調剤後薬剤管理指導料(慢性心不全)の算定要件を簡単に確認しておきます。
確認の前に、非常に大雑把にこの加算を要約すると
「心疾患での入院歴のある患者さんが、再び心疾患で入院することを防ぐための加算」です。
調剤後薬剤管理指導料(慢性心不全)の算定要件のおさらい
・算定ができる薬局は
地域支援体制加算(1~4)の届け出を行っている薬局のみです。
・対象患者は
心疾患による入院歴があり、作用機序の異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者さんです。
[参考]
・ARB、ACE阻害剤
・β1受容体遮断薬
・MRA(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)
・SGLT2阻害薬
・ARNI(エンレスト錠など)
等の組み合わせ
・算定要件は
①医師の指示 または 患者等の求め に応じて
②調剤後の別日に電話等により、その使用状況、副作用の有無について患者等に確認し薬学的指導を行い
③その結果等を医療機関に文書で情報提供すること。
・算定できる点数は60点です。
連携の取り組みイメージ
連携の取り組みイメージについても、厚生労働省が示している代表例があるので、確認しておきます。
心疾患で入院していた患者さんが退院する際に、薬局は医療機関から情報をもらいます。
その情報に基づいて、薬局は退院後に継続した患者フォローアップを実施します。
こうすることで、患者さんの心不全等の 悪化や再入院 の回避につなげます。
滋賀県の事例を参考にすると
医療機関(病院)は、
「心不全フォローアップシート」と「薬剤管理サマリー」を薬局へ発行します。
薬局は
来局時に「心不全フォローアップシート」を用いて療養指導を継続します。
調剤後にはフォローアップを行い、そこで得られた情報を医療機関へ情報提供します。
「心不全フォローアップシート」にはこのような項目があります。
1、薬の飲み忘れの有無
2、塩分過剰摂取の有無
3、過労の有無
4、禁煙の実施
5、節酒の実施
6、体重測定の有無
7、浮腫の確認
8、労作時の息切れの確認
9、BNPの推移
10、心不全増悪時の受診目安の理解
私たち薬局薬剤師で、患者さんの心疾患の悪化・再入院を防ぎましょう!
<関連ページ>
(外部サイト)日本心不全学会 と 日本薬剤師会の合同で作成した、薬剤師向けの手引書です。
『薬剤師による心不全服薬管理指導の手引き』
(外部サイト)滋賀県の医療センターのこちらのページのPDFファイルを参照することも強くおすすめします
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