薬局薬剤師をしていると患者さんから
「セントジョーンズワートとの併用がダメと書いてあるのですが、何に入っているのですか?」
「セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)って何ですか?」
と質問を受ける事がたまにあります。
結論から言うと、日本で普通に生活していてセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を、それと知らずに口に入れる機会はまずありません。
最近たて続けにセントジョーンズワートについて質問をされる事がありましたので、自身の知識の整理のためにも書きまとめておきます。
※ちなみに、トップの画像がセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)です。
セントジョーンズワートは野草(毒草)である
セントジョーンズワートは「野草」です。
メリット(薬効)は無いのに、デメリット(薬物との相互作用)はあるという観点から言うと「毒草」とも言えます。
(実際,毒草として規制して扱っている国も数多くあります。)
セントジョーンズワートは、ヨーロッパやアメリカなど多くの地域で野生化している植物です。
日本ではハーブ(食品)として扱われる事もありますが、私たちが日常生活する上で知らないうちに接種してしまうような事はまずありません。
(多くの薬物との相互作用があり、厚生労働省が注意喚起もしているので、普通の食品会社はこれを扱いません。)
(CYP3A4という代謝酵素を誘導する)
接種してしまう可能性があるとしたら、セントジョーンズワートと大きく表示されたサプリメントを買ってしまう場合くらいでしょうか
セントジョーンズワートに薬効などないので買ってはいけない
もし、私が家族に「このセントジョーンズワートのサプリメントを買おうか迷ってるけどどう思う?」と聞かれたとしたら、私は間違いなくこう言います。
「セントジョーンズワートに薬効などないので買ってはいけない」
その根拠は、下記のとおりです。
「日本(厚生労働省)では、薬効があると表示することを法律(薬事法)で禁止している。」
また
「アメリカ(食品医薬品局(FDA)でも、薬(市販薬・処方薬ともに)として承認されていない。」
薬効がある”風”な表示に騙されてはいけない
セントジョーンズワートのカプセル型食品のパッケージや販売ページをみると次のような表示があります。
こんな方におすすめ
いつも笑顔で過ごしたい
気分がすっきりしない
ダイエット中でガマンが多い
ポジティブに毎日を送りたい
更年期を快適に過ごしたい
落ちこみやすい
「こんな効果があります」と嘘の表示すると薬事法に引っかかってしまうので、「こんな方におすすめ」という薬事法に触れるか触れないかのギリギリの表示をして、消費者を勘違いさせようとしています。
薬効がある”風(ふう)”な表示に騙されてはいけません。
結論
・セントジョーンズワートは野草(毒草)である
・セントジョーンズワートに薬効などないので買ってはいけない
・薬効がある”風(ふう)”な表示に騙されてはいけない
そして、CYP3A4という代謝酵素(薬物を変化させる酵素)を誘導する(無駄にパワーアップさせる)というデメリットがあるので、薬を服用している方はなおさらセントジョーンズワートは口にしてはいけません。
最後に
繰り返しになりますが
現時点で(2019年現在)日本(厚生労働省)では、セントジョーンズワートに薬効があると表示することは法律(薬事法)で禁止されています。
セントジョーンズワートは毒草です。
コメント