乳幼児服薬指導加算とは、「6歳未満の乳幼児」の処方箋の受け付けた際「体重や適切な剤形等」の確認を行い「適切な指導等」を行い,その記録や要点を「薬歴及びお薬手帳」に記録した際に算定できる加算です。
※6歳未満の乳幼児の処方箋を受付け,調剤した。だけでは算定できません。
※薬剤服用歴管理指導料の加算なので, 『薬歴』を算定していない場合は乳幼児服薬指導加算も算定できません。
点数は、
2014改定では4点(新設)でしたが
2016改定で10点に増点し
2018改定で12点に増点し
2020改定でも12点が維持されています。
[関連記事]薬剤服用歴管理指導料の総合ページ
乳幼児服薬指導加算-算定チェックリスト
✔ | 乳幼児服薬指導加算-算定チェックリスト |
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□ | 6歳未満の乳幼児の処方箋を受付・調剤したか |
□ | 処方箋の受付の際に『体重』『適切な剤形』『その他必要な事項』の確認を行ったか |
□ | 患者の保護者等に対して適切な服薬方法等の指導を行ったか |
□ | 患者の保護者等に対して誤飲防止等の必要な服薬指導を行ったか |
□ | 患者の家族等から電話等による当該処方薬剤に係る問い合わせに対応できるか |
□ | 確認内容及び指導の要点について、薬歴に記録したか |
□ | 指導の要点や注意点について、お薬手帳に記録したか |
はい。上記チェック項目を全て満たした場合に算定できる加算です。
お薬手帳に記録する「指導の要点・注意点」について
お薬手帳に記録する「指導の要点・注意点」については,「手書き記載」でなくても構いません。
お薬手帳に貼るシール自体に印刷できるシステムの薬局や、別でシールを用意している薬局、スタンプで対応する薬局など 記録方法はその薬局によって様々です。
~余談~
私(薬剤師筆者)も「6歳未満の乳幼児」を子に持つ父親です。
「6歳未満の乳幼児」を連れて病院へ行き、(自分の薬局以外の)薬局で「調剤及び服薬指導を受ける」経験はした事があります。
『調子を崩している6歳未満の乳幼児』が一緒なので『薬剤師の服薬指導に耳及び意識を100%傾ける』のが難しい場合があるというのはよくわかります。
ですから、家に帰ってからでも再度大事な内容が確認できるよう,『お薬手帳に指導の要点・注意点』を記入する。というのが算定要件になっています。
加算算定の為ではなく,患者さん・ご家族さんのために『お薬手帳に指導の要点・注意点』は記入しなくてはなと、患者の立場になって改めて思いました。
過去の疑義解釈より引用
患者さん(の保護者)がお薬手帳を忘れた場合でも,算定できない訳ではありません。
※H2016改定-疑義解釈資料の送付について(その1)-調剤-問26 より引用
(問)乳幼児服薬指導加算について、「指導の内容等について、手帳に記載すること」とされているが、手帳を持参していない患者に対して、手帳を交付又は手帳に貼付するシール等を交付した場合であっても、当該加算を算定できると理解してよいか。(答)乳幼児服薬指導加算については、手帳を利用しているが手帳を持参し忘れた患者にはシール等を交付することでよいが、手帳を利用していない患者に対しては手帳を交付した場合に算定できるものであること。
なお、シール等を交付した患者が次回以降に手帳を持参した場合は、当該シール等が貼付されていることを確認すること。
調剤報酬点数表(2020年改定反映)からの引用
注8 6歳未満の乳幼児に係る調剤に際して必要な情報等を直接患者又はその家族等に確認した上で、患者又はその家族等に対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ、当該指導の内容等を手帳に記載した場合には、乳幼児服薬指導加算として、12点を所定点数に加算する。
調剤報酬点数表に関する事項(2020年改定反映)からの引用
8 乳幼児服薬指導加算
(1) 乳幼児服薬指導加算は、乳幼児に係る処方箋の受付の際に、体重、適切な剤形その他必要な事項等の確認を行った上で、患者の家族等に対して適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導を行った場合に算定する。
(2) 乳幼児服薬指導加算を算定した処方箋中の薬剤の服用期間中に、患者の家族等から電話等により当該処方薬剤に係る問い合わせがあった場合には、適切な対応及び指導等を行うこと。
(3) (1)における確認内容及び指導の要点について、薬剤服用歴の記録及び手帳に記載する。
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最後に
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