『薬局プレアボイド事例報告』の経過措置は2019年3月31日だが、事実上のリミットは2018年8月末だったかもしれない

調剤報酬

※2018/11/20追記
このページを作成した時点での発表情報では、タイトルの通り『事実上のリミットは2018年8月末』という可能性もあるかもしれないと考えていたのですが、2018/11/19に出た疑義解釈9により杞憂であったとわかりました。とりあえずは、 ”2018年内にプレアボイド事例の取り組み実績” を作っておけば大丈夫です。

2018年調剤報酬改定-疑義解釈その9「地域支援体制加算」
この記事は,厚生労働省のこちらのページのPDFファイルからの引用です.疑義解釈はこちらのページの下の方.→【事務連絡】→(3) 疑義解釈資料の送付について こちらにあります.※このPDFファイルの最終の6ページ目が調剤報酬点数...

 

※2018/12/20追記
そして、2018/12/18に出た疑義解釈10で、2018年末時点で「本登録」ではなく「仮登録」状態でも今回だけは特別にOKとする。という通知も出ました。(良かったですね)
どんな書類を添付すれば良いかも明記されています。

2018年調剤報酬改定-疑義解釈その10「地域支援体制加算」
プレアボイド事例の報告の期限は2019年3月31日ですが、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業への本登録が間に合わない。しかし仮登録は2018年内にできたという薬局のために、救済措置が発表されました。

 

※2018/12/21追記
更に詳細に考察した、ページを作りました。

薬局プレアボイド事例報告は、薬局ヒヤリ・ハット事業へ仮登録状態であっても『4つの書類』を提出すれば大丈夫
厚生労働省は2018年12月18日、調剤報酬改定に関する疑義解釈資料(その10)を掲載しました。(※⇧その情報を当サイトが簡単にまとめたページです。)薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業は、「本登録」されないと事例が報告できない...

当ページへアクセスいただいた方へは、上記ページをお読みいただく事をおすすめいたします。

 

という訳で、『事実上のリミットは2018年8月末』なんかじゃない。という事がわかりましたが、このページは削除せずに、このままにしておきます。

以下、もうあまり役に立たない古い情報となってしまいましたが、2018年8月時点で書いた記事という事を理解いただいた上で、ご興味のある方はお読みください。



地域支援体制加算の算定要件である『薬局プレアボイド事例報告』の経過措置は2019年3月31日です。
が、しかし事実上のリミットは2018年8月末だったかもしれません。

順を追って説明します。

厚生労働省発表資料からの引用

こちらの資料
「薬局機能に関する情報の報告及び公表にあたっての留意点について」の改正について(平成29年10月6日薬生総発1006第1号厚生労働省医薬・生活衛生局総務課長通知)[PDF]
からの引用です。

地域支援体制加算の算定要件である『薬局プレアボイド事例報告』 の「プレアボイド」について触れている資料です。

(4) 地域医療連携体制
(ⅰ) 医療連携の有無
以下の取組の有無をそれぞれ記載すること。
①プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無
プレアボイドとは、Prevent and avoid the adverse drug reaction(薬による有害事象を防止・回避する)という言葉を基にした造語であり、医療機関では一般社団法人日本病院薬剤師会においても薬剤師が薬物療法に直接関与し、薬学的患者ケアを実践して患者の不利益(副作用、相互作用、治療効果不十分など)を回避あるいは軽減した事例をプレアボイドと称して報告を収集し、共有する取組が行われているが、近年では、医療機関だけではなく、薬局における副作用等の健康被害の回避症例等も収集し、当該情報を医療機関等の関係者と連携して共有する取組も行われている。薬局においてこのような取組に参加し、事例の提供を行っている場合は「有」とし、それ以外の場合は「無」とすること。
また、当該項目に該当する取組として、2(2)(ⅱ)の薬局医療安全対策推進事業におけるヒヤリ・ハット事業の「参加薬局」として登録を行うだけではなく、薬局機能情報提供制度実施要領(平成 19 年3月 26日付け薬食発第 0326026 号厚生労働省医薬食品局長通知別添)4(2)①の都道府県が定める期日(以下「報告期日」という。)の前年1年間(1月1日~12 月 31 日)に、疑義照会により処方変更がなされた結果、患者の健康被害や医師の意図した薬効が得られないことを防止するに至った事例を報告した場合も「有」として差し支えない。

 

プレアボイドとは

プレアボイドとは、Prevent and avoid the adverse drug reaction(薬による有害事象を防止・回避する)という言葉を基にした造語

プレアボイド=『薬剤師が患者の薬による不利益を回避・軽減・防止した事例』 の事。

 

それでは次に、『薬局プレアボイド事例報告』とは具体的に何をすればよいのか。

薬局がやるべき事-具体的に何をすればよいのか

薬局がやるべきことは下記①~④を順番にやることです。

①,薬局医療安全対策推進事業におけるヒヤリ・ハット事業の「参加薬局」として登録を行う
②,疑義照会により『処方変更があり』⇒『患者の健康被害を防いだ』or『医師の意図した薬効が得られないことを防止した』
③,この②を満たす事例を少なくとも年間1件は「ヒヤリ・ハット事業」へ報告する。
④,前年において事例報告をしている旨を、「都道府県」に報告する。


ikpdi.comが考える注意点

・上記① の ”「参加薬局」として登録を行う” は、ネット上で登録を行うだけなんですが、「登録申請 ⇒ 即日仮登録 ⇒ 約3~4カ月後本登録』という流れです。
ここで言っている、「参加薬局」として登録を行う は『本登録』の事です。
申請から『本登録』までは数か月かかります。
逆算すると2018年8,9月頃には登録申請をしておかないと、本登録が年内に間に合わない可能性があります。

※実際、当薬局は「登録申請~本登録まで」4か月かかりました。注意してください。

・上記③の ”「ヒヤリ・ハット事業」へ報告する” は2018年12月31日までに1件は報告する必要があります。「ヒヤリ・ハット事業へ報告する」事の期限は、経過措置の2019年3月31日ではありません。前年(1月1日~12 月 31 日)に報告しているか否かなので、2018年12月31日が「ヒヤリ・ハット事業へ報告する」事の期限です。

・上記④の ”「都道府県」に報告する” は薬局機能情報提供制度の「改正」実施要領が2019年1月1日に施行されますので、それに従って、2019年3月31日までに都道府県に報告すればよいです。

このように、『薬局プレアボイド事例報告』の経過措置は2019年3月31日ですが、事実上のリミットはもう過ぎてしまったかもしれません。

ご注意下さい。

しかし、上記は「最悪のケース」を想定した,ikpdi.comが考えるリミットです。
もしかすると初回の報告に限り「ヒヤリ・ハット事業へ報告する」事の期限も経過措置と同じ2019年3月31日かもしれません。
詳しくは&正しくは、公的な機関(厚生労働省等)へご確認ください。

薬局機能情報提供制度について
薬局機能情報提供制度について紹介しています。

 

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