レミニールは軽度~中等度のアルツハイマー型認知症の進行抑制に使用される薬です。
レミニール(ガランタミン)の基本情報
一般名(成分名)はガランタミンです。通常、1日2回飲む薬です。
・通常、1回4mgを1日2回から始めて4週間後には1回8㎎を1日2回に増量します。
※1回12㎎を1日2回までは増量できます。
※添付文書より引用
【効 能・効 果】
軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制【用 法・用 量】
通常、成人にはガランタミンとして1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口投与する。なお、症状に応じて1日24mg(1回12mgを1日2回)まで増量できるが、増量する場合は変更前の用量で4週間以上投与した後に増量する。
レミニール(ガランタミン)の種類
レミニールには「(普通)錠」「OD錠」「内用液」の3種類の剤形があります。
普通錠:4㎎、8㎎、12㎎
OD錠:4㎎、8㎎、12㎎
内用液:1mL(4㎎)、2mL(8㎎)、3mL(12㎎)
効能・効果は全て同じです。
「(普通)錠」と「OD錠」の違いは、「OD錠」は水なしでも飲めるという事。
もちろんOD錠を水で飲んでも大丈夫です。
加齢等が原因で嚥下能力が落ちてしまった方でも使用できる剤形が揃っています。
どうして1回4㎎から始めるの?最初から1回8㎎を飲んではダメなの?
1回4㎎から始めるのは、消化器系の副作用(吐き気・食欲不振)を起こしにくくするためです。
最初から通常維持量の1回8㎎をのむと副作用(吐き気・食欲不振)が起こりやすくなってしまいます。
※添付文書-用法・用量に関連する使用上の注意-より引用
1日8mg投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として4週間を超えて使用しないこと
レミニールの副作用は?どんなのがあるの?
消化器系の副作用(悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、食欲減退)が主なもので、他には頭痛も副作用として報告されています。
高齢者が消化器症状副作用発症→食欲不振となると、栄養不足や脱水に陥り、予後不良状態(改善しにくい良くない状態)へ進行する可能性もあるので、「たかが消化器症状」とあなどってはいけません。消化器症状も十分に注意が必要です。
また、頭痛も他の重大な合併症(脳梗塞等)のサインの可能性もありますので、「たかが頭痛」とあなどらなようにしましょう。
副作用を予防する方法はないの?
レミニールは食事の前後どちらでも飲める薬で、薬の効果も食事による影響は受けません。
が、副作用を予防・軽減するためには「食後」に飲むことをおすすめします。
※添付文書-薬物動態-より引用
食事による影響 健康成人に4mg錠を空腹時又は食後に単回経口投与したとき、空腹時投与と比較して食後投与ではtmaxにわずかな遅れがみられたが、Cmax及びAUCに差は認められなかった。※添付文書-用法・用量に関連する使用上の注意-より引用
副作用を軽減するため、食後に投与することが望ましい。
他に副作用はないの?
心臓の「脈の異常」などがあらわれるおそれがあります。
心筋梗塞、狭心症、弁膜症等の心疾患を持つ患者さんが服用される際は特に注意するようにしてください。
※添付文書-重要な基本的注意-より引用
本剤の投与により、徐脈、心ブロック、QT延長等があらわれることがあるので、特に心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者や電解質異常(低カリウム血症等)のある患者等では、重篤な不整脈に移行しないよう観察を十分に行うこと。
頻度は不明(多くない)なのですが、横紋筋融解症という副作用が起こることもあります。
横紋筋融解症とは、「横紋筋」という体を構成する筋肉が「融解」してしまう副作用のことです。気をつけないといけない副作用の1つではありますが、もしこの横紋筋融解症が起こると、筋肉痛が起こったり、おしっこが赤黒く(コーラの色に)なったりしますので気付くことができます。これら横紋筋融解症の初期症状に気付いた場合は、薬を中止して処方した医師に相談することで、重大な副作用に進展することを防ぐことができます。
※横紋筋融解症は、他に「コレステロールや中性脂肪を下げる薬」の一部で起こりやすい副作用と言われていますので、これらの薬を服用中の方は特にこの副作用の初期症状「筋肉痛」「おしっこの色が赤黒くコーラのような色になる」を覚えておいてください。
※添付文書-重大な副作用-より引用
横紋筋融解症(頻度不明):横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能がよくない人も飲んで良いですか?
肝機能がよくない方の飲むことはできます。
(中等度の肝機能障害患者さん)
しかし肝機能がよくない方は1日2回ではなく、1日1回から開始します。増量時も肝機能が問題ない方と比べてより慎重に行います。最大量も1日16㎎を超えないようにします。
※添付文書-用法・用量に関連する使用上の注意-より引用
中等度の肝障害患者では、4mgを1日1回から開始し少なくとも1週間投与した後、1日8mg(4mgを1日2回)を4週間以上投与し、増量する。ただし、1日16mgを超えないこと。
まとめ
・レミニールは軽度~中等度のアルツハイマー型認知症の進行抑制に使用される薬
・服用回数は通常1日2回
・副作用の中でも特に「消化器症状」の頻度が多い。
・心疾患や肝機能が落ちている方に使用する際は要注意。
レミニールは患者向医薬品ガイドが作成されている薬剤です。
他の認知症治療薬も確認
アルツハイマー型認知症治療薬
一般名 | (代表的な) 商品名 | 特徴 | |
---|---|---|---|
コリンエステラーゼ阻害薬 | ドネペジル | アリセプト | 軽度~高度まで |
ガランタミン | レミニール | 軽度~中等度 | |
リバスチグミン | イクセロンパッチ リバスタッチパッチ | 軽度~中等度 | |
グルタミン酸NMDA受容体拮抗薬 | メマンチン | メマリー | 中等度及び高度 |
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最後に
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