・統合失調症
・躁病
・うつ病における不安・緊張
に使われる薬剤であるヒルナミン錠について、添付文書および患者向医薬品ガイド等から情報を引用して確認してゆきます。
(※添付文書より引用)
効能・効果
統合失調症,躁病,うつ病における不安・緊張
ヒルナミンの一般名(成分名)
ヒルナミン錠の一般名は
『レボメプロマジンマレイン酸塩』
です。
ヒルナミンの規格
ヒルナミン錠 5㎎,25㎎,50㎎
ヒルナミン細粒10%
ヒルナミン散50%
ヒルナミン筋注 25㎎
規格も上記の通り複数あるので、取り違いにも注意が必要です。
ヒルナミン(レボメプロマジン)の効果は?
・この薬は、精神神経用剤と呼ばれるグループに属する薬です。
・この薬は、脳内の神経伝達物質の受容体に作用してそのバランスを整えます。
・『統合失調症、躁病、うつ病における不安・緊張』という病気の人に処方されます。
・この薬は、自己判断して使用を中止したり、量を加減したりすると病気が悪化することがあります。指示どおりに飲むことが重要です。
※添付文書より引用
効能・効果
統合失調症,躁病,うつ病における不安・緊張
ヒルナミン(レボメプロマジン)の使い方は?
使用量および回数
飲む量は、あなたの年齢や症状などにあわせて、医師が決めます。
通常、成人の飲む量および飲む回数は、
1日量は、レボメプロマジンとして 25~200mgです。
飲む回数は、(1日量を) 医師が決める回数に分けて飲みます
用法・用量
通常,成人にはレボメプロマジンとして1日25~200mgを分割経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
(過量使用時)多く使用してしまった時の対応
下記のいくつかの症状が同じような時期にあらわれた場合には、使用を中止し、ただちに受診してください。
・傾眠(眠気でぼんやりする)
・昏睡
・血圧降下
・錐体外路症状(動きが遅い、眼球が上を向く、首のねじれやつっぱり、手足のふるえやこわばり、筋肉のこわばり)
・激越(落ち着きがない、感情が激しくたかぶる)と情緒不安
・けいれん
・口渇
・腸閉塞(嘔吐、むかむかする、激しい腹痛、排便・排ガスの停止)
・心電図変化および不整脈
※過量投与によりこれらの症状等があらわれる可能性があります。
ヒルナミン(レボメプロマジン)の使用中に気をつけなければならないことは?
・眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作を行わないでください。
・抗精神病薬を飲んでいる人には、肺塞栓症(突然の息切れ)、静脈血栓症(下肢のむくみ・痛み)などが報告されています。長時間動かないでじっとしている人、長期間病床にある人、肥満の人、脱水状態の人は特にこれらの症状に注意してください。
・治療初期に起立性低血圧が起こることがあるので、立ちくらみやめまいなどの症状があらわれたら、医師に連絡してください。
・アルコール飲料はこの薬に影響しますので、控えてください。
・妊婦または妊娠している可能性がある人は医師に相談してください。
・授乳中の人は、授乳を避けてください。
・他の医師を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬を使用していることを医師または薬剤師に伝えてください。
その他抗精神病薬も確認
非定型抗精神病薬
分類 | 一般名(略) | 商品名(代表的な) | 特徴 |
---|---|---|---|
セロトニン・ドパミン拮抗薬 | リスペリドン | リスパダール | ・統合失調症の第一選択薬として使用されることが多い ・クロザリルは治療抵抗性,つまり他の統合失調症治療薬で効果が得られない時のみ使用。 |
パリペリドン | インヴェガ | ||
ペロスピロン | ルーラン | ||
ブロナンセリン | ロナセン | ||
クロザピンと類似化合物 | クロザピン | クロザリル | |
オランザピン | ジプレキサ | ||
クエチアピン | セロクエル | ||
ドパミン受容体アゴニスト | アリピプラゾール | エビリファイ |
定型抗精神病薬
分類 | 一般名(略) | 商品名(代表的な) | 特徴 |
---|---|---|---|
高力価群 ブチロフェノン誘導体 | ハロペリドール | セレネース | ・急性期の治療によく使われる ・鎮静,循環器系の副作用は少ない ・副作用としてパーキンソン病様症状が起こることがある |
スピペロン | スピロピタン | ||
チミペロン | トロペロン | ||
高力価群 フェノチアジン誘導体 | フルフェナジン | フルメジン | |
ペルフェナジン | トリラホン ピーゼットシー |
||
プロクロルペラジン | ノバミン | ||
高力価群 ベンザミド誘導体 | ネモナプリド | エミレース | |
低力価群 フェノチアジン誘導体 | クロルプロマジン | ウインタミン コントミン | ・強い鎮静作用,強い催眠作用がある ・パーキンソン病様症状の副作用は少なめ ・催眠作用を期待して処方されることもある |
レボメプロマジン | ヒルナミン レボトミン |
||
低力価群 ブチロフェノン誘導体 | ピパンペロン | プロピタン | |
中間・異型群 | プロぺリシアジン | ニューレプチル | ・「高力価群」と「低力価群」の中間的な特徴がある ・高齢者や、回復期の維持療法によく使われる印象 ※スルピリド,ゾテピンは、非定型抗精神病薬に分類されることもアリ |
ゾテピン | ロドピン | ||
クロカプラミン | クロフェクトン | ||
モサプラミン | クレミン | ||
ブロムペリドール | インプロメン | ||
ピモジド | オーラップ | ||
オキシペルチン | ホーリット | ||
スルピリド | ドグマチール | ||
スルトプリド | バルネチール |
参照文献等
ヒルナミン錠の患者向け医薬品ガイドです。
PMDAのページのPDFファイルが開きます。
ヒルナミン錠の添付文書です。
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最後に
当記事は、2019年3月時点の添付文書や患者向け医薬品ガイド等を参照して作成しました。
当サイトはあくまで一般的な注意点や説明を記載しています。実際はその方の年齢や性別、その他合併症、併用薬の有無など、個人によって治療方法が異なります。
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