パブロン鼻炎カプセルSαは前立腺肥大の症状がある方は飲んではいけないOTC医薬品です。

薬・治療・病態 各論

パブロン鼻炎カプセルSαは前立腺肥大症の方は飲んではいけません。
なぜなら、前立腺肥大が悪化して、排尿困難が更に深刻化する恐れがあるからです。

パブロン鼻炎カプセルSαの添付文書(説明)にもこの様に注意書きがあります。

1.次の人は服用しないでください
(1)本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人。
(2)次の症状のある人。
前立腺肥大による排尿困難
(3)次の診断を受けた人。
高血圧,心臓病,甲状腺機能障害,糖尿病

前立腺肥大だけを大きく取り上げましたが、上記の通り、
高血圧
心臓病
甲状腺機能障害
糖尿病
の方も飲んではいけません。

以下、薬剤師筆者自身の知識の整理のために書きまとめてゆきます。



パブロン鼻炎カプセルSαの基本情報

(15才以上:1日2回,1回2カプセル)

2カプセル中の成分量
塩酸プソイドエフェドリン:60mg
マレイン酸カルビノキサミン: 6mg
ベラドンナ総アルカロイド:0.2mg
無水カフェイン:50mg

 

塩酸プソイドエフェドリン とは

塩酸プソイドエフェドリンは、早い話が 鼻づまりを抑える薬(成分) です。

塩酸プソイドエフェドリンは、α受容体を刺激し、鼻粘膜の血管平滑筋を収縮させ、血流を減少させることにより、鼻粘膜の充血や腫脹を軽減し、強い鼻閉改善効果を示す。

医療用医薬品でいうと、ディレグラ配合錠にもこの”塩酸プソイドエフェドリン”は配合されています。
(ディレグラ配合錠 1錠中の成分量)
フェキソフェナジン塩酸塩30mg
塩酸プソイドエフェドリン60mg

ちなみにディレグラ配合錠のアレルギー性鼻炎に対する用法は、
成人(&12歳以上の小児)には1回2錠を1日2回、朝・夕の空腹時に服用。
4錠/日でしたね。

 

マレイン酸カルビノキサミン とは

マレイン酸カルビノキサミンは、抗ヒスタミン薬です。
別名で「シベロン」と呼ばれることもあります。

抗ヒスタミン薬ですから、皮膚のかゆみや蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに対して用いられます。

 

ベラドンナ総アルカロイド とは

ベラドンナ総アルカロイドは抗コリン作用を発揮する成分(副交感神経を遮断する成分)です。

副交感神経から出るアセチルコリンによる刺激が鼻水を出させるので、ここをブロック(遮断)することで鼻水をおさえます。

(※コレが入っているから、前立腺肥大の方は飲んではいけない。)

 

無水カフェイン とは

無水カフェインとは、早い話がカフェインの事です。
はい。コーヒー等に入っているといわれるソレです。
カフェインから水(H2O)を抜いたものです。
化学者(科学者)以外は、無水カフェイン≒カフェインという認識で問題ありません。

カフェインには、覚醒作用のほかに、鎮痛作用、脳細動脈収縮作用、利尿作用もあるとされています。
どれも、パブロン鼻炎カプセルSαを飲む目的である「鼻水を抑える」にはあまり関係ありませんよね。

はい。これは”覚醒作用“ つまり ”なんとなく元気になった気がする作用“ を期待して配合されています。
パブロンシリーズだけではなく、一般用(OTC)医薬品のいわゆる総合感冒薬にはよく配合されている成分ですね。

栄養ドリンクにもよく配合されていますね。
なぜなら”なんとなく元気になった気がする作用“があるからです。



最後に

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