営業時間外の薬剤の受け渡し、服薬指導後なら機械でOK?-グレーゾーン解消制度

法律・ルール

2018/6/1経済産業省より、グレーゾーン解消制度に係る事業者からの照会に対し回答がありました。

その内容が『薬局における営業時間外の薬剤の受け渡しサービスの導入に係る医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の取り扱い』という、画期的な内容でした。

正式な情報は、経済産業省のこちらのページをご覧下さい。

しかしこのページ、図もすごく小さいですし、私にはわかりずらかったですので、要約してゆきます。


まずは、経済産業省のページより原文を引用

※経済産業省のページより引用

今般、事業者より、薬局において患者から処方せんを受け取り、薬剤師があらかじめ、他の薬剤の使用状況等を確認し、処方内容を監査(疑義があれば医師に疑義照会)した上で、対面で患者への服薬指導等を実施した後、薬剤師が問題ないと判断した場合には、調剤した薬剤を自動搬入・払出装置に保管した上で、患者本人への確実な授与が確保されるピックアップターミナルを介して薬剤を受け渡すサービスについて、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」)第8条(管理者の義務)の規定に抵触するか否か、照会がありました。

規制を所管する厚生労働省に確認したところ、照会の事業では、調剤された薬剤の患者への授与にあたり、薬剤師による患者への直接の授与と同視しうる程度に、当該薬剤の品質の保持や、患者本人への確実な授与を確保するとしていることから、医薬品医療機器等法第8条の規定に抵触しない旨の回答がありました。

これにより、医薬品医療機器等法における取扱いがより明確となり、薬局における営業時間外の薬剤の受け渡しにおける新たなビジネスモデルとして本サービスの導入が進むことで、薬局の業務効率と利用者の利便性の向上が期待されます。

ちょっとわかりにくいですよね、かみ砕いてゆきます。

 

番号をつけて要約

上記引用部分を、流れがわかりやすいように番号をつけてゆくと下記のようになります。

A薬局において患者Bから処方せんを受け取る

薬剤師Cが患者Bの他の薬剤の使用状況等を確認、処方内容を監査(疑義があれば医師に疑義照会)し、対面で患者への服薬指導等を実施

患者Bは服薬指導等のみをうけて薬局を出る

薬剤師が(以降の行為を)問題ないと判断

調剤した薬剤を自動搬入・払出装置に保管

患者Bが薬局の営業時間外に来局(薬局は閉まっているし、中に誰も残っていない)

患者Bは薬局Aの外壁に設置してあるピックアップターミナル(という機械)を介して薬を受け取る

この一連の行為は、医薬品医療機器等法第8条の規定には抵触しませんよ。というのが、今回のグレーゾーン解消制度の内容です。

 

患者さんからすれば、調剤の待ち時間を一旦外にでて有意義に過ごすことができ、もしも薬局の営業時間内に再来局することができなかったとしても大丈夫という、安心が得られます。新しいサービス・新しいビジネスモデルになりそうです。

 

実際の運用を考える

導入しにくそうな構造の薬局

実際の運用を考えると、現在このような構造になっている薬局は、この『自動搬入・払出装置』および『ピックアップターミナル』の導入は大掛かりになり、難しそうです。

それでも、無理やり設置すると下記のような感じになるでしょうか、

 

導入しやすそうな構造の薬局

このような構造の薬局とか

 

他には、このような構造の薬局も導入しやすそうです。




まとめ

このサービスによって、患者さんは薬局の営業時間外でも薬剤の受け取りができるようになる。

・薬局の業務効率向上が期待される

・患者さんの利便性の向上が期待される

我々、中小薬局も時代の流れに取り残されないようにしないといけませんね。

 

最後に

当記事は自身の知識の整理のために経済産業省の発表した情報をまとめたものです。正しくは、公的機関の正式発表資料を参照してください。また、当サイトは自信をもって正しいと考える情報のみを載せていますが、法律や制度が変更された事により、当サイトが伝えている情報が誤った内容になっている可能性もあります。当サイトの情報は「参考程度」に留めておいてください。当サイトでは、取り上げた情報により生じた損害や健康被害等の責任は一切負いません。

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