バルトレックス錠(バラシクロビル錠)は腎機能が低下した患者には投与量を減量すべき薬剤

ヒヤリ・ハット事例収集

添付文書上、腎機能が低下した患者には投与量を減量することや慎重に投与することが記載されている薬剤を常用量で投与し、患者に影響があった事例を「日本医療機能評価機構」が紹介してくれています。

その資料からの引用となりますが、当サイトでも微力ながら注意喚起・情報拡散に協力させていただきます。

事例

医師は、夜間に外来を受診した帯状疱疹の患者にバルトレックス錠を処方することにした。

病歴から患者が透析を受けていることは把握していたが、減量する必要があることを認識しておらず、通常の用法・用量のバルトレックス錠500mg 1回2錠 1日3回を処方した。

2日後、患者は呂律が緩慢になり幻視を認めたため、入院となった。

事例が発生した医療機関の取り組み

・医師は、処方する前に患者の腎機能を把握し、患者の腎機能に応じた用量で処方する。
・薬剤師は、腎で代謝・排泄される薬剤を調剤する際は、患者の腎機能を確認する。

 

他にも

・シベノール錠100mg(不整脈治療剤)
・ピルシカイニド塩酸塩カプセル(不整脈治療剤)
・クラビット錠500mg(広範囲経口抗菌製剤)
・エディロールカプセル0.75μg(骨粗鬆症治療剤)(活性型ビタミンD3製剤)

他にもこれらも、添付文書上、腎機能が低下した患者には投与量を減量することや慎重に投与することが記載されている薬剤で、『2014年1月1日~2018年10月31日』の間に腎機能が低下した患者さんに使用することで、健康被害が起こってしまったと報告されています。



情報引用元

公益財団法人日本医療機能評価機構|医療事故情報収集等事業:医療安全情報
本事業は、医療機関から報告された医療事故情報やヒヤリ・ハット事例を、収集、分析し提供することにより、広く医療機関が医療安全対策に有用な情報を共有するとともに、国民に対して情報を公開することを通じて、医療安全対策の一層の推進を図ることを目的としています。

日本医療機能評価機構」のこちら⇧のページの、『薬剤 No.145: 「腎機能低下患者への薬剤の常用量投与」(PDF形式)』というファイルです。誰でも見ることができます。

 

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