2020年9月から始まる「服薬期間中フォロー」について、患者さんが家に帰った後の事も電話等でフォローするという主旨はわかったけど、
「義務化という事は、全員にしないとイケないの?」
「どういう薬を飲んでいる人にすればよいの?」
「どういう疾病の患者さんにすればよいの?」
「月に何人くらいにすればよいの?」
などと、イメージがイマイチつかめない方も多いと思います。
このように何をどうすれば良いのかイメージがいまいち掴みにくい方は「疑義照会」と比較して考えると分りやすいです。
「服薬期間中フォロー」は薬剤師の新しい必須業務の1つ
「疑義照会」は薬剤師の必須業務であり、行う事が義務づけられています。
もう皆さん当たり前のようにやられていますよね。
疑義照会を平たくいうとこんな感じ
「処方箋中に疑がわしい点を見つけたら、それを確認してからでないと調剤してはいけないという義務」
新しく薬剤師の必須業務になる「服薬期間中フォロー」も同じように捉えれば良いのです。
平たく言うと
「投薬時に服薬期間中フォローの必要性を感じたら、服薬期間中に電話連絡等にてフォローをしなければならない義務」
このように「疑義照会」のような必須業務が1つ増えると捉えると全てがわかりやすくなります。
具体例
全員にしないとイケないの?
「疑義照会」は義務化されている薬剤師の必須業務ですが、全員にはしていませんよね。
「服薬期間中フォロー」も義務化されますが、全員にしないとイケないというものではありません。
どういう薬を飲んでいる人にすればよいの? どういう疾病の患者さんに行えばいいの?
「疑義照会」は、例えばワーファリン錠が処方されている人全員に行うなんて事はしていませんよね。
「服薬期間中フォロー」も、特定のある薬剤が処方された人に対して行うといったようなルール作りはおかしいです。
日本薬剤師会が作成した「薬剤服用期間中の患者フォローアップの手引き」にも、このように記載があります。
フォローアップは患者ごとに個別に判断するものであり、例えば、「ハイリスク薬に該当する」といった情報のみに基づいて機械的・一律に判断するものではない
月に何人くらいにすればよいの?
これも「疑義照会」と同じで、
『今月は100件を目標にするぞ!』や
『受付処方箋の10%に対して行うぞ!』などと、前もって数値目標を立てるようなものではありません。
わからなくなったら既に行っている業務にあてはめてみる
「服薬期間中フォロー」について当ページでは「疑義照会」にあてはめて書いて来ましたが、
何もかも「疑義照会」にあてはめて考えれば大丈夫かというと決してそうではありません。
「薬歴管理」や「在宅訪問」にあてはめて考えてみたほうが、イメージしやすくなるケースもあるでしょう。
なんにせよ、
患者さんが安心できる最適な薬物療法を提供するために行う。
そのために患者の状態や生活環境等を把握する。
そして、薬学的知見に基づく分析・評価から必要な対応を実施する。
このあたりを忘れなければ、間違った方向へは行かないと思います。
この「服薬期間中フォロー」が薬剤師全体の評価が上がることに繋がるよう活動してゆかねばなりませんね。
今は、ドラマ「アンサングシンデレラ」で薬剤師に対して追い風も吹いていますしね。
※余談:原作のマンガ「アンサングシンデレラ」も読んでみましたが、おもしろいですね。
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