『点眼・点鼻用リンデロンA液が点耳の指示で処方された?』間違いが多く報告されている注意すべき事例。

ヒヤリ・ハット事例収集

正直言うと私も、何度か「ヒヤリ」とした事のある事例です。
お渡しする前、そしてお渡しする際によく聞き取って、よくよく確認しても、後で「逆でお渡ししてませんか?」と言われると「ヒヤリ」とします。
具体的な対策を立てることが大切だと思える事例です。

※ちなみに当薬局では「ヒヤリ」とした際に後からでも確認できるよう、画像でも調剤の記録を残すシステムにしています。



薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 からの引用

薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業,共有すべき事例,2018年No.2 事例2からの引用です。

 

事例

【事例の内容】
点眼・点鼻用リンデロンA液が点耳の指示で処方された。点眼・点鼻用リンデロンA液の用法がへの使用のみであることに気付かず、処方通りに調剤し交付した。交付後、疑義照会すべきであったことに気付き処方医に疑義照会を行ったところ、リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%に変更になった。

【背景・要因】
点眼・点鼻用リンデロンA液について、知識不足と確認不足があったと思われる。

【薬局が考えた改善策】
点眼・点鼻用リンデロンA液を調剤する際は、薬袋に「点眼・点鼻」と印字し、鑑査者がどちらかを○で囲むことにした。これにより、誤って点耳薬として処方された場合でも間違いに気付きやすくなると考えた。

 

その他の情報

点眼・点鼻用リンデロンA液の添付文書(一部抜粋)
【用法・用量】
<用法・用量に関連する使用上の注意>
中耳炎、鼓膜穿孔のある患者において、本剤の点耳、耳浴により、非可逆性の難聴が発現するおそれがあるので、耳内へは投与しないこと。

 

事例のポイント

●本事業には、この事例のように処方医が点眼・点鼻用リンデロンA液リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%を間違えて処方した事例以外にも、薬剤師が取り違えて調剤した事例も複数報告されていることから、この二剤のいずれかを調剤する際は注意が必要である。

●処方監査や調剤での誤りを防ぐためには、できるだけ具体的な対策を立てることが有効である。報告薬局のように、それぞれの薬局のシステムや実状に即した改善策を立て、実行することが望ましい。

 

『点眼・点鼻用リンデロンA液』と『リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%』の基本情報

この2剤の大きく異なる点は、適応部位に『耳』があるかどうかという所と、もう1つ
点眼・点鼻用リンデロンA液には,フラジオマイシン硫酸塩 3.5mg/mLも配合されていますが、
リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%の主成分はベタメタゾンリン酸エステルナトリウム 1mg/mLだけという点ですね。

これについては、先日情報をまとめましたので、こちらの記事にてご確認下さい。

 

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最後に

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