褥瘡治療薬としてのアクトシン軟膏

褥瘡治療薬としてのアクトシン軟膏の特徴としては、主には下表に示した通りです。
アクトシン軟膏3%
使用目的 肉芽形成促進,表皮形成促進
基材 水溶性軟膏(親水性基剤)
特徴 吸湿性が強い.血流改善効果あり.上皮形成促進
使い分け 滲出液が比較的多い創向き
注意点 創の収縮作用が強い
アクトシン軟膏の基剤は マクロゴール軟膏で 親水性基剤です。 マクロゴール軟膏は 親水性基剤の中でも 水溶性基剤に分類され、水分を吸収することにより基剤自体が溶解する性質を持つのが特徴的です。

アクトシン軟膏は 滲出液が比較的多い創に向いています

アクトシン軟膏は(基剤のマクロゴール軟膏が水分を吸収するので)滲出液が比較的多い創への使用が向いています。ですから逆に、滲出液の少ない創では乾燥を過度に進ませてしまうので向いていません。 繰り返しになりますが『アクトシン軟膏は滲出液が少ない創には不適』です。 ※アクトシンよりも吸水性が強いものとしては、ユーパスタコーワ軟膏などがあります。

親水性基剤ではフィルム材などの併用がおすすめ

親水性基剤の薬(アクトシン軟膏など)は、創の水分をどんどんと吸収するため、湿潤を保持するためにフィルム材による被覆などの配慮が必要となります。    

アクトシン軟膏は創の収縮作用が強い

創の収縮作用があるというのは、実は良い事でもあります。創の水分を吸収して、創の大きさを収縮させる(小さくさせる)訳ですから。浅い褥瘡だけでなく深い褥瘡でも創を収縮させ、小さくすることがあります。 直接の上皮形成ではありませんが、上皮形成期に役に立ちます。  

アクトシン軟膏の作用

アクトシン軟膏の主成分であるブクラデシン塩酸塩の作用は、血管拡張作用、皮膚毛細血管内皮細胞増殖作用、表皮細胞増殖作用などです。つまり、上皮化作用です。 水分量が多いく、赤い良性肉芽で盛り上がった褥瘡に用いると上皮化がみられます。

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