※画像は厚生労働省発表資料『令和2年度診療報酬改定の概要 調剤』よりお借りしました。
2020年の改定で「特定薬剤管理指導加算」は「特定薬剤管理指導加算1」に名称が変更となり、
「特定薬剤管理指導加算2」が新設されました。
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特定薬剤管理指導加算2
特定薬剤管理指導加算2とは、悪性腫瘍の治療に係る薬剤を調剤し、「副作用状況、治療計画等を文書で確認」し「必要な薬学的管理及び指導」を行い、患者の同意を得て、悪性腫瘍治療薬に関し、「電話等によりその服用状況、副作用の有無等について患者に確認」し、医療機関に必要な情報を「文書により提供」したときに算定できる点数(100点)です。
算定のタイミングは、調剤完了の後日に患者さんの服用状況等を確認し、その情報を保険医療機関に文章で情報提供した後。になるので、「次回の処方箋調剤の完了時」が算定タイミングとなります。
※2020年の改定で新設されました。
特定薬剤管理指導加算2は、施設基準も設定されています。
※届け出を行わないと算定することが出来ません。
特定薬剤管理指導加算2の[施設基準(略)]
(1) 保険薬剤師としての勤務経験5年以上の薬剤師が勤務していること。
(2) パーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮した設備。
(3) 麻薬小売業者の免許。
(4) 医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会に常勤の薬剤師が年1回以上参加。
(5) 令和2年9月 30 日までの間は(4)は経過措置。
※(1)(2)(3)は、地域支援体制加算の施設基準と同じ内容となっています。
医療機関側にも、地域の薬局薬剤師との連携体制を評価する点数が 今回の2020年改定で新設されています。
※画像は厚生労働省発表資料『令和2年度診療報酬改定の概要 調剤』よりお借りしました。
算定要件まとめ
対象患者
・抗悪性腫瘍薬を注射された抗悪性腫瘍患者
対象薬剤
・自薬局で調剤した抗悪性腫瘍剤 または 支持療法に係る薬剤(制吐剤など)
※対象薬剤を自薬局で調剤していない場合は算定できません。
必ず実施すべき業務(必須 実施業務)
・当該患者のレジメンを当該保険医療機関のホームページ等であらかじめ確認し、薬学的管理に必要な情報を把握した上で、管理・指導を行う。
・当該患者が使用している抗悪性腫瘍剤、および支持療法に係る薬剤に関し、電話等により服薬状況,副作用の有無等について確認すること
※電話等での確認は調剤完了後の後日に行う
※電話等での確認にはリアルタイムの音声通話による確認が求められる。メールやチャットでの文字のみでは認められない。
※確認相手は患者さんでも可。
・当該保険医療機関に必要な情報を文書により提供する。
※文書の書式に指定はない。
・重大な副作用の発現時などは受診勧奨など保険医療機関への連絡実施を指導する。
・保険医療機関へ情報提供した内容は、文書の写しの保管、または薬剤服用歴への要点の記載により記録する。
できれば実施すべき業務(努力義務 実施業務)
緊急時の対応体制(方法や連絡先など)を保険医療機関と共有する
施設基準
薬局に関して
・パーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮した設備があること
・麻薬小売業者免許取得
※実際に対応できる体制であること
薬剤師に関して
・保険薬剤師勤務経験5年以上
※病院薬剤師勤務経験は1年以上+保険薬剤師勤務経験4年でも可
・保険医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会に年1回以上参加実績あり
※常勤保険薬剤師であること
※令和2年9月30日までは経過措置(参加実績免除)
【関連】医療機関側の施設基準
※[連携充実加算]という医療機関側の加算の施設基準です。
・当該保険医療機関で実施されるレジメンのホームページ等での閲覧体制整備
※確認は医療機関への疑義照会、または地方厚生局HPにて行う
・当該保険医療機関における地域保険薬局勤務薬剤師等を対象とする研修会の開催
※令和2年9月30日までは経過措置(開催実績免除)
2020/9/1に疑義解釈出ました。
・当該保険医療機関のレジメンに関する照会、および患者に関する相談への対応体制整備
※ホームページや研修会で体制を周知する
算定時点
・特定薬剤管理指導加算2の算定時点は 次回処方箋調剤完了時 です。
※特定薬剤管理指導加算2関連薬剤の処方医療機関以外からの処方箋でも算定可能です。
その他
・施設基準に係る届出書 に記載した、抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会の実施保険医療機関以外からの処方についても要件を満たせば この加算の算定対象とできます。
・特定薬剤管理指導加算1と2の併算定は各々の対象薬剤が異なれば可能です。
・服薬情報提供料との併算定はできません。ただし、特定薬剤管理指導加算2の対象薬剤を処方している保険医療機関以外の保険医療機関からの処方があり、その保険医療機関へ情報提供した場合は、情報提供先の保険医療岐南において服薬情報提供料の算定は可能。
・算定は患者さん1名につき月1回までです。
以下、厚生労働省発表資料からの引用です。
疑義解釈より引用
【特定薬剤管理指導加算2】について
問10 特定薬剤管理指導加算1と特定薬剤管理指導加算2は併算定可能か。
(答)特定薬剤管理指導加算2の算定に係る悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤以外の薬剤を対象として、特定薬剤管理指導加算1に係る業務を行った場合は併算定ができる。
問11 患者が服用等する抗悪性腫瘍剤又は制吐剤等の支持療法に係る薬剤の調剤を全く行っていない保険薬局であっても算定できるか。
(答)算定できない。
問12 電話等により患者の副作用等の有無の確認等を行い、その結果を保険医療機関に文書により提供することが求められているが、算定はどの時点から行うことができるのか。
(答)保険医療機関に対して情報提供を行い、その後に患者が処方箋を持参した時である。
この場合において、当該処方箋は、当該加算に関連する薬剤を処方した保険医療機関である必要はない。なお、この考え方は、調剤後薬剤管理指導加算においても同様である。
問13 電話等による服薬状況等の確認は、メール又はチャット等による確認でもよいか。
(答)少なくともリアルタイムの音声通話による確認が必要であり、メール又はチャット等による確認は認められない。なお、電話等による患者への確認に加え、メール又はチャット等を補助的に活用することは差し支えない。
調剤報酬点数表 より引用
特定薬剤管理指導加算2
注7 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して、当該患者の副作用の発現状況、治療計画等を文書により確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った上で、当該患者の同意を得て、悪性腫瘍の治療に係る薬剤の投薬又は注射に関し、電話等により、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、特定薬剤管理指導加算2として、月1回に限り100点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。
調剤報酬点数表に関する事項 より引用
7 特定薬剤管理指導加算2
(1) 特定薬剤管理指導加算2は、診療報酬点数表の第2章第6部注射通則第7号の連携充実加算を届け出ている保険医療機関において、抗悪性腫瘍剤を注射された悪性腫瘍の患者に対して、抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局の保険薬剤師が以下のアからウまでの全てを実施した場合に算定する。
ア 当該患者のレジメン(治療内容)等を確認し、必要な薬学的管理及び指導を行うこと。
イ 当該患者が注射又は投薬されている抗悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤に関し、電話等により服用状況、副作用の有無等について患者又はその家族等に確認すること。
ウ イの確認結果を踏まえ、当該保険医療機関に必要な情報を文書により提供すること。
(2) 「抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局」とは、患者にレジメン(治療内容)を交付した保険医療機関の処方箋に基づき、保険薬剤師が抗悪性腫瘍剤又は制吐剤等の支持療法に係る薬剤を調剤する保険薬局をいう。
(3) 特定薬剤管理指導加算2における薬学的管理及び指導を行おうとする保険薬剤師は、原則として、保険医療機関のホームページ等でレジメン(治療内容)を閲覧し、あらかじめ薬学的管理等に必要な情報を把握すること。
(4) 電話等による患者の服薬状況及び副作用の有無等の確認は、電話の他、リアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(以下「ビデオ通話」という。)による連絡及び患者が他の保険医療機関の処方箋を持参した際の確認が含まれる。電話又はビデオ通話により患者に確認を行う場合は、あらかじめ患者に対し、電話又はビデオ通話を用いて確認することについて了承を得ること。
(5) 患者の緊急時に対応できるよう、あらかじめ保険医療機関との間で緊急時の対応方法や連絡先等について共有することが望ましい。また、患者の服薬状況の確認において、重大な副作用の発現のおそれがある場合には、患者に対して速やかに保険医療機関に連絡するよう指導することや受診勧奨を行うことなどにより、必要な対応を行うこと。
(6) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴の記録に添付又は記載する。
(7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。
(8) 患者1人につき同一月に2回以上の情報提供を行った場合においても、当該加算の算定は月1回のみとする。
(9) 抗悪性腫瘍剤等に関する患者の服用状況及び副作用の有無等の確認を行う際に、他の保険医療機関又は他の診療科で処方された薬剤に係る情報を得た場合には、必要に応じて、患者の同意を得た上で、当該他の保険医療機関等に情報提供を行うこと。この場合において、所定の要件を満たせば服薬情報等提供料を算定できる。
施設基準からの引用
十の二 特定薬剤管理指導加算2の施設基準
当該管理及び指導等を行うにつき必要な体制が整備されていること。
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて からの引用
第 98 特定薬剤管理指導加算2
1 特定薬剤管理指導加算2に関する施設基準
(1) 施設基準の届出時点において、保険薬剤師としての勤務経験を5年以上有する薬剤師が勤務していること。なお、保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年以上有する場合、1年を上限として保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができる。
(2) 薬学管理等の内容が他の患者に漏れ聞こえる場合があることを踏まえ、患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。
(3) 麻薬及び向精神薬取締法第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができる体制が整備されていること。
(4) 保険医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会に当該保険薬局に勤務する常勤の保険薬剤師が年1回以上参加していること。
(5) 令和2年9月 30 日までの間は、(4)による基準を満たしているものとする。
2 届出に関する事項
特定薬剤管理指導加算2の施設基準に係る届出は、別添2の様式 92 を用いること。
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