船舶に医薬品を備え付けるために、船長の発給する証明書をもった人が訪れたら。薬局がやるべき事。

法律・ルール

処方せん医薬品は原則、医師からの処方箋の交付を受けた患者さん以外に対して販売してはいけません。

しかし、もしも、船舶に医薬品を備え付けるという理由で、船長の発給する証明書を持って船員さんが来局された場合は、薬局医薬品(処方せん医薬品)を船舶所有者に販売するのは、正当な理由として認められています。



結論から

結論から言うと
船員さんがこのような様式の「要指示医薬品購入関係証明書」をもって来られたら
国土交通大臣が指示した「このリスト」の薬品は船の区分に応じた規定の数量を販売して良いです。
もし不明点及び不安があれば地域の(大阪府の)薬務課に電話して教えてもらいましょう。

薬食発 0318 第4号 平成 26 年3月 18 日 厚生労働省医薬食品局長 通知

(薬食発 0318 第4号 平成 26 年3月 18 日 厚生労働省医薬食品局長 通知より抜粋・引用)

(1)原則
薬局医薬品のうち、処方箋医薬品については、薬剤師、薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業若しくは販売業者、医師、歯科医師若しくは獣医師又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者(以下「薬剤師等」という。)が業務の用に供する目的で当該処方箋医薬品を購入し、又は譲り受けようとする場合に販売(授与を含む。以下同じ。)する場合を除き、新法第 49 条第1項の規定に基づき、医師等からの処方箋の交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、販売を行ってはならない。
なお、正当な理由なく、医師等からの処方箋の交付を受けた者以外の者に対して処方箋医薬品を販売した場合については、罰則が設けられている。

(2)正当な理由について
船員法施行規則第 53 条第1項の規定に基づき、船舶に医薬品を備え付けるために、船長の発給する証明書をもって、同項に規定する薬局医薬品を船舶所有者に販売する場合

つまり、船長の指示さえあれば処方箋医薬品でも何でも販売してよいという訳ではなく、薬局医薬品の中で「船員法施行規則第 53 条第1項」に規定されているものは販売しても良いですよ。という事です。

それでは「船員法施行規則第 53 条第1項」とはどんな内容なのでしょうか

 

船員法施行規則第 53 条第1項の規定とは

(船員法施行規則 より引用)

第五十三条 第一項
船舶所有者は、次に掲げる船舶に、当該船舶を初めて自己のために航行の用に供するときに、当該各号に掲げる船舶の区分に応じ国土交通大臣が告示で定める数量の医薬品その他の衛生用品(以下「医薬品等」という。)を備え付けなければならない。

一号
法第八十二条各号に掲げる船舶(国内各港間を航海するもの、船舶に乗り組む医師及び衛生管理者に関する省令(昭和三十七年運輸省令第四十三号)第二条に定める区域のみを航海するもの及び同省令第三条に定める短期間の航海を行うものであつて法第八十二条ただし書の許可を受けたものを除く。)

二号
前号に掲げる船舶以外の法第八十二条の二第一項各号に掲げる船舶(国内各港間を航海するもの及び船舶に乗り組む医師及び衛生管理者に関する省令第六条に定める区域のみを航海するものを除く。)

三号
前二号に掲げる船舶以外の遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶及び国土交通大臣の指定する漁船

四号
前三号に掲げる船舶以外の船舶(まき網漁業に従事する漁船の附属漁船であつて運搬船以外の総トン数二十トン未満のものを除く。)

「船舶の区分」に応じた「国土交通大臣が告示で定める数量の医薬品」は販売して良いとの事。

それでは、「国土交通大臣」は告示で、どんな「医薬品」をどんな「数量」定めているのでしょうか

 

国土交通大臣が告示で定める数量の医薬品とは

その国土交通大臣の告示がこちらです。「国土交通大臣の告示(PDFファイル)

抗インフルエンザ薬とか、抗生物質とかが定められていますね。

インフルエンザや感染症が船舶内で流行しては大変ですからね。

 

また、昭和四一年五月一三日の(薬発第二九六号)各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知
船員法施行規則の一部改正及びこれに伴う船舶備付け要指示医薬品の取扱いについて(PDFファイル)に載せてくれている、この様式の「要指示医薬品購入関係証明書」を持って来られるので、買いてあるその品目を販売して良いかを確認してから販売すればよいという事です。

しかし

もし私が実際このケースに遭遇したら、管轄の(大阪府の)薬務課に電話します。そして、記載の品目が正しいかどうか等教えてもらいます。一緒に確認してもらいます。



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