薬剤師がリンデロン点眼液0.01%,点眼・点耳・点鼻液0.1%,点眼・点鼻用A液,眼・耳科用A軟膏の違いを解説

薬・治療・病態 各論

結論からいうとこれら4種類の違いは、「リンデロン点眼液0.01%」を基準に下記に様に覚えるのがおススメです。

「リンデロン点眼液0.01%」は眼の炎症を抑える薬
↓これの濃度を10倍にしたのが↓
「リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%」は眼・の炎症を抑える薬
↓これに抗菌薬を配合したのが↓
「点眼・点鼻用リンデロンA液」は眼・細菌性の炎症を抑える薬
↓これを軟膏にしたのが↓
「眼・耳科用リンデロンA軟膏」は眼・細菌性の炎症を抑える薬



一般名処方の出現でよりわかりにくくなった

『リンデロン点眼液0.01%』,『リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%』,『点眼・点鼻用リンデロンA液』は以前より名前が似ていてややこしかったのですが、一般名処方が増えた事により、より「判別しにくくなった」のを感じています。これに『眼・耳科用リンデロンA軟膏』を加えた4種類の違いについてここから下でより深く確認してゆきます。

 

主成分の比較

比較成分
リンデロン点眼液0.01%ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム 0.1mg/mL
リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム 1mg/mL
点眼・点鼻用リンデロンA液ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム 1mg/mL
フラジオマイシン硫酸塩 3.5mg/mL
眼・耳科用リンデロンA軟膏ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム 1mg/g
フラジオマイシン硫酸塩 3.5mg/g

上表のとおり、リンデロン点眼液0.01%と他の3種類を比較するとベタメタゾンの量は10倍違います。
また、点眼・点鼻用リンデロンA液,眼・耳科用リンデロンA軟膏 には抗菌薬(フラジオマイシン)が配合されています。ので、細菌感染を伴う炎症性疾患にはこれらを使用します。

 

一般名表記を確認

商品名一般名
リンデロン点眼液0.01%【般】ベタメタゾンリン酸エステルNa点眼液0.01%
リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%【般】ベタメタゾンリン酸エステルNa点眼点耳点鼻液0.1%
点眼・点鼻用リンデロンA液【般】ベタメタゾン・フラジオマイシン配合点眼点鼻液
眼・耳科用リンデロンA軟膏【般】ベタメタゾン・フラジオマイシン配合軟膏

※代表的な一般名表記を示しています。

 

効能・効果の比較

適応部位
リンデロン点眼液0.01%××
リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%
点眼・点鼻用リンデロンA液×
眼・耳科用リンデロンA軟膏×

適応部位については、薬品名に「眼・鼻・耳」の文字が入っているかどうかで判断できます。

リンデロン点眼液0.01% の添付文書より引用

外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法
(眼瞼炎,結膜炎,角膜炎,強膜炎,上強膜炎,前眼部ブドウ膜炎,術後炎症)

リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1% の添付文書より引用

1. 眼科
外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法
(眼瞼炎,結膜炎,角膜炎,強膜炎,上強膜炎,前眼部ブドウ膜炎,術後炎症)
2. 耳鼻科
外耳・中耳(耳管を含む)又は上気道の炎症性・アレルギー性疾患(外耳炎,中耳炎,アレルギー性鼻炎等),術後処置

点眼・点鼻用リンデロンA液 の添付文書より引用

[点眼]
外眼部・前眼部の細菌感染を伴う炎症性疾患
[点鼻等]
アレルギー性鼻炎,進行性壊疽性鼻炎,鼻及び咽喉頭部における術後処置

眼・耳科用リンデロンA軟膏 の添付文書より引用

[眼科]
外眼部・前眼部の細菌感染を伴う炎症性疾患
[耳鼻科]
外耳の湿疹・皮膚炎,進行性壊疽性鼻炎,耳鼻咽喉科領域における術後処置



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最後に

ちなみに・・・
“リンデロン”と名の付く薬は他にもこれだけあります。

リンデロン錠0.5mg
リンデロン散0.1%
リンデロンシロップ0.01%

点眼・点鼻用リンデロンA液
眼・耳科用リンデロンA軟膏
リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%
リンデロン点眼液0.01%

リンデロン坐剤0.5mg
リンデロン坐剤1.0mg

リンデロン懸濁注2.5mg
リンデロン注100mg(2%)
リンデロン注20mg(0.4%)
リンデロン注20mg(2%)
リンデロン注2mg(0.4%)
リンデロン注4mg(0.4%)

リンデロン-DPクリーム0.064%
リンデロン-DPゾル0.064%
リンデロン-DP軟膏0.064%
リンデロン-Vクリーム0.12%
リンデロン-Vローション0.12%
リンデロン-V軟膏0.12%
リンデロン-VGクリーム0.12%
リンデロン-VGローション
リンデロン-VG軟膏0.12%

区別して覚えましょう♪

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