在宅患者調剤加算【2022年改定】

「在宅患者調剤加算」は、設けられた要件を満たした上で、算定しますよと事前に届け出た薬局だけが算定できる点数です。

じゃあその設けられた要件って何なの?
下記に大雑把にまとめました

・直近1年間の在宅訪問(医療保険+介護保険)の算定回数が合計 10 回以上ある
・緊急時には開局時間以外でも在宅業務に対応できる体制を整えていること
・在宅業務に関する研修実施計画を作成・実施し、在宅業務に関する外部の研修も受けていること
・医療材料及び衛生材料を供給できる体制がある
・麻薬小売業者の免許を取得している
これらを満たして、算定できるのは”訪問患者さんだけ”です。
~余談~

 

主な施設基準の届出状況等 令和5年7月5日発表(厚生労働省・中医協-発表資料より)
当資料は令和5年7月5日に中医協(厚生労働省)が発表した資料のデータを引用して作成したものです。各年7月1日時点における数字です。保険薬局の数は令和3年の59,814から、793増えて、令和4年には60,607となっています。...
令和4年7月1日時点、保険薬局数は60,607ですが、
「在宅患者調剤加算」は、22,424薬局で 全体の37.00%です。
ちなみに、
「在宅患者訪問薬剤管理指導料」は、54,875薬局(全体の90.54%)が届け出ているので、「在宅患者調剤加算」を算定している薬局が少ないのがよくわかります。
~余談おわり~

調剤報酬点数表(2022)より引用

在宅患者調剤加算

注8 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者その他厚生労働大臣が定める患者に対する調剤を行った場合に、在宅患者調剤加算として、処方箋受付1回につき15点を所定点数に加算する。

調剤報酬点数表に関する事項(2022)より引用

(13) 在宅患者調剤加算

在宅患者調剤加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料若しくは在宅患者緊急時等共同指導料又は介護保険における居宅療養管理指導費若しくは介護予防居宅療養管理指導費が算定されていない場合は、算定できない。ただし、「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の(4)において規定する在宅協力薬局が処方箋を受け付けて調剤を行った場合は、この限りでない。

施設基準(2022)より引用

八 薬剤調製料の注8に規定する施設基準(在宅患者調剤加算)

(1) 在宅患者訪問薬剤管理指導料の注1に規定するあらかじめ在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を地方厚生局長等に届け出た保険薬局であること。

(2) 在宅患者に対する薬学的管理及び指導を行うにつき必要な体制が整備されていること。

(3) 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第三条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。

九 薬剤調製料の注8に規定する患者(在宅患者調剤加算)

(1) 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定している患者

(2) 在宅患者緊急時等共同指導料を算定している患者

(3) 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成十二年厚生省告示第十九号)に規定する居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限る。)を算定している患者

(4) 指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成十八年厚生労働省告示第百二十七号)に規定する介護予防居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限る。)を算定している患者

特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて (2022)より引用

第 96 在宅患者調剤加算

1 在宅患者調剤加算に関する施設基準

(1) 地方厚生(支)局長に対して在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出を行っている保険薬局であること。

(2) 在宅患者に対する薬学的管理及び指導の実績として、当該加算の施設基準に係る届出時の直近1年間の在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン薬剤管理指導料を除く。)、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費の算定回数が、合算して計 10 回以上であること。

(3) 緊急時等の開局時間以外の時間における在宅業務に対応できる体制が整備されていること。緊急時等に対応できる体制の整備については、在宅協力薬局の保険薬剤師と連携して対応する方法を講じている場合も含むものである。

(4) 地方公共団体、保険医療機関及び福祉関係者等に対して、在宅業務実施体制に係る周知を自ら又は地域の薬剤師会等を通じて十分に行っていること。

(5) 当該保険薬局において、在宅業務従事者等の資質の向上を図るため、研修実施計画を作成し、当該計画に基づき研修を実施するとともに、定期的に在宅業務に関する外部の学術研修(地域薬剤師会等が行うものを含む。)を受けさせていること。併せて、当該保険薬局の保険薬剤師に対して、薬学等に関する団体・大学等による研修認定の取得、医学薬学等に関する学会への定期的な参加・発表、学術論文の投稿等を行わせていることが望ましい。

(6) 医療材料及び衛生材料を供給できる体制を有していること。また、患者に在宅患者訪問薬剤管理指導を行っている保険薬局に対し保険医療機関から衛生材料の提供を指示された場合は、原則として衛生材料を当該患者に供給すること。なお、当該衛生材料の費用は、当該保険医療機関に請求することとし、その価格は保険薬局の購入価格を踏まえ、保険医療機関と保険薬局との相互の合議に委ねるものとする。

(7) 麻薬及び向精神薬取締法第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができること。

(8) 施設基準に適合するとの届出をした後は、(2)については、前年3月1日から当年2月末日までの実績により判定し、当年の4月1日から翌年の3月末日まで所定点数を算定できるものとする。

2 届出に関する事項

在宅患者調剤加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式 89 を用いること。

他にも色々と書いています

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