先日、ケアマネジャーさんから、「介護保険じゃなくて、医療保険で薬剤師に在宅に入ってもらうとしたら患者さんの自己負担額はいくらかかるの?」と質問を受けました。
私はこの時は「個人宅ですか? 個人宅にお住まいで1割負担の方ならだいたい650円です。」と答えました。
この時実は頭の中で一瞬『だいたい600円』と言うべきかとも迷ったのですが、650円と言いました。
今回はこの『医療保険で薬剤師が訪問に入るとお金はいくらかかるの?』について、大雑把な説明と細かい説明をしてゆきます。
以下、※1割負担の方の場合の額を書いてゆきます。(2割負担の方は額を2倍。3割負担の方は額を3倍にしてください。)
薬剤師の訪問薬剤管理指導料はだいたい650円です
個人宅の方ならだいたい650円と言った根拠はこちら「在宅患者訪問薬剤管理指導料」の「1,単一建物診療患者が1名の場合=650点」です。
在宅患者訪問薬剤管理指導料
在宅患者訪問薬剤管理指導料 | 点数 |
---|---|
1,単一建物診療患者が1名 | 650点 |
2,単一建物診療患者が2~9名 | 320点 |
3,上記1・2以外 | 290点 |
※患者1人につき月4回まで
※末期ガン・中心静脈栄養の患者は月2回まで
※薬剤師1人週40回まで
ちなみに、この「在宅患者訪問薬剤管理指導料」には、「麻薬」や「乳幼児」といった場合は加算もつきます。
麻薬管理指導加算 100点
訪問1回につき
乳幼児加算 100点
乳幼児(6歳未満への)訪問1回につき
※医療保険を使った薬剤師の訪問代が1回「だいたいいくらか?」を知りたかった方は『650円』とわかっていただけたかと思いますので、ここで画面を閉じていただければよいかと思います。
以下、なぜ「きっちり650円」ではなく「だいたい650円」なのかについて説明します。
「きっちり」650円じゃなくて「だいたい」650円なの?
はい。きっちり650円ではなく、だいたい650円です。
その理由は下の引用です。
厚生労働省資料「調剤報酬点数表に関する事項」-からの引用
訪問-(17) 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した月においては、「区分番号 10」の薬剤服用歴管理指導料、「区分番号 13 の2」かかりつけ薬剤師指導料及び「区分番号 13 の3」かかりつけ薬剤師包括管理料は、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の処方箋によって調剤を行った場合を除いて算定できない。また、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した月においては、「区分番号 14 の2」の外来服薬支援料又は「区分 15 の5」の服薬情報等提供料は算定できない。
わかりにくいですよね。要約します。
・まず、『かかりつけ薬剤師包括管理料』については、算定している数が全国的にも非常に少ないですので、簡略化のため割愛します。
・次に、『外来服薬支援料』と『服薬情報等提供料』についても、毎回発生するような料金ではないので、簡略化のため割愛します。
割愛後の文章を要約するとこうなります。
在宅患者訪問薬剤管理指導料(650点)を算定した月は、
薬剤服用歴管理指導料(41点or53点)及び
かりつけ薬剤師指導料(73点)は、算定できない。
『薬剤服用歴管理指導料(41点or53点)』及び『かりつけ薬剤師指導料(73点)』は通常薬局で『処方箋の薬をもらう場合』は発生する料金です。そして『在宅患者訪問薬剤管理指導料(650点)』と2重に算定されることはありませんので。
薬剤師の訪問薬剤管理指導料は細かく言うと、
(個人宅・1割負担の場合)
・ 650 – 41 =609円
・ 650 – 53 =597円
・ 650 – 73 =577円
となりますので、『だいたい600円』と覚えたほうが実情に近いかもしれません。
簡単に補足
上記で、出てきた部分について「簡単」かつ「大雑把に」補足します。
「薬剤服用歴管理指導料」と「かかりつけ薬剤師指導料」の違いは?
・薬剤服用歴管理指導料(41点or53点)は、通常薬局で薬をもらう(&安全性チェック&管理記録してもらう)場合に発生する料金です。
・かりつけ薬剤師指導料(73点)は、上記「薬剤服用歴管理指導料」に加え他薬局でもらった薬手帳に載っていない薬のことや、一般薬や健康食品等の事まで含めて、いつものなじみのかかりつけ薬剤師に薬をもらう場合(患者とかかりつけ薬剤師間での契約後)に発生する料金です。
薬剤服用歴管理指導料「41点」と「53点」の違いは
・41点・・いつもの薬局に「お薬手帳持参」で処方せんを出して薬をもらう場合。
・53点・・上記「41点」以外の場合。(いつもの薬局(半年以内に行った事のある薬局)じゃない。お薬手帳を忘れた。等)
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最後に
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