メプチンエアーは、気管支拡張剤と呼ばれるグループに属する吸入剤で、気管支に作用し、狭くなった気道を拡げることにより、呼吸を楽にします。
私はこのメプチンエアーの服薬指導のポイントは『(5秒くらいかけて)ゆっくり深く吸い込むこと』だと考えています。
メプチンエアーの基本情報を確認
まずは、メプチンエアーの基本情報を確認しておきます。
※メプチンエアーの添付文書2019年10月改訂(第1版)より引用
4. 効能又は効果
下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫5. 効能又は効果に関連する注意
本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。6. 用法及び用量
プロカテロール塩酸塩水和物として、通常成人1回20μg(2吸入)、小児1回10μg(1吸入)を吸入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。7. 用法及び用量に関連する注意
成人1回2吸入、小児1回1吸入の用法及び用量を守り、1日4回(原則として成人8吸入、小児4吸入)までとすること。
メプチンエアーの正しい吸入のしかた
メプチンエアーの正しい吸入のしかたは、メーカーが作成している、指導せんや、患者向け医薬品ガイドに載っている下記の通りです。
(※メプチンエアー 2019 年 10 月更新の患者向け医薬品ガイドより引用)
・正しい吸入のしかた
①キャップをはずして、
②押しボタンが上になるように容器を正しく持ち、よく振ります。
(悪い例は図1のように押しボタンを下にして持っています。)③吸入口を唇から3~4㎝離して口を大きく開けます(図2)。または、吸入口を歯でかんで、かんだ歯の隙間から空気も同時に吸入できるように口を大きく開けます。この時、お薬を正確に吸入するために空気取り入れ口を唇や指でふさがないでください(図3)。
④息をはいて、息を吸い始めると同時に、押しボタンをしっかり確実に1回押し、お薬をゆっくり深く吸い込みます。片手で押しにくい時は押しボタンを両手で押してください。
⑤お薬を吸い込んだ状態で数秒間、息を止めます。
⑥息をゆっくりはき出します。
⑦2吸入する場合は、1分程度の間をおいて②~⑥の手順を繰り返します。この時、連続して噴霧すると決められた薬液量が噴霧されないことがありますので、押しボタンが戻るまで待ってから吸入してください。
⑧吸入終了後はうがいをするように心がけてください。
⑨使用後はキャップをつけ、必ず携帯袋に入れてください。
上記の④の「お薬をゆっくり深く吸い込みます」の部分。この部分がメプチンエアーの吸入指導で大事なポイントの1つです。
メプチンエアー服薬指導のポイント
メプチンエアー服薬指導のポイントの1つは「ゆっくり深く吸い込む」ことです。
なぜ「ゆっくり深く吸い込む」のが服薬指導のポイントかというと、ここを忘れてしまったり、勢いよく短く吸い込む患者さんが多いからです。
実際に初回の服薬指導を行ったり、吸入薬指導加算で独自のチェックリストを用いながら吸入手技を確認していると、「ゆっくり深く吸い込む」のではなく「勢いよく1秒くらいで吸い込む」患者さんが本当に多いです。
また、メプチンエアーは(息苦しい)発作が起こった時に吸入するので、早く吸って症状を楽にしたいという心理状態もそうさせるのかもしれません。
勢いよく吸っていても効果は得られますが、やはり患者さんには 正しい吸入方法で薬の効果を最大限得て欲しいので、私は具体的な数値を入れて『5秒くらいかけて、ゆっくり深く吸い込むようにしてください』と指導しています。
関連ページ・サイト
大塚製薬のページでは、動画も見ることができます。(外部サイト)
※動画でも5秒くらいかけて吸っていました。
吸入薬指導加算が2020年4月に新設された事で、全国の薬局薬剤師が吸入指導に より熱を入れています。その結果が何らかの目に見える効果が出てくると嬉しいですね。
吸入薬指導加算は「地域支援体制加算要件」の”服薬情報等提供料等の算定回数が保険薬局当たりで 年12 回以上”からは外れましたね。注意が必要です。
他にも色々と書いています。よければ他のページも見て行って下さい。
コメント