70%ゼリー30g |
ラクトリンゲルM注「フソー」 |
ワプロン口腔用貼付剤25μg |
※太字は私が個人的に「街の薬局でも取り扱う可能性が高い」と思う薬剤で、深い意味はありません。
基礎的医薬品について
後発医薬品置き換え率=〔3-★〕÷(〔2-☆〕+〔3-★〕)
1:後発医薬品がない先発医薬品
2:後発医薬品がある先発医薬品
3:後発医薬品
☆:分母にも分子にも入らない先発医薬品
★:分母にも分子にも入らない後発医薬品
それで「基礎的医薬品」は1,2,3,☆,★どれに該当するの?
ですが、基礎的医薬品は1,2,3,☆,★どれにも該当しません。
基礎的医薬品は、後発医薬品置き換え率を「下げる」のにも「上げる」のにも関与しません。
根拠は下記引用部分。
※厚生労働省のページより引用
昭和42年以前に承認・薬価収載された医薬品及び平成30年度診療報酬改定における「基礎的医薬品」の対象成分については、「各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報」は空欄となっています。
基礎的医薬品は「空欄」つまり、1,2,3,☆,★ 以外である。計算には組み入れない。という事。
(基礎的医薬品についてより掘り下げた記事)
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※最後に
自身の知識の整理として、書き残しています。解釈が間違っている部分があるかもしれません。正しくは、厚生労働省等の公式発表の情報を参照してください。当サイトの情報は「参考程度」に留めておいてください。当サイトでは、取り上げた情報により生じた健康被害等の責任は一切負いません。
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