【2018年流行】風疹とは 症状,潜伏期間,予防方法,治療方法を再確認

薬・治療・病態 各論

首都圏では2018年8月現在風疹が流行しています。
患者数は昨年の2倍
大変気を付けないといけない状況である。 と2018/8/28国立感染症研究所が発表しました。

我々薬剤師も、感染拡大防止・被害拡大防止のために、風疹について再確認しておきましょう。

※国立感染症研究所-首都圏における風疹急増に関する緊急情報(2018/8/28) より引用
2018 年第 1~33 週の風疹患者累積報告数は 184 人となり、2015~2017 年の同時期における報告数を超え、さらに 2016 及び 2017 年の年間累積報告数を超えた。過去には 2013年に 14,344 人の患者が報告され、この流行に関連した先天性風疹症候群が 45 人確認されている。



風疹とは~風疹の基本情報~

風疹とは、ウイルスが原因で起こり、主な症状は「発熱・発疹・リンパ節の腫れ」です。

特に注意が必要なのが「妊婦」さんです。
妊婦が風疹に感染してしまうと、生まれてくる赤ちゃんが「先天性風疹症候群」を発症してしまうおそれがあります。

※国立感染症研究所のページより引用
風疹(rubella)は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、臨床症状のみで風疹と診断することは困難な疾患である。
風疹に感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群を発症する可能性がある。
男女ともがワクチンを受けて、まず風疹の流行を抑制し、女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが重要である。

先天性風疹症候群 とは

妊娠中に感染すると赤ちゃんが「心疾患」「難聴」「白内障」などを持って生まれてくる危険性があります。
風疹に妊娠前期に感染したか,妊娠後期にしたかによっても、症状は変わってきます。

※国立感染症研究所のページより引用
妊娠中の感染時期により重症度、症状の種類が様々である。先天異常として発生するものとしては、先天性心疾患(動脈管開存症が多い)、難聴、白内障、色素性網膜症などが挙げられる。
先天異常以外に新生児期に出現する症状としては、低出生体重、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、黄疸、間質性肺炎、髄膜脳炎などが挙げられる。
また、進行性風疹全脳炎、糖尿病、精神運動発達遅滞などが見られることがある。

 

風疹は感染したらすぐ発症するの?

風疹には2~3週間の潜伏期間があります。
また、不顕性感染(知らないうちにかかって、知らないうちに治っている)方も15~30%程おられます。

※国立感染症研究所のページより引用
感染から14〜21日(平均16〜18 日)の潜伏期間の後、発熱、発疹、リンパ節腫脹(ことに耳介後部、後頭部、頚部)が出現するが、発熱は風疹患者の約半数にみられる程度である。また不顕性感染が15(~30)%程度存在する。3徴候のいずれかを欠くものについての臨床診断は困難であることに加え、溶血性連鎖球菌による発疹、伝染性紅斑、修飾麻疹、エンテロウイルス感染症、伝染性単核球症など似た症状を示す発熱発疹性疾患や薬疹との鑑別が必要になり、確定診断のためには検査室診断を要する。

 

風疹はどうやってうつるの?どうやって感染予防するの?

風疹は大変感染力が強いです。
「くしゃみ」などの飛沫でうつります。

予防方法
くしゃみなどの飛沫が口や鼻の周りにつかないように「マスクをする」
くしゃみなどの飛沫が付いた手で飲食等しないように「手洗いをする」
くしゃみなどの飛沫が咽喉についても排出するために「うがいをする」

 

風疹の治療方法は?

風疹に「特効薬」はありません。
発熱の症状には、解熱薬を使う。
関節炎の痛みには、抗炎症薬・痛み止めを使う。
と、いった症状をやわらげるための対症療法がとられます。

 

風疹の予防のワクチンは?

風疹予防のワクチンはあります。
2018年現在は、MR(麻疹・風疹)混合ワクチンが定期接種に導入されていますので、1歳と小学校入学前1年間の幼児(6歳になる年度)の2回接種することになっています。

しかし、1979年4月2日~1987年10月1日生まれの男女 はワクチン接種を受けていない可能性があるので、特に注意が必要です。
(下記引用を参照)

※国立感染症研究所のページより引用
我が国では1977年8月~1995年3月までは中学生の女子のみが風疹ワクチン定期接種の対象であった。1994年の予防接種法改正により、1995年4月からその対象は生後12カ月以上〜90カ月未満の男女(標準は生後12カ月〜36カ月以下)に変更になった。また経過措置として、12歳以上〜16歳未満の中学生男女についても接種の対象とされた。学校での集団接種は保護者同伴で医療機関を受診して受ける個別接種に変更となり、幼児の接種率は比較的高かったが、中学生での接種率は激減した。これを受けて、2001年11月7日~2003年9月30日までの期間に限って、1979年4月2日~1987年10月1日生まれの男女はいつでも定期接種(経過措置分)として受けられる制度に変更になったが、対象者にこの情報は十分に伝わらず、接種率上昇には繋がらなかった。

2006年度からMR(麻疹・風疹)混合ワクチンが定期接種に導入され、1歳と小学校入学前1年間の幼児(6歳になる年度)の2回接種となった。また、2007年に10~20代を中心とした麻疹の全国流行を受けて、2008年度~2012年度の時限措置として、中学1年生(13歳になる年度)あるいは高校3年生相当年齢(18歳になる年度)の者を対象に、2回目の定期接種が原則MRワクチンで行われることとなった。2回目の接種機会は、生年月日により、小学校入学前1年間(第2期)、中学1年生(第3期)、高校3年生相当年齢(第4期)の違いがあるが、第4期の接種率は特に大都市圏で低かった。


最後に

当記事は国立感染症研究所の情報を基に,薬剤師筆者自身の知識の整理のために書いた記事です。正しくは、国立感染症研究所のページを参照してください。また、当サイトはあくまで一般的な注意点や説明や内容を記載しています。実際はその方の年齢や性別、その他合併症、併用薬の有無など、個人によって治療方法が異なります。当サイトの情報は「参考程度」に留めておいてください。当サイトでは、取り上げた情報により生じた健康被害等の責任は一切負いません。

他にも色々と書いています

コメント