麻薬小売業者間譲渡許可をとっている薬局でも、麻薬の譲渡・譲受は日常的に行う業務ではありません。
ですから、薬局間で麻薬の譲渡・譲受を行う際は毎回「どうしたらいいんだっけ?」となりがちです。
再確認しておきましょう。
(最終更新 2020/1/10)
麻薬を譲渡・譲受できるのは「この場合のみ」
最も大事なので、最初に確認しておきます。
薬局間で、麻薬を譲渡・譲受できるのはこの場合のみです
麻薬小売業者間譲渡許可に基づいて麻薬を譲渡できるのは、麻薬処方せんに基づき、麻薬の在庫不足から調剤ができない麻薬小売業者に、不足分の麻薬を譲渡する場合に限定されています。
(大阪府発表PDFファイル「麻薬小売業者間譲渡許可をお持ちのみなさまへ」より引用)
大事なので繰り返します。
麻薬小売業者間譲渡許可に基づいて麻薬を譲渡できるのは、この場合のみです。
麻薬処方箋の調剤をしようとしている時で
麻薬の在庫不足があった場合に
不足分の麻薬だけを譲渡・譲受できる
「次の場合」麻薬の譲渡・譲受はできない
次の理由だけでは、麻薬の譲渡を行うことはできません。
・使用期限が迫っているため
・不良在庫となっているため
間違えて 譲渡してしまわないように覚えておかなければなりません。
麻薬小売業者間譲渡の具体例
オキシコンチン錠20㎎ 2錠 1日2回(1回1錠) 10日分
A薬局が この麻薬処方箋を受け付けました。
しかし、このA薬局には オキシコンチン錠20㎎が1錠しかありませんでした。
事前に麻薬小売業者間譲渡許可申請をしていた仲間のB薬局が、オキシコンチン錠20㎎20錠を在庫していました。
B薬局から不足分の19錠を分けてもらった。
こういった場合に麻薬小売業者間譲渡を行うことができます。
しかし、次の場合などは不正な譲渡・譲受になってしまいます。
B薬局「うちのオキシコンチン錠20㎎ 20錠1箱未開封だから、1箱全部譲渡するわ」
×ダメ ⇒ 譲渡可能なのは、不足分だけなので 不足分の19錠を超えて譲渡することはできない。
B薬局「うち不良在庫になってるオキシコンチン錠40㎎があるんよ、それも一緒に譲渡するわ」
×ダメ ⇒ 譲渡可能なのは、不足分だけなので 不良在庫 という理由では譲渡することはできない。
麻薬以外で、仲間の薬局同士で上記のようなやり取りをしていても、麻薬ではそれは行うことができません。
許可に基づく譲受・譲渡を行う場合の手順
「もらうA薬局」「わたすB薬局」という2薬局で、
事前に麻薬小売業者間譲渡許可申請を行い、
それぞれの薬局が 麻薬小売業者間譲渡許可(証)を持っていたとします。
もらうA薬局が受け付けた麻薬処方せんの写し 及び 譲受人(もらうA薬局のスタッフ)が作成した譲受確認書と引換えに麻薬を交付し、同時に、自ら(わたすB薬局)が作成した譲渡確認書を麻薬の譲受人(もらうA薬局のスタッフ)に交付する。
最後に
薬剤師筆者の薬局は大阪府にありますので、大阪府が発表した情報をもとに作成しました。
が、他の都道府県でも大きく異なることはありません。
当ページの情報は参考程度にして下さい。
正確な情報は
大阪府発表の資料「麻薬小売業者間譲渡許可をお持ちのみなさまへ」
もしくは、ご自身の薬局の都道府県のホームページ等でご確認ください。
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